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バスターミナルなブログ10周年

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いつもご覧頂き、ありがとうございます。

2009年1月27日に始まった「バスターミナルなブログ」は、10周年を迎えました。

そこで、今回は10年分の思い出の中から、印象に残っている場面を振り返ってみたいと思います。



まず、バスターミナルなブログを始めたのは、旅先で訪れた「古き良きバスターミナルを記録に残しておきたい」と考えたからでした。



具体的にそのキッカケとなったのは、しずてつジャストラインが集まる「新静岡バスターミナル」が再開発に伴い、2009年3月をもって一旦閉鎖される事が決まった時です。行きは「駿府ライナー」、帰りは「渋谷新宿ライナー静岡号」という行程で、バス乗車記を始めたのもこの旅行からでした。



当時のバスターミナルの画像です。

まずは、2009年冬の「東京駅八重洲南口」。

今とは構造が違い、縦列でバスが停車していました。



おぼえていますか。

東京駅八重洲南口のJRハイウェイバスきっぷうりば。



今となっては、券売機も古めかしいです。(今はタッチパネルですよね)



場所は変わって、京王の「新宿高速バスターミナル」。

2009年当時は、のりばが3番までありました。(ビル建て替えの為に2011年に2番までに短縮されました)LED式の発車案内も、まだ設置されていません。



SHDのスーパークルーザーも当たり前のように来ていたのを思い出します。



2009年12月。西鉄バス「はかた号」に2階建てバス「エアロキング」がデビューしました。

「プレミアムシート」、「ビジネスシート」、「エコノミーシート」の3クラス制を採用し、多様化する利用者のニーズに応えました。



撮影した日は、デビューから数日が経過していましたが、それでもカメラを構えたバスファンを何人も見かけました。

この日、発車した「はかた号」は全5台。せっかくなので、すべて紹介します。



2号車



3号車



4号車



5号車

今では「はかた号」が5台出る事はありませんし、西工SDや純正ボディの「はかた号」を撮れたのも、良い思い出です(^^)



2010年9月。秋田県の「大曲バスターミナル」を訪れました。

老舗ショッピングセンターに併設されたバスターミナルでしたが、私が訪れた時は店舗が閉店し、次の再開発を待っている状態でした。駅前一等地のショッピングセンターがシャッターを下ろしている光景は衝撃的で、中心市街地のドーナツ化や、少子高齢化といった日本の課題を目の当たりにする事になりました。



2011年3月。「東日本大震災」が発生しました。

地震だけではなく、津波の被害に加え、原子力発電所の事故が発生。鉄道は寸断され、多くのバスが支援に従事したのは記憶に新しいところです。



そんな中、震災から1週間程が経過した3月19日から、遠鉄バスが新宿に乗り入れるようになりました。(撮影したのは翌日でした)

「遠鉄バスが、新宿や渋谷にやって来る!」と、楽しみにしていた参入でしたが、そんな明るいテンションはなく、淡々と記録してまっすぐ帰宅した記憶があります。社会全体が暗かった頃でした。



4月1日には、松本電気鉄道と川中島バス、諏訪バスが合併して「アルピコ交通」が誕生しました。



既にグループ会社で車両デザインも共通だった事もあってか、3社のアルピコ交通への移行は、自然な形でスマートに行われました。



4月9日からは、電力事情の逼迫により運休が続く小田急ロマンスカーに代わり、小田急箱根高速バスが新宿~箱根湯本間を結ぶ「新宿・箱根湯本ライナー」の運行を開始しました。なんとかして、箱根への観光の足を確保しようとする小田急グループの意地のようなものを感じました。



震災が1ヶ月以上が経過し、鉄道が徐々に復旧すると、緊急支援バスにも空席が目立ち、役割が薄れてきました。これまで緊急支援バスにカメラを向けるのは自粛していましたが、そろそろ記録しても許して貰えるかと思い、そのいくつかを撮影しています。



東京駅で発車を待つ、国際興業観光バスの盛岡バスセンター行き。



岩手県北バスの浜松町発、盛岡行き。



こちらは緊急支援バスではありませんが、「ビーム1」の4号車に入った東洋観光の貸切車。

関東で見る限り、緊急支援バスは新たに路線を引くのではなく、既存の路線を増強したり、グループ会社が応援に入る形で行われていました。



2011年11月。新しくなった「新静岡バスターミナル」を訪れました。

バスターミナルなブログを開設するキッカケになった古き良きバスターミナルは、こんな近代的な建物になりました。



商業施設型のバスターミナルは全国的に衰退する傾向にありますが、静岡では時代にマッチした魅力ある場所へと進化をしました。

多くの人が行き交う場所は、活気があっていいですね(^^)



2012年4月。震災から1年が経過した、気仙沼や陸前高田を訪れました。





1年が経過しているというのに、津波の爪痕が大きすぎて、どこへ行っても茫然と言葉を失ってしまいます。



その夜、気仙沼の停留所で池袋駅行きの夜行バス「けせんライナー」を撮影しました。

ボランティアの方が東京に戻るのでしょうか。地元の方が大きな声で「気仙沼に来てくれてありがとなぁ!」と見送っていた光景を印象深く覚えています。

あれから、何度も気仙沼に足を運んでいますが、場所によっては依然と工事が続けられていて、復興というのは時間がかかるものだと実感します。でも、ゆっくりでも着実に復興は進んでいました。



2012年7月。午後の新宿西口で撮影していると、何故か国際興業の夜行車がバスターミナルに入ってきました。

バスの車内には、国際興業の関係者がズラリ。のりばに停車すると、西口スタッフの方々も集まってきました。「お世話になります。国際興業です。」と挨拶が行われたかどうかはわかりませんが、明らかに路線教習と思われる光景を目撃しました。その後、まもなくして「夕陽号」の新宿乗り入れがリリースされ、路線教習の謎が解けたのでした。



「夕陽号」の新宿発着が始まりました。

庄内交通の初日に西口へ向かうと、いきなりの2台運行。この日も多くのバスファンが駆けつけていました(^^)



2013年7月31日。いわゆる「高速ツアーバス」が乗合バスに移行しました。

乗合移行にあたり、特に苦労したのが大都市における停留所の確保だったそうです。新宿では駅から遠く離れた新宿中央公園付近に停留所が設けられました。独自のターミナルがある「WILLER EXPRESS」や「ブルーライナー」などのブランドを除くと、テナントを借りて利用者の集合場所を確保し、そこから停留所までスタッフが誘導する乗車方法を執ったのが特徴で、これはバスタ新宿の開業まで続きました。

ちなみに上記画像に写っている「キラキラ号」、「旅の散策」、「さくら高速バス」は、その後の吸収合併により、(ブランド名は残っているものの)全てが「さくら高速バス」系列に統合されました。移行当時に「いくつかのブランドはそのうち撤退やM&Aがあるだろう」と予想していた方もいましたが、実際にその通りになり、乗合移行後も再編が続いています。



2013年12月11日。東京駅八重洲南口の「JR高速バスターミナル」が新しくなりました。



バスターミナルなブログが始まった2009年には既に工事が行われていたので、長い工事がようやく終わったという印象でした。ここのバスターミナルは、バスを利用しない通行人からでも目立つので、バス路線の宣伝にも繋がりそうです。



2014年秋。4年ぶりに「大曲バスターミナル」を訪れました。

老舗ショッピングセンターに併設されていたバスターミナルは、再開発により、病院に併設されたバスターミナルへと変貌していました。高齢者や児童の福祉施設や、市民が交流出来る場所が設けられ、少子高齢化への対応や、中心市街地の活性化を目指しています。

バスターミナルをとりまく環境も、時代に合わせて変化していくものなんですね(^^)



2014年12月。「はかた号」に新車が登場しました。

今回の新車は、再びエアロクイーンに戻りました。「エコノミーシート」は廃止されましたが、パーテーションで区切られた「プレミアムシート」は、より個室感を創出し、快適さを向上させました。



新車導入により、これまで「はかた号」の主役だったエアロキングは、最後に2号車の役目を担い、世代交代を終えたのでした。

ちなみにエアロキングが「はかた号」で活躍したのは5年間でした。5年サイクルで世代交代が行われると仮定すると、今年(2019年)の年末で現行のエアロクイーンも5年を迎える事になります。エアロキングとエアロクイーンでは車種が違うので単純に比較出来ませんが、もしも、次の「はかた号」が誕生するとしたら、どのような車両になるのだろうか・・・と夢が膨らみます。



2015年6月。西武観光バスの「プリンスエクスプレス箱根芦ノ湖」が運行を開始しました。

もしも、箱根山戦争が現代まで続いていたとしたら、この高速バスの運行開始は大事件だったのではないでしょうか。箱根登山バスから見れば「都内から高速バスで攻めてきたぞ!」・・・伊豆箱根バスから見れば「援軍が来たぞ!」・・・なんて大騒ぎになりそうです。かつて、専用道路に遮断機を設けて相手のバスを通れなくしたり、数々の訴訟合戦を繰り広げた箱根山戦争は、もう遠い過去のものになりました。



2015年12月。「大崎駅西口バスターミナル」が開業しました。

東急バスや「WILLER EXPRESS」等が発着し、高速バスだけではなく、成田空港や羽田空港へのリムジンバスも集まるバスターミナルです。



同じく2015年12月。山梨県富士吉田市にある「新倉山浅間神社」を訪れました。

ここはタイからの旅行客に大人気の観光スポットです。最初にタイ人のカップルがこの景色をSNSに投稿したところ、瞬く間にタイ国内に拡がったと言われています。



しかも、訪れていたインバウンドの方々は、団体ではなく個人で来た方々ばかりでした。インバウンドのFIT化(個人海外旅行)時代が訪れると言われていますが、地方都市の神社が勝手に聖地化してしまう位に、日本は観光の国になったのだと驚きました。

ちなみに、ここは中央高速バスの中央道下吉田BSから近いので、高速バスでも行く事が出来ます。



2016年4月4日。「バスタ新宿」が開業しました。

分散していた新宿の各ターミナル機能が集まり、バスだけではなく、鉄道、タクシーといった交通の結節点になりました。



段階を踏んでバスの入場台数を増やしていったので、開業当初は出発便(1号車のみ)と一部の到着便のみの発着でしたが、5月9日からは京王系高速バスの到着、7月1日からはツアー移行系高速バスの到着、夏頃からは2号車以降(昼行便のみ)の発着が解禁され、現在の形になりました。



鉄道上空の人口路盤にバスターミナルを作ったので、駅改札から近くて便利になったものの、人気の高いバスタ新宿の発着枠は飽和状態に達している時間帯もあり、新路線や増車などに制約(特に深夜帯)があるのが課題です。

設計に携わった方々の回顧録を読むと「規制緩和でバスがここまで増えるとは思っていなかったので、もう少し大きく作ればよかった」なんて意見がある一方、「駅のホームから距離が遠くなると、徐々に線路の間隔が近くなって柱を立てる場所がなくなるので、これ以上は難しい」なんて意見もあり、需要予測や、線路上に建築物を作る事の難しさが伝わってくるようでした。そもそも、南口の基盤整備事業は、バスターミナルを作る事を目的に始まったのではなく、阪神淡路大震災(1995年)の後に急務となった甲州街道の橋梁架け替えを目的としていて、その副産物としてバスやタクシーが集まる駅前広場(現実には駅上広場(^^))が生まれた経緯があります。もしも、阪神淡路大震災が発生していなかったならば、バスタ新宿は存在しなかったかもしれません。

ただ、経緯はどうであれ、需要はあるのに枠が足りないのは大きな損失で、私の願望(妄想)を書けば、新宿に2つ目のバスターミナルがあってもいいのではないでしょうか。定期観光バスやバスツアーも取り込んで、もっと気軽にバスを使った観光が出来たり、バスタと第2ターミナルを結ぶ連絡バスが、ホテル群や、展望台のある都庁、インバウンドに人気の新宿御苑などの観光スポットを巡れば、FIT(個人海外旅行)の方が、もっと日本を楽しみやすくなるのではないかと思います。

妄想ここまで(^^)



5月8日。バスタ新宿開業後も、細々と運用が続けられていた「新宿高速バスターミナル」(50番のりば)が最後の日を迎えました。



散々お世話になったバスターミナルだったので、ここが廃止されるのは感慨深いものがありました。

最終バスの発車シーンは、ネットニュースや新聞でも紹介されていました。ヨドバシ前というロケーションもあってか、利用した事はなくても知っているという方が多く、反響は大きなものでした。



2018年6月。「LIMON」ブランドが販売する、インバウンド向けバスツアーを撮影しました。

欧州では「シート・イン・コーチ」と呼ばれる方式で、定期的に運行しているバスを利用者自身が活用して周遊するというものです。「LIMON」では貸切バスが「大阪~飛騨高山間」と「飛騨高山~東京間」の往復(計4ルート)を毎日運行しているので、利用者はそれを組み合わせてゴールデンルートを周遊したり、経由地で折り返したりと、自由度の高い旅をする事が出来ます。

これからインバウンドのFIT(個人海外旅行)化が更に進むと、このような形態のバスツアーが増えてくるかもしれません。



最後を飾るのは「みちのりエクスプレス」です。

東日本を中心に勢力を拡大している「みちのりグループ」に、高速バスのグループデザインが誕生しました。同グループによるバス事業者の再編も現在進行形で行われており、これからの展望が興味深いところです。

・・・と、いう訳で10年分の思い出を振り返ってみました。「バスターミナルの変化」、「東日本大震災とそこからの復興」、「高速ツアーバスの乗合移行」、「観光先進国へと歩む日本」が私の10年間のキーワードだったようです。

他にも書きたい思い出がたくさんありますが、長くなるのでまた別の機会にしたいと思います。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

バスターミナルなブログ管理人

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