東京空港交通 TCAT~羽田空港線
TCAT 19時15分発
2018年1月下旬。
東京都心では、4年ぶりとなる20センチを越える大雪が観測されました。高速道路の通行止や鉄道の遅れなど、交通機関への影響が大きかったのは記憶に新しいところです。
翌日になり、いくつかの高速道路の通行止が解除され始めました。
「(高速道路を走るバスはどうなっただろうか)」
そんな好奇心から、TCATから羽田空港までリムジンバスに乗車してみる事にしました。
夜、箱崎にある東京シティエアターミナル(TCAT)に到着。
羽田空港行きのバスのりばに向かうと、券売機の前には、こんな掲示がありました。
「9号深川線通行止めの為、一般道を迂回しての運行」
寒波の影響により、気温が上がらず雪が溶けなかったのか、降雪から1日が経過しても、首都高速道路では通行止の区間が多く残っていました。夜の時点で全区間開通していた都内の路線は、C1都心環状線、1号羽田線、1号上野線、4号新宿線、11号台場線、湾岸線です。特にTCATと湾岸線を直接結ぶ、9号深川線が通行止なのは、リムジンバスにとって痛手だったようで、TCAT発の成田空港行きは終日運休が決まっていました。(京葉道に繋がる7号小松川線もダメでした)
バスを待っていると、一組のインバウンド旅行者が不安な表情を浮かべていました。
どうやら、搭乗予定の羽田発関西行きANA便が搭乗手続きを一時停止している模様です。JAL便も含め、前後の時間帯の関西行きは定刻予定なのに、その便だけが手続きを停止しているのです。これは一体どうしたものか・・・。
ターミナルの係員さんも含めて協議した結果、どうやら、ANA便名義ではあるものの、コードシェアだったようです。
コードシェアでは、選択できる便が増えたり、就航していない都市へ行けるメリットがありますが、今回のようなやりとりを目にすると、時にはこのようなリスクもあるのだと勉強になりました。(最終的には、関西行きに搭乗できる事になったようで、インバウンドの方々は笑顔を取り戻しました)
・・・さて、発車時刻の19時15分になりましたが、羽田空港行きが到着しません。
係員の方の説明によると、ダイヤが乱れて予定のバスが準備出来ていないとの事です。
しかし、そこは流石の東京空港交通。
TCATにバスの営業所があるメリットを活かしてか、回送で待機していたバスを、羽田空港行きで出してくれました。
羽田空港行きの改札が始まりました。
運転手さんは、羽田空港国際線ターミナル行きの情報を音声合成に打ち込み、道路地図を広げて迂回経路を再確認。更には無線でトラフィックコントロールセンター(TCC)と情報交換を行いバスの運行に備えました。なんとも頼もしい限りです。
最後は、ターミナルの係員さんによる、シートバルト装着のお願いと、お見送り。
たとえ、利用者が不安な気持ちになっても、ヒューマンな部分が見えると不安は軽減されるのではないかと感じました。
約8分延でTCATを発車。
9号深川線が通行止なので、一般道を走行します。
首都高の案内板には、路面凍結のため「通行止」の表示が並んでいました。
東名高速道路と繋がる3号渋谷線が通行止だと、物流の面から影響は大きそうです。素人なので事情はわかりませんが、このような時に復旧の優先順位はどのようになっているのでしょうか。通行量で決めるのか、やりやすい場所から始めるのか。3号渋谷線は急勾配があるので、条件が悪い路線なのかもしれません。
上記画像のような裏路地的な道路を走ると、いかにも迂回という感じがします。
京橋入口から首都高へ。
C1都心環状線に入りました。通行量は普段より明らかに少ないです。
そのまま1号羽田線を経由して、11号台場線へ。
レインボーブリッジから都心の夜景を望みます。こうして俯瞰して見ると、至って普段と変わらぬ夜景ですが、クローズアップをすると、実は道路交通には大きな影響が出ていました。まるで「木を見て森を見ず」を逆にしたかのようです。
そして、約9分遅れて羽田空港国際線ターミナルに到着。空港内の各ターミナルでは、寒い中、普段どおりに係員さんがバスを迎えてくれました。
最後に、今回は大雪によるダイヤ乱れの余韻が残る状態での乗車でしたが、多くの方々のマンパワーによってバスは動いているんだと実感をしました。公共交通機関への信頼や感謝は、こういうところから生まれるのかもしれません。
<撮影2018年1月>
TCAT 19時15分発
2018年1月下旬。
東京都心では、4年ぶりとなる20センチを越える大雪が観測されました。高速道路の通行止や鉄道の遅れなど、交通機関への影響が大きかったのは記憶に新しいところです。
翌日になり、いくつかの高速道路の通行止が解除され始めました。
「(高速道路を走るバスはどうなっただろうか)」
そんな好奇心から、TCATから羽田空港までリムジンバスに乗車してみる事にしました。
夜、箱崎にある東京シティエアターミナル(TCAT)に到着。
羽田空港行きのバスのりばに向かうと、券売機の前には、こんな掲示がありました。
「9号深川線通行止めの為、一般道を迂回しての運行」
寒波の影響により、気温が上がらず雪が溶けなかったのか、降雪から1日が経過しても、首都高速道路では通行止の区間が多く残っていました。夜の時点で全区間開通していた都内の路線は、C1都心環状線、1号羽田線、1号上野線、4号新宿線、11号台場線、湾岸線です。特にTCATと湾岸線を直接結ぶ、9号深川線が通行止なのは、リムジンバスにとって痛手だったようで、TCAT発の成田空港行きは終日運休が決まっていました。(京葉道に繋がる7号小松川線もダメでした)
バスを待っていると、一組のインバウンド旅行者が不安な表情を浮かべていました。
どうやら、搭乗予定の羽田発関西行きANA便が搭乗手続きを一時停止している模様です。JAL便も含め、前後の時間帯の関西行きは定刻予定なのに、その便だけが手続きを停止しているのです。これは一体どうしたものか・・・。
ターミナルの係員さんも含めて協議した結果、どうやら、ANA便名義ではあるものの、コードシェアだったようです。
コードシェアでは、選択できる便が増えたり、就航していない都市へ行けるメリットがありますが、今回のようなやりとりを目にすると、時にはこのようなリスクもあるのだと勉強になりました。(最終的には、関西行きに搭乗できる事になったようで、インバウンドの方々は笑顔を取り戻しました)
・・・さて、発車時刻の19時15分になりましたが、羽田空港行きが到着しません。
係員の方の説明によると、ダイヤが乱れて予定のバスが準備出来ていないとの事です。
しかし、そこは流石の東京空港交通。
TCATにバスの営業所があるメリットを活かしてか、回送で待機していたバスを、羽田空港行きで出してくれました。
羽田空港行きの改札が始まりました。
運転手さんは、羽田空港国際線ターミナル行きの情報を音声合成に打ち込み、道路地図を広げて迂回経路を再確認。更には無線でトラフィックコントロールセンター(TCC)と情報交換を行いバスの運行に備えました。なんとも頼もしい限りです。
最後は、ターミナルの係員さんによる、シートバルト装着のお願いと、お見送り。
たとえ、利用者が不安な気持ちになっても、ヒューマンな部分が見えると不安は軽減されるのではないかと感じました。
約8分延でTCATを発車。
9号深川線が通行止なので、一般道を走行します。
首都高の案内板には、路面凍結のため「通行止」の表示が並んでいました。
東名高速道路と繋がる3号渋谷線が通行止だと、物流の面から影響は大きそうです。素人なので事情はわかりませんが、このような時に復旧の優先順位はどのようになっているのでしょうか。通行量で決めるのか、やりやすい場所から始めるのか。3号渋谷線は急勾配があるので、条件が悪い路線なのかもしれません。
上記画像のような裏路地的な道路を走ると、いかにも迂回という感じがします。
京橋入口から首都高へ。
C1都心環状線に入りました。通行量は普段より明らかに少ないです。
そのまま1号羽田線を経由して、11号台場線へ。
レインボーブリッジから都心の夜景を望みます。こうして俯瞰して見ると、至って普段と変わらぬ夜景ですが、クローズアップをすると、実は道路交通には大きな影響が出ていました。まるで「木を見て森を見ず」を逆にしたかのようです。
そして、約9分遅れて羽田空港国際線ターミナルに到着。空港内の各ターミナルでは、寒い中、普段どおりに係員さんがバスを迎えてくれました。
最後に、今回は大雪によるダイヤ乱れの余韻が残る状態での乗車でしたが、多くの方々のマンパワーによってバスは動いているんだと実感をしました。公共交通機関への信頼や感謝は、こういうところから生まれるのかもしれません。
<撮影2018年1月>