今から30年前の出来事です。JR7社誕生を翌日に控え、日本国有鉄道(国鉄)最後の日を迎えた1987年3月31日。茨城県で一つのローカル鉄道も最後の日を迎えていました。その名は筑波鉄道。土浦駅~岩瀬駅間40.1kmを結ぶ非電化の鉄道です。
実は私、筑波鉄道の最終列車、土浦駅発、真壁駅行きに乗車していました。上の画像は「蛍の光」が流れる土浦駅で撮影した一枚。生まれて初めて鉄道の廃止に立ち会ったという事もあり、当時の様子は、今でも断片的ながら印象深く覚えています。鉄道が廃止されてから30年が経過した現在、当時と同じように土浦駅から真壁駅までバスに乗車してみました。
関東鉄道
土浦駅11時05分発 筑波山口行き
筑波鉄道の代替となるバス路線は、土浦駅西側のロータリーから発車します。発車の5分前に据え付けられた筑波山口行きのバスは中型のノンステップ。行先表示器に表示された経由地には「藤沢」「北条」と書かれていました。その瞬間、記憶の底に眠っていた「常陸藤沢」「常陸北条」という駅名が甦ってきます。
乗車口で整理券を取ろうとしましたが、ICカードが使える旨の表記を見つけたのでPASMOをタッチ。もしも、今も筑波鉄道が残っていたら、ICカードに対応していたのでしょうか。
10人ほどの乗客を乗せて、土浦駅を発車しました。
「関鉄本社入口」という車内アナウンスを聞いて、鉄道の跡地が近いと判断。カメラを構えていると、見えました!間違いなく線路跡です。筑波鉄道の線路跡はサイクリングロードになった場所が多いのです。「筑波自転車道」と書かれた標識がありました。
鉄道が存在していた時代には既にバスが運行していた事もあってか、鉄道から若干離れたルートを走行します。廃線跡が見えてきたのは、藤沢の集落を越えたあたり。サイクリングロード脇に植えられた樹木が、遠くからでも廃線跡を見つけやすくしてくれていました。
↑最後尾から撮影
北条の集落に入りました。
撮影は出来ませんでしたが、北条駅入口という停留所名が、鉄道があった時代の名残を今に語り継いでいました。ちなみに、土浦駅から北条地区までは、私が乗車している筑波山口系統と、下妻系統の計2路線が運行しています。鉄道が廃止になった区間ですが、路線バスはそれなりの頻度が運行されていて頼もしく思えました。
下妻方向へ向かう国道125号線と別れ、こちらは県道41号線へ。すぐ脇のサイクリングロードを快走するライダーが、まるで線路を走っていたディーゼルカーの面影と重なって見えるようです。
筑波山の麓までくると、まもなく筑波山口。
土浦駅から約50分で終点の筑波山口に到着。PASMOを運賃箱にタッチすると、920円が引かれました。
ここまでの距離は約20km。筑波鉄道は約40kmの鉄道だったので、ここがちょうど中間地点に当たります。
廃止された筑波駅の駅舎が、バスターミナルと営業所になっていました。
ここで乗り継ぐのは・・・桜川市の実証実験バス。
実証実験バス?!
そう、今は実証実験中なのです。筑波鉄道は廃止後に全線がバス代替になったものの、利用者の減少から2008年に岩瀬駅~真壁駅間がバス廃止、2011年に真壁駅~筑波山口間もバス廃止になっており、筑波鉄道の跡を土浦駅からバスでたどると、この筑波山口までしか行けません。
バス廃止を受けて、桜川市(旧真壁町)のデマンド型乗合タクシーの運行が始まりましたが、利用できるのは、登録した住民のみです。もはや、バスで真壁には行けないと思っていた私にとって、2016年10月1日から始まった半年間の実証実験は「真壁に行って来い!」と背中を押してくれたようでした。
次のバスは55分後です。しかし、時刻表を確認すると、5分前に発車した直後なのです。
(土浦駅から来たバスなのに、乗り継げないのか・・・)
ガックリと肩を落とす私でしたが、すぐに私の考えが30年前のままだからと気が付きました。
人の流動は、30年前とは大きく違う。
その主たる要因は、2005年に開業した「つくばエクスプレス」です。今や、優先的にダイヤを合わせるべきは、土浦駅よりも、つくば駅(つくばセンター)なのでした。
こちらが、筑波山口~つくばセンター間を結ぶ「つくバス 北部シャトル」
つくば市のコミュニティバスです。
筑波山口~つくばセンター間を46分で結びます。コミュニティーバスらしく、各施設の玄関近くまで寄り道する停留所が多いものの、それでも幹線道路を走行し、停留所も厳選されているので速達性が高い事に加え、運賃は400円と低額。更に日中30分間隔という利便性の高さが魅力です。
これから乗車する「桜川市バス」と、つくばセンターから到着した「つくバス 北部シャトル」が並びました。
この2つを乗り継ぐと、基本運賃から100円割引になるサービスが受けられます。
関鉄パープルバス
筑波山口12時50分発 桜川市役所真壁庁舎行き
実証実験中のステッカーが貼られた「桜川市バス」
桜川市のコミュニティバスで、運行は関鉄パープルバスが受け持ちます。
側面の行先表示器。
バスに乗り込み、筑波山口を定刻通りに発車しました。乗客は、私を含めて2人。つくば市内に停留所はありません。5~6分走行して桜川市に入りました。
旧酒寄駅跡に到着。筑波鉄道時代の駅名を今に伝える停留所名です。「旧」に加えて「跡」がつくなんて、どれだけ歴史を感じる停留所名でしょう。「酒寄駅」という名称が30年ぶりに復活しました。
この辺りは線路の跡地を道路の拡幅用地に転用してしまったようです。廃線跡を見つける事は困難でした。
居住環境が整備された紫尾団地で1人が降車。バスの乗客は私のみになりました。
ここで桜川市のバスの取り組みを紹介します。
先程も書きましたが、路線バスの廃止後、桜川市ではデマンド型乗合タクシーによる移動手段を確保しました。地域性が高くて住民に近い存在ですが、全額が桜川市の財政負担であり、かつ、登録・予約が必要、平日の日中のみ、市外の利用者が乗車出来ないというデメリットもありました。
より高齢化や人口減少が進むと予測されている現在に、地方創生の面から将来の街づくりを考えると、国の支援を得て、買い物や病院、通学など、市民が利用しやすい公共交通を確保すると共に「真壁の街並み」「ひなまつり」といった観光資源を活かして、桜川市を訪れたい観光客が、利用しやすい公共交通を作る事も必要とされています。(※桜川市地域公共交通網形成計画等から自分なりにまとめてみました)
もちろん、桜川市だけで解決する課題ではないので、つくば市や、筑西市、下妻市といった近隣の市と広域連携をとり、意見交換を実施。その結果、2016年10月1日から、つくば市のコミュニティバス「つくバス」と乗り継ぎ出来る「桜川市バス」の実証実験が毎日16往復で始まりました。また、筑西市でも、筑波山口~下館駅間で「筑西市広域連携バス」の実証実験を毎日7往復で開始しています。
これにより、「つくばエクスプレス」「高速バス」~【つくば駅(つくばセンター)】~「つくバス 北部シャトル」~【筑波山口】~「桜川市・筑西市/実証実験バス」という人の流動を作る事が出来ました。
実証実験は半年間行われ、2017年4月1日以降の運行継続が期待されています。
さて、バスは小学校や中学校、高校の名称が付いた停留所をまわり、終点の桜川市市役所真壁庁舎に到着しました。停留所は意外にも、真壁駅のあった集落ではなく、行政の施設内にありました。約10kmの道のりでしたが、筑波山口からの運賃は200円です。(「つくバス」からの乗り継ぎならば100円です)
帰りは「桜川市バス」→「つくバス 北部シャトル」→「つくばエクスプレス」のルートで帰ったのですが、桜川市内で小学生が通学に利用していたり、ご夫婦が観光で利用していたり(真壁のひなまつりの時期でした)、トランクを持った若者が「つくバス」に乗り継いだりと、小型のバスに、様々な顔ぶれが、様々な目的で乗車していました。
これまでも全国には越境する自治体のバスは存在しますが、「広域な幹線」を営利目的のバス事業者が受け持ち、「過疎な地域」を社会福祉として自治体が受け持つイメージを、私は強く持っていました。しかし、「桜川市バス」では実証実験とは言え、自治体がその気になれば「広域な幹線」を営利目的では出来ないような低廉な価格(200円!)と、高頻度な運行(毎日16往復!)で実現できるという一面を体験する事になりました。
その結果、コミュニティーバスだけで約25Kmも乗り継いで、500円で済んだのです。
もっとも、バス路線の考え方が、全て「社会福祉」になってしまうと、「営利目的」とのバランスをとるのが難しくなるという一面もあります。今後、地方創生の考えから、自治体が「広域な幹線」を希望するケースが増えてくると、既存のバス路線のあり方から考え直す必要があるのかもしれません。
バスを降りて、真壁駅の跡地まで歩いてみました。
ホームに桜が咲く駅として知られていた真壁駅。30年経過しても桜の木は現役でした。
30年前、土浦駅から到着した最終列車を、大勢の地元の方々が迎えてくれました。構内踏切で撮影した一枚です。
その後、この列車は車庫のある真鍋機関区に回送され、筑波鉄道は70年間の歴史に幕を閉じました。
最後に、私の願望…というか妄想なのですが、真壁駅跡地の一部を当時のように復元できないでしょうか。
少し長めにレールを引いて、関東鉄道で廃車になった車両を譲渡してもらい、当時の塗装で展示すれば、撮影の角度により、多くの人が心に思い描くローカル線のような写真が撮れそうです。ホーム上の桜が満開になれば「絵になる風景」としてガイドブックや旅行雑誌で使ってもらえるかもしれません。観光客もライダーも写メを撮ってSNSに投稿し、結果として真壁を宣伝してくれると思います。
「筑波鉄道 真壁駅」の風景を、桜川市やサイクリングロードのシンボルにしてはどうでしょうか。
今回、廃止から30年が経過した土浦駅~真壁駅間をバスで乗り継ぎました。性格の違う2種類のバスに乗車して、バス路線は、採算性を問う時代から、必要性を問う時代へと、変わりつつある。そんな印象を受けました。
<撮影2017年2月(1987年3月)>
実は私、筑波鉄道の最終列車、土浦駅発、真壁駅行きに乗車していました。上の画像は「蛍の光」が流れる土浦駅で撮影した一枚。生まれて初めて鉄道の廃止に立ち会ったという事もあり、当時の様子は、今でも断片的ながら印象深く覚えています。鉄道が廃止されてから30年が経過した現在、当時と同じように土浦駅から真壁駅までバスに乗車してみました。
関東鉄道
土浦駅11時05分発 筑波山口行き
筑波鉄道の代替となるバス路線は、土浦駅西側のロータリーから発車します。発車の5分前に据え付けられた筑波山口行きのバスは中型のノンステップ。行先表示器に表示された経由地には「藤沢」「北条」と書かれていました。その瞬間、記憶の底に眠っていた「常陸藤沢」「常陸北条」という駅名が甦ってきます。
乗車口で整理券を取ろうとしましたが、ICカードが使える旨の表記を見つけたのでPASMOをタッチ。もしも、今も筑波鉄道が残っていたら、ICカードに対応していたのでしょうか。
10人ほどの乗客を乗せて、土浦駅を発車しました。
「関鉄本社入口」という車内アナウンスを聞いて、鉄道の跡地が近いと判断。カメラを構えていると、見えました!間違いなく線路跡です。筑波鉄道の線路跡はサイクリングロードになった場所が多いのです。「筑波自転車道」と書かれた標識がありました。
鉄道が存在していた時代には既にバスが運行していた事もあってか、鉄道から若干離れたルートを走行します。廃線跡が見えてきたのは、藤沢の集落を越えたあたり。サイクリングロード脇に植えられた樹木が、遠くからでも廃線跡を見つけやすくしてくれていました。
↑最後尾から撮影
北条の集落に入りました。
撮影は出来ませんでしたが、北条駅入口という停留所名が、鉄道があった時代の名残を今に語り継いでいました。ちなみに、土浦駅から北条地区までは、私が乗車している筑波山口系統と、下妻系統の計2路線が運行しています。鉄道が廃止になった区間ですが、路線バスはそれなりの頻度が運行されていて頼もしく思えました。
下妻方向へ向かう国道125号線と別れ、こちらは県道41号線へ。すぐ脇のサイクリングロードを快走するライダーが、まるで線路を走っていたディーゼルカーの面影と重なって見えるようです。
筑波山の麓までくると、まもなく筑波山口。
土浦駅から約50分で終点の筑波山口に到着。PASMOを運賃箱にタッチすると、920円が引かれました。
ここまでの距離は約20km。筑波鉄道は約40kmの鉄道だったので、ここがちょうど中間地点に当たります。
廃止された筑波駅の駅舎が、バスターミナルと営業所になっていました。
ここで乗り継ぐのは・・・桜川市の実証実験バス。
実証実験バス?!
そう、今は実証実験中なのです。筑波鉄道は廃止後に全線がバス代替になったものの、利用者の減少から2008年に岩瀬駅~真壁駅間がバス廃止、2011年に真壁駅~筑波山口間もバス廃止になっており、筑波鉄道の跡を土浦駅からバスでたどると、この筑波山口までしか行けません。
バス廃止を受けて、桜川市(旧真壁町)のデマンド型乗合タクシーの運行が始まりましたが、利用できるのは、登録した住民のみです。もはや、バスで真壁には行けないと思っていた私にとって、2016年10月1日から始まった半年間の実証実験は「真壁に行って来い!」と背中を押してくれたようでした。
次のバスは55分後です。しかし、時刻表を確認すると、5分前に発車した直後なのです。
(土浦駅から来たバスなのに、乗り継げないのか・・・)
ガックリと肩を落とす私でしたが、すぐに私の考えが30年前のままだからと気が付きました。
人の流動は、30年前とは大きく違う。
その主たる要因は、2005年に開業した「つくばエクスプレス」です。今や、優先的にダイヤを合わせるべきは、土浦駅よりも、つくば駅(つくばセンター)なのでした。
こちらが、筑波山口~つくばセンター間を結ぶ「つくバス 北部シャトル」
つくば市のコミュニティバスです。
筑波山口~つくばセンター間を46分で結びます。コミュニティーバスらしく、各施設の玄関近くまで寄り道する停留所が多いものの、それでも幹線道路を走行し、停留所も厳選されているので速達性が高い事に加え、運賃は400円と低額。更に日中30分間隔という利便性の高さが魅力です。
これから乗車する「桜川市バス」と、つくばセンターから到着した「つくバス 北部シャトル」が並びました。
この2つを乗り継ぐと、基本運賃から100円割引になるサービスが受けられます。
関鉄パープルバス
筑波山口12時50分発 桜川市役所真壁庁舎行き
実証実験中のステッカーが貼られた「桜川市バス」
桜川市のコミュニティバスで、運行は関鉄パープルバスが受け持ちます。
側面の行先表示器。
バスに乗り込み、筑波山口を定刻通りに発車しました。乗客は、私を含めて2人。つくば市内に停留所はありません。5~6分走行して桜川市に入りました。
旧酒寄駅跡に到着。筑波鉄道時代の駅名を今に伝える停留所名です。「旧」に加えて「跡」がつくなんて、どれだけ歴史を感じる停留所名でしょう。「酒寄駅」という名称が30年ぶりに復活しました。
この辺りは線路の跡地を道路の拡幅用地に転用してしまったようです。廃線跡を見つける事は困難でした。
居住環境が整備された紫尾団地で1人が降車。バスの乗客は私のみになりました。
ここで桜川市のバスの取り組みを紹介します。
先程も書きましたが、路線バスの廃止後、桜川市ではデマンド型乗合タクシーによる移動手段を確保しました。地域性が高くて住民に近い存在ですが、全額が桜川市の財政負担であり、かつ、登録・予約が必要、平日の日中のみ、市外の利用者が乗車出来ないというデメリットもありました。
より高齢化や人口減少が進むと予測されている現在に、地方創生の面から将来の街づくりを考えると、国の支援を得て、買い物や病院、通学など、市民が利用しやすい公共交通を確保すると共に「真壁の街並み」「ひなまつり」といった観光資源を活かして、桜川市を訪れたい観光客が、利用しやすい公共交通を作る事も必要とされています。(※桜川市地域公共交通網形成計画等から自分なりにまとめてみました)
もちろん、桜川市だけで解決する課題ではないので、つくば市や、筑西市、下妻市といった近隣の市と広域連携をとり、意見交換を実施。その結果、2016年10月1日から、つくば市のコミュニティバス「つくバス」と乗り継ぎ出来る「桜川市バス」の実証実験が毎日16往復で始まりました。また、筑西市でも、筑波山口~下館駅間で「筑西市広域連携バス」の実証実験を毎日7往復で開始しています。
これにより、「つくばエクスプレス」「高速バス」~【つくば駅(つくばセンター)】~「つくバス 北部シャトル」~【筑波山口】~「桜川市・筑西市/実証実験バス」という人の流動を作る事が出来ました。
実証実験は半年間行われ、2017年4月1日以降の運行継続が期待されています。
さて、バスは小学校や中学校、高校の名称が付いた停留所をまわり、終点の桜川市市役所真壁庁舎に到着しました。停留所は意外にも、真壁駅のあった集落ではなく、行政の施設内にありました。約10kmの道のりでしたが、筑波山口からの運賃は200円です。(「つくバス」からの乗り継ぎならば100円です)
帰りは「桜川市バス」→「つくバス 北部シャトル」→「つくばエクスプレス」のルートで帰ったのですが、桜川市内で小学生が通学に利用していたり、ご夫婦が観光で利用していたり(真壁のひなまつりの時期でした)、トランクを持った若者が「つくバス」に乗り継いだりと、小型のバスに、様々な顔ぶれが、様々な目的で乗車していました。
これまでも全国には越境する自治体のバスは存在しますが、「広域な幹線」を営利目的のバス事業者が受け持ち、「過疎な地域」を社会福祉として自治体が受け持つイメージを、私は強く持っていました。しかし、「桜川市バス」では実証実験とは言え、自治体がその気になれば「広域な幹線」を営利目的では出来ないような低廉な価格(200円!)と、高頻度な運行(毎日16往復!)で実現できるという一面を体験する事になりました。
その結果、コミュニティーバスだけで約25Kmも乗り継いで、500円で済んだのです。
もっとも、バス路線の考え方が、全て「社会福祉」になってしまうと、「営利目的」とのバランスをとるのが難しくなるという一面もあります。今後、地方創生の考えから、自治体が「広域な幹線」を希望するケースが増えてくると、既存のバス路線のあり方から考え直す必要があるのかもしれません。
バスを降りて、真壁駅の跡地まで歩いてみました。
ホームに桜が咲く駅として知られていた真壁駅。30年経過しても桜の木は現役でした。
30年前、土浦駅から到着した最終列車を、大勢の地元の方々が迎えてくれました。構内踏切で撮影した一枚です。
その後、この列車は車庫のある真鍋機関区に回送され、筑波鉄道は70年間の歴史に幕を閉じました。
最後に、私の願望…というか妄想なのですが、真壁駅跡地の一部を当時のように復元できないでしょうか。
少し長めにレールを引いて、関東鉄道で廃車になった車両を譲渡してもらい、当時の塗装で展示すれば、撮影の角度により、多くの人が心に思い描くローカル線のような写真が撮れそうです。ホーム上の桜が満開になれば「絵になる風景」としてガイドブックや旅行雑誌で使ってもらえるかもしれません。観光客もライダーも写メを撮ってSNSに投稿し、結果として真壁を宣伝してくれると思います。
「筑波鉄道 真壁駅」の風景を、桜川市やサイクリングロードのシンボルにしてはどうでしょうか。
今回、廃止から30年が経過した土浦駅~真壁駅間をバスで乗り継ぎました。性格の違う2種類のバスに乗車して、バス路線は、採算性を問う時代から、必要性を問う時代へと、変わりつつある。そんな印象を受けました。
<撮影2017年2月(1987年3月)>