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アルピコ交通 新宿~長野線

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アルピコ交通 新宿~長野線
バスタ新宿 23時35分発



2020年9月。深夜のバスタ新宿から、こんばんわ。

今回のバス旅は、新宿発、長野行き、アルピコ交通の夜行バスです。緊急事態宣言が解除され、9月も中旬に差し掛かったので、そろそろ夜行バスに乗車しても許されるかと思い、長野行きの旅人となりました。もちろん、マスクは着用。除菌シートを持参し、日々の検温も実施しています。



今日は木曜日。バスタ新宿の待合室には、それなりに利用者の姿が見えましたが、改札時間が近づき、私が乗車する長野行きに集まった乗客は4人でした。

この日の運賃は4200円。「新宿長野線」はリアルタイム変動運賃方式を採用していますが、価格はピクリとも動きません。そもそも需要がなく、価格を変動させたくても、動かしようがないのでしょうか。



運転手さんの改札を済ませ、車内へと進みます。ドア付近には「消毒用アルコール」と「除菌用メディカルシート」が設置してありました。手のひらにアルコールをワンプッシュして予め指定した座席へと向かいます。中央トイレ付近には「Iブロック」という空気清浄剤が置かれていました。調べてみると、ウィルス対策になるようです。



車内仕様を紹介すると、座席は独立3列シート。プライベートカーテン、コンセント、フリーWiFi、レッグレスト、フットレスト、トイレの設備があります。本来であれば、ブランケットの貸出もありますが、感染症対策のために貸出は中止しています。



今回の座席は、トイレ後方の6Cを指定してみました。前方に座席がないので広々と使えますが、この座席ではフットレストが省略されています。また、シートベルトは3点式なのが特徴です。



23時35分、バスタ新宿を定刻通りに発車しました。

すぐに中野坂上駅に到着。ここでは2人の乗車です。バスタ新宿からの乗客を含め、この便の乗客数は計6人で確定しました。

発車後は案内放送が始まります。シートベルトの着装など、お決まりの内容に続き「新型コロナウィルス対策に関するお願い」が肉声で追加されました。マスク着用やアルコール消毒のお願いと言った内容でしたが、感染症対策が常態化している現状に、音声合成に組み込まれる日も近いのかもしれません。

そのうち照明が減光したのでリクライニングを深くし、休む体勢をとりました。先程も書きましたが、感染症対策でブランケットの貸出はありません。冬場であればコートを膝掛けかわりに代用出来ますが、夏場はどうしようもありません。お腹が冷えるとダメは人は、大きめのタオルか何かを持参するといいかと思います。私は少し肌寒かったので空調の吹き出し口の角度を変えて調節しました。



日付が変わり、24時20分。関越自動車道の三芳PAで約15分間の休憩となりました。

PAでトイレを済まし、再びバスに戻ります。ドア付近では、忘れずにアルコールをワンプッシュ。バス乗車時の新しい儀式です。

バスが発車すると、まもなく消灯です。そういえば、マスクをして寝るのは初めての体験です(^^)

おやすみなさい・・・zzz

・・・コロナ渦の影響を受け、高速バスの需要は劇的に減少しました。緊急事態宣言が解除され、需要は徐々に戻りつつありますが、コロナ渦以前の状況には程遠いのが実状です。バスタ新宿で高速バスを観察していても、朝の草津温泉行き「上州ゆめぐり号」や富士五湖線下りには増車が付く事がありますが、その逆である、地方都市発、東京行きの高速バスの利用者数を見ると、目も当てられません。この状況にはため息を付くばかりです。

路線の性格にもよりますが、なんだかんだで大都市と地方都市とを結ぶ高速バスのメインターゲットは、地方都市側の利用者であるケースが多いです。需要の大きな山は、土曜日の午前中に東京都心へ着き、月曜日の仕事に間に合うように地方都市へと戻っていく。今回のように、地方都市側の利用者の需要が沈んだ状況は、高速バスにとって死活問題です。連日、東京都内では新型感染症の新規感染者が発生し、その人数がメディアで報道されます。事実なだけに否定は出来ません。東京が避けられてしまう理由は十分に理解出来ます。

それでも「中央高速バス」や「東京~長野間」のように、もともと便数が多く、高速バスを利用する文化がある程度、定着している都市は、まだ良いのかもしれません。より深刻なのは、夜行便しかないような地方都市ではないでしょうか。只でさえ、地方都市の人口減少が進んでいるのに、その数少ない利用者が大都市へ来てくれない。5年先、10年先といった地方都市の人口減少時代が、早くも到来してしまったかのようです。

最近では、週末だけや、繁忙期の運行再開が発表された路線がいくつかあります。運行再開は素直に喜ばしいものの「需要の見込める日だけ運行する形態」が定着すると、この姿が将来の大都市と地方都市とを結ぶ夜行バスの「日常の姿」になるのかもしれません。そうならない為には、感染症対策をしつつ、地方都市側の利用者の回復を図ると同時に、大都市側の利用者をもっと増やし、地方に送り込む必要があるのではないでしょうか。やるべき事は、何でしょう。

・・・zzz



さて、バスは長野へ向けて走り続けています。4時25分頃に照明が灯されました。千曲川さかきから降車停留所が始まります。



いくつかの降車停留所を通過して、長野駅に到着しました。

私を含め、ほとんどの乗客は長野駅で降車しましたが、この先まで向かう乗客もいたようです。バスは善光寺大門を経由して、終点のホテル国際21へと向かいます。



空がうっすらと明るくなりました。まもなく夜明けです。

コロナ渦の影響という、暗闇の世界の中にいる高速バス業界ですが、早く明るい日差しが戻る日が来ることを強く願います。

<撮影2020年9月>

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