2018年の1月末。
羽田空港の到着階でバスを撮影していると、オレンジ色の富士重1M、170号車が出発階に着くのが見えました。
東京空港交通籍では最後の1台となる富士重工製のバスです。公式SNSで引退が予告されていた事もあり、私にとって、これが最後のチャンスになるだろうと、折り返しの便に乗車する事にしました。
LPSへの委託車であり、運行路線やダイヤはある程度決まっていたので、折り返しの便はすぐに特定できました。四街道・稲毛エリア線です。
国際線ターミナルで撮影し、モノレールで国内線第1ターミナルへ先回りをしてから乗車する事にします。
第1ターミナルに到着する170号車。側窓に貼られたオレンジ色の「フリーWiFi」ステッカーに注目です。
リムジンバスが「フリーWiFi」を開始したのは2017年の12月。当時、東京空港交通籍の1Mは、この170号車しか残っていなかったので、たった1台。それも2か月だけの貴重な姿になりました。
その「フリーWiFi」ステッカーの上にも何か付いています。
そこには、「Farewell」(お別れを意味する言葉)と書かれたボードが掲出されていました。
バスが到着。
これまで何度もお世話になった、富士重工1Mの車内へと進みます。
座席に座ると、全ての座席背面が、普段とは違う事に気が付きました。
座席背面に色の違う部分があります。
本来であれば、ここには広告ボードが入るスペースです。
それが剥がされているという事は、引退に向けた準備が行われていたのかもしれません。
窓ガラスに刷られたエンブレム。通称「マルフ」。
富士重工の証です。
「Farewell」とデザインされたボードは、車内にも掲出してありました。
ボードの掲出期限でしょうか。「~2018.1.25」と記されています。
もしかしたら、当初の運行終了予定日だったのかもしれません(結果的には2月まで走ってくれました)
私が降車する稲毛駅までは約1時間の道のり。あっという間に着いてしまいました。降車するのが名残惜しかったです。
ユーロツアーであれ、富士重工業であれ、西日本車体工業であれ、私の中でリムジンバスのイメージは、日産ディーゼルが占める割合が多いです。台数も多く、見かける機会も多かった1Mが引退を迎えるというのは、一つの時代が終わってしまうようで寂しい気持ちです。
発車するバスを見送り、これまでの感謝を込めて「お疲れ様でした」と心の中でつぶやきました。
追伸:東京空港交通170号車は、2018年2月9日をもって運行終了しました。