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高速バス&カーシェア体験乗車記 浜松

2016年11月15日から国土交通省の主導で行われている「高速バス&カーシェアリング社会実験」を体験してきました。

まず、カーシェアリングについて簡単に説明すると、様々なステーションに所属する車を、パソコンやスマートフォンから予約し、必要な時間だけ借りるシステムです。予め会員になる必要がありますが、燃料代や保険料は料金に含まれており、予約した車に会員カードをタッチすれば、すぐに利用が出来て、利便性が高いのが特徴です。

今回の社会実験では、このカーシェアリングと高速バスを連携させる事で、高速バス利用者の行動圏を広げ、観光振興や地域活性化等の効果を期待しています。

2017年2月現在、社会実験が行われているのは、静岡県の浜松と千葉県の市原です。双方でカーシェアの方式が異なり、浜松インター駐車場では「カーシェアの仕組みを活用したレンタカー」、市原駐車場では(スタンダードな方式の)「カーシェア」が提供されています。今回は、目的地を浜松とし、高速バスで日帰り往復。現地での移動を「カーシェアの仕組みを活用したレンタカー」にしてみました。

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おはようございます。朝の渋谷マークシティです。

これから乗車するのは、7時50分発の浜松駅行きです。土休日や繁忙期など特定日のみ運行している便ですが、新宿や渋谷から一番早い時間帯に出発するので、高速バスで浜松へ日帰り観光するには最適です。この日は金曜日でしたが、上手い具合に設定がありました。

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バスは渋谷マークシティを発車しました。

コンビニで購入したサンドウィッチを朝食にした後、図書館で借りた静岡県のガイドブックを読んで今日の計画を確認します。浜松インターまでは約3時間半の道のりなので、食事や読書、睡眠など、車内では思いのままに過ごしました。

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由比では駿河湾が見えました。西の空が暗いのが気になるところですが、たとえ雨でも車なので何とかなるでしょう。

しばらくして、これから借りる車が準備できた旨のメールが届きました。「ピッとGO デリバリー」と呼ばれるシステムで、予約があった場合に駐車場へ車を配置してくれます。(※デリバリー料1000円が必要です)

メールには、車種、ナンバー、色、準備場所が書かれていました。

但し、予約乗車時間を1時間以上経過しても連絡がない場合は、予約が取り消しとなるので、渋滞など大幅に遅れる時は注意が必要です。(必ず連絡を!)

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11時19分。東名高速道路を降りて、浜松インター駐車場に到着しました。

残念ながら、やはり雨。

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駐車場内に向かうと、メールに記載されていた通りの車が駐車していました。予約しているのは11時30分ですが、10分前から出発可能とのこと。

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会員カードをタッチすると、ドアのロックが開錠されて、車内に入れるようになります。

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音声で、車の鍵を取るよう指示されたので、ダッシュボードを開けて、鍵を抜きました。

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これで準備完了。点検を済ませ、発進です!

・・・・の前に大事な事を忘れていました。スタンド看板を外しましょう。

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はい、OK!(スタンドを元に戻すのを忘れずに)

それでは、観光スタートです。

最初に向かうのは、ガイドブックで目星を付けていた浜松餃子のお店です。

ナビに入力すると、駐車場から約1.5kmと表示されました。たとえ、雨が降ってなくとも歩きたくない距離です。早速、車の恩恵を感じた瞬間でした。

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駐車場に車を停めて、お店に到着。

11時30分に開店なので一番乗りです。

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景気よく、大サイズ(16個)をオーダー。

皮はパリパリで、ニンニクの効いた餡が旨い!(^^)

食べ終えて駐車場に戻ると、駐車車両が増え始めていました。人気店なんですね。早く来て良かったです。

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次の目的地は、浜松市の北部です。天竜浜名湖鉄道を超えて山間部の船明ダムへと向かいます。

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道の駅・天竜相津「花桃の里」に到着しました。

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目的はコレ。

ダムを渡る、ただの橋に見えますが、実は建設するも開業出来なかった鉄道の橋脚に、観光用の橋を架けたものです。よく見ると、橋と橋脚の組み合わせがアンバランスなのがわかると思います。

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佐久間線と名付けられ、遠江二俣(天竜二俣)~中部天竜間を結ぶ国鉄の路線になる予定でしたが、国鉄再建の折、工事は凍結されて開業は出来ず、結果として未成線に終わりました。

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佐久間線の遺構は、様々な場所で見る事が出来ます。

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川の両岸にたたずむ2つの橋脚。

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道路を跨ぐ高架橋。

このように、車の機動力を活かして、未成線の跡を巡ってみました。

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さて、次なる目的地は天竜浜名湖鉄道の天竜二俣駅。

ここでは「転車台&鉄道歴史館見学ツアー」を毎日開催しています。ツアーに参加するのは簡単で、集合時間に待合室にいくだけ。予約もいりません。

ツアー料金は、大人300円(天浜線で来れば200円)です。

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この日、13時50分の部に集まったのは私を含めて7人。

鉄道ファンかと思いきや、ご夫婦や女子旅といった意外な層の方々が参加していました。最近話題の大河ドラマの効果でしょうか。

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スタッフの方に案内され、車庫の奥にある扇形の車庫へ移動します。ディーゼルカーが出てきました。

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ディーゼルカーを乗せ、回り始める転車台。参加者は皆で撮影タイム♪

最後に「鉄道歴史館」を見学して、約40分間のツアーは終了しました。

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解散後、私は車を移動させて、保存車のキハ20と記念撮影。懐かしい車両です(^^)

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車を返すには少し早いので、航空自衛隊 浜松広報館「エアーパーク」に寄り道しました。

展示を見ていて、日本の防衛や自衛隊の役割について興味が湧いてきましたが、30分見学したところで閉館時刻の16時を迎えてしまいました。名残惜しかったので、また機会を作ってリベンジしたいと思います。

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・・・そろそろ、車を返却する時間になりました。今回はカーシェアの仕組みを活用したレンタカーなので「ガソリン満タン返し」をする必要があります。駐車場近くのガソリンスタンドで給油を行いました。ここで注意すべき点があります。一般的なレンタカーと違い、給油は専用の給油カードで行います。燃料代は「利用走行距離料金」としてクレジットカードから引き落としとなります。

後日、明細を確認すると、今回の燃料代は1km辺り12円で、74km走行したので888円でした。

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駐車場に戻って来ました。

車の鍵を元の場所に差し込み、会員カードをタッチしてドアのロックを施錠しました。

車の返却はこれで完了です。お世話になりました(^^)

短時間にいくつもの観光地を巡る事が出来たと思います。

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帰りは16時58分発のバスで帰宅しました。

浜松の「高速バス&カーシェアリング」を利用しての感想です。 

・まず、会員登録の必要性が利用開始前のハードルになりました。

カーシェアを利用するには、会員になる必要があります。今回、利用した「タイムズカープラス」の個人プランでは、月額1030円の基本料金がかかります。私は自家用車を所有しているので、会員になるメリットが少なく、それが利用に際してのハードルの高さに繋がりました。もっとも、同額の1030円分がカーシェア代に充当出来るので(レンタカー代には充当出来ません)、色々な種類の車を運転して楽しんでみようかと考えてます。

・現地での使い勝手は、かなり良いです。

予め会員登録や予約を済ませているので、会員カードを車にタッチをすれば、すぐに利用できます。なので、バスを降りて数分後には借りた車を運転する事も可能です。これはカーシェア方式の成せる技で、通常のレンタカーではこうはいきません。

また、車が高速道路のインター付近で借りられるメリットもありました。浜松駅行きの高速バスは、ここから終点の浜松駅に到着するまで約25分かかります。往復ならば50分です。その分を観光時間として使えるのは効率が良いです。あと、街の中心部に入らないので、車の流れが悪い場所を避ける事も出来ました。

・何より低価格で観光が出来ました。

高速バスが往復のネット割で6370円、車代が6008円だったので、合わせて12378円です。新幹線を利用した場合、往復の交通費だけで16580円かかるので、これにレンタカー代(5000円と仮定)を加えると21000円を超えます。9000円以上の差が付きました。(「レール&レンタカーきっぷ」を使ったとしても、それでも高速バスの方がはるかに安いです)

一般的に、長い時間を借りるならば、カーシェアよりも、レンタカーの方が安くなると言われています。市原と違い、浜松がレンタカーの設定になっている理由は、1泊の利用を想定しているからと思われます。今回は6時間コースでしたが、24時間コースが一番コストパフォーマンスに優れています。

以上の事から、低価格で、自由度が高く、移動を効率よく出来るのが、「高速バス&カーシェアリング」の長所だと感じました。普及すれば、これまで時間的や金銭的な制約から出来なかった観光を随所で実現する事が出来そうです。

最後に「高速バス&カーシェアリング」の普及には、カーシェアリング側だけではなく、高速バス側の使いやすさも課題となりそうです。大都市と地方都市とを結ぶ高速バスは、どうしても地方都市の利用者が使いやすい形になる傾向があるので、大都市の利用者をターゲットにしたダイヤや商品、見え方などの再検証が必要になるかもしれません。潜在需要は多く眠っていると思われるので、パーク&バスライドの逆バージョンで、大都市からの需要を更に掘り起こしたいところです。個人的には、高速バスとカーシェアリングの同時予約が出来ると便利だと思いました。

※補足:浜松の「高速バス&カーシェアリング」を使おうと考えてる方へ
・予め、ガイドブックや道路地図を用意しておくと便利です。(ナビはありますが、車内に地図は常備されていなかったと思います)
・お土産は、高速バスのSA休憩で購入できました。(「浜松~渋谷・新宿線」は牧之原SAと足柄SAで休憩がありました)
・横浜からも高速バスが出ています。(今なら週末などの特定日には便が増えます)
・借りた車を浜松駅前南口店で乗り捨てる事も出来ます。

<撮影2017年2月>

-今回かかった料金・運賃-
「ピッとGO デリバリー」
基本料金(6時間まで):3675円
デリバリー料:1000円
燃料代:888円
消費税:445円
小計:6008円

「高速バス 渋谷マークシティ~浜松インター」
往復割引:6370円

総合計:12378円

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