フジエクスプレス 富士五湖線「アストロメガ」
バスタ新宿 10時45分発
今回のバス旅(乗車記)は、フジエクスプレスの富士五湖線です。
最新型の二階建てバス、スカニア「アストロメガ」に乗車して、バスタ新宿から山中湖平野まで向かいます。
アストロメガへの乗車は「思い立ったが吉日」とばかり、当日の朝、突如決めました。
予約サイトで「富士急」「2階」と表示される便を探します。現在、フジエクスプレスのアストロメガには固定運用がなく、数日前まで運用がわからないので、早期に便を指定して購入するには難易度が高い車両です。新宿~河口湖駅間の運用に充当される傾向がありましたが、今日は予想外にも、山中湖平野行きで発見しました。インバウンドで賑わっていた頃は平日でも空席を探すのも一苦労だった富士五湖線も、今や空席だらけ。希望する1Aの席がすんなりと確保出来てしまうのが「Withコロナ」の現状を物語っているかのようです。
発車の10分前に改札が始まりました。運転手さんはタブレット端末を手に乗車券やスマホの画面を確認していきます。
観光目的でしょうか。私の前には御高齢のシニアグループ客がいましたが、2階への階段を目前に「私、二階建ては初めてよ!」とはしゃぐ素振りを見せていました。見た目で判断して失礼ですが、てっきり、長い階段にウンザリする反応をすると予想していたので意外でした。楽しみにしている観光目的だと、階段という「バリア」も、旅の思い出の一つになるのかもしれません。(人にもよるでしょうが)
歩幅を合わせるように、私もゆっくりと2階への階段を上りました。
2階の車内を見渡すと、ブラウンの座席が並んでいました。
アストロメガは各事業者で導入が進んでいますが、KIEL社製の4列シートは概ね共通ながらも、座席のデザインは千差万別です。そもそも、アストロメガは各事業者のフラッグシップとなるケースが多く、それもあってか座席デザインはオレンジやレッドなど、主張する配色にする事業者もあります。フジエクスプレスは落ち着いた配色となりました。
座り心地は、なかなか良い感じです。
強いて言うとすれば、飲み物を置く「カップホルダー」があれば便利だと感じました。
さて、バスは10時45分にバスタ新宿を発車しました。
二階建てバスらしく、いつもの景色も見下ろすような印象です。
アイポイントの高さは首都高速に入ってからも感じられました。
ハイデッカーでは遮られてしまう側壁も、ダブルデッカーならば難なくクリア。普段は見えにくい笹塚駅や明大前駅、更には一瞬でしたが、京王バスの旧世田谷営業所も確認する事が出来ました。
中央道に入り、中央道三鷹から乗車停留所が始まりました。
面白いもので、先にアストロメガを導入した京王バスでは、アストロメガを特急便の運用に入れています。たとえ、増車の2号車として運用に入れるケースでも、2号車だけが特急便の設定になるのです。それに対して、フジエクスプレスでは、各駅停車タイプでの運用です。同じ富士五湖線の共同運行事業者でも、運用方に違いがあるのが興味深いところです。
山梨県に入り、中央道上野原から降車停留所が始まりました。
ここまで曇り空でしたが、西へ向かうにつれ、徐々に天候が回復してきました。
日差しがポカポカと眠気を誘います。
ポカポカの影響もありますが、車内は暖房がしっかりと効いていました。前方付近にはヒーターが設置されているので、そのせいもあるのかもしれません。ちなみに、私が初めてアストロメガに乗車したのは、茹だるような酷暑の夏でした。クーラーでキンキンに冷やされた車内が印象に残っています。夏季のクーラーといい、今回のヒーターといい、力強い空調機能は頼もしい限りです。
大月JCTでは、河口湖方面(富士吉田線)へ進路をとります。ここで本線とはお別れです。
リニアモーターカーの高架線を潜ると、、、
しばらくして、富士山と正対しました。
今日は靄がかかっていますが、それでも、この景色を外国人旅行者が見たら、さぞかし喜んでくれるのではないでしょうか。インバウンドが戻ってきたならば、是非ともアストロメガの先頭座席に座り、そびえる富士山を眺めて欲しいです。
高速道路を降りると、まもなくして富士急ハイランドに到着です。
ハイランドの駐車場には、観光バスが20台以上並んでいるのが見えました。長電、静鉄、遠鉄…等々、貸切バスも徐々に稼働しているのが感じ取れました。
河口湖駅に到着。車内の乗客のほとんどは、ここで降車した模様です。
余談ですが、降車ボタンを押すと、古風な音色で「チンコン♪」と音が鳴ります。最新型の欧州車には不釣り合いな響きですが、これはこれで趣きを感じられました。
富士山駅を発車すると、山中湖へ向けて国道を進みます。
乗客は少なくなりましたが、この先は富士五湖線の魅力がたくさん詰まっている区間です。
15分ほど走ったでしょうか。いよいよ山中湖が見えてきました。
湖畔の道路を走る、この景色を二階建てバスから見たいと、乗車時から楽しみにしていました。
今日のアストロメガが、河口湖駅行きではなく、平野行きの運用に入ってくれて幸運でした。
まもなく、山中湖旭日丘です。
再び古風なチャイムが鳴り響きました。バスタ新宿で私の前に乗車したシニアグループは、旭日丘で降車しました。この後は水陸両用バスの「KABA」に乗車(乗船?)するのでしょうか。山中湖を楽しんできて下さいね♪
そして、終点の山中湖平野に到着。平野まで乗車したのは私一人でした。
最後になりますが、京王に2台、フジエクスプレスに2台と、計4台のアストロメガがデビューした新宿~富士五湖線。昨今の情勢から判断して、乗客数の回復には、まだ時間がかかりそうですが、コロナ渦の落ち着きと、大きな輸送力が求められる日々が戻る事を願い、今回の乗車記の締めとさせて頂きます。
<撮影2020年11月>
バスタ新宿 10時45分発
今回のバス旅(乗車記)は、フジエクスプレスの富士五湖線です。
最新型の二階建てバス、スカニア「アストロメガ」に乗車して、バスタ新宿から山中湖平野まで向かいます。
アストロメガへの乗車は「思い立ったが吉日」とばかり、当日の朝、突如決めました。
予約サイトで「富士急」「2階」と表示される便を探します。現在、フジエクスプレスのアストロメガには固定運用がなく、数日前まで運用がわからないので、早期に便を指定して購入するには難易度が高い車両です。新宿~河口湖駅間の運用に充当される傾向がありましたが、今日は予想外にも、山中湖平野行きで発見しました。インバウンドで賑わっていた頃は平日でも空席を探すのも一苦労だった富士五湖線も、今や空席だらけ。希望する1Aの席がすんなりと確保出来てしまうのが「Withコロナ」の現状を物語っているかのようです。
発車の10分前に改札が始まりました。運転手さんはタブレット端末を手に乗車券やスマホの画面を確認していきます。
観光目的でしょうか。私の前には御高齢のシニアグループ客がいましたが、2階への階段を目前に「私、二階建ては初めてよ!」とはしゃぐ素振りを見せていました。見た目で判断して失礼ですが、てっきり、長い階段にウンザリする反応をすると予想していたので意外でした。楽しみにしている観光目的だと、階段という「バリア」も、旅の思い出の一つになるのかもしれません。(人にもよるでしょうが)
歩幅を合わせるように、私もゆっくりと2階への階段を上りました。
2階の車内を見渡すと、ブラウンの座席が並んでいました。
アストロメガは各事業者で導入が進んでいますが、KIEL社製の4列シートは概ね共通ながらも、座席のデザインは千差万別です。そもそも、アストロメガは各事業者のフラッグシップとなるケースが多く、それもあってか座席デザインはオレンジやレッドなど、主張する配色にする事業者もあります。フジエクスプレスは落ち着いた配色となりました。
座り心地は、なかなか良い感じです。
強いて言うとすれば、飲み物を置く「カップホルダー」があれば便利だと感じました。
さて、バスは10時45分にバスタ新宿を発車しました。
二階建てバスらしく、いつもの景色も見下ろすような印象です。
アイポイントの高さは首都高速に入ってからも感じられました。
ハイデッカーでは遮られてしまう側壁も、ダブルデッカーならば難なくクリア。普段は見えにくい笹塚駅や明大前駅、更には一瞬でしたが、京王バスの旧世田谷営業所も確認する事が出来ました。
中央道に入り、中央道三鷹から乗車停留所が始まりました。
面白いもので、先にアストロメガを導入した京王バスでは、アストロメガを特急便の運用に入れています。たとえ、増車の2号車として運用に入れるケースでも、2号車だけが特急便の設定になるのです。それに対して、フジエクスプレスでは、各駅停車タイプでの運用です。同じ富士五湖線の共同運行事業者でも、運用方に違いがあるのが興味深いところです。
山梨県に入り、中央道上野原から降車停留所が始まりました。
ここまで曇り空でしたが、西へ向かうにつれ、徐々に天候が回復してきました。
日差しがポカポカと眠気を誘います。
ポカポカの影響もありますが、車内は暖房がしっかりと効いていました。前方付近にはヒーターが設置されているので、そのせいもあるのかもしれません。ちなみに、私が初めてアストロメガに乗車したのは、茹だるような酷暑の夏でした。クーラーでキンキンに冷やされた車内が印象に残っています。夏季のクーラーといい、今回のヒーターといい、力強い空調機能は頼もしい限りです。
大月JCTでは、河口湖方面(富士吉田線)へ進路をとります。ここで本線とはお別れです。
リニアモーターカーの高架線を潜ると、、、
しばらくして、富士山と正対しました。
今日は靄がかかっていますが、それでも、この景色を外国人旅行者が見たら、さぞかし喜んでくれるのではないでしょうか。インバウンドが戻ってきたならば、是非ともアストロメガの先頭座席に座り、そびえる富士山を眺めて欲しいです。
高速道路を降りると、まもなくして富士急ハイランドに到着です。
ハイランドの駐車場には、観光バスが20台以上並んでいるのが見えました。長電、静鉄、遠鉄…等々、貸切バスも徐々に稼働しているのが感じ取れました。
河口湖駅に到着。車内の乗客のほとんどは、ここで降車した模様です。
余談ですが、降車ボタンを押すと、古風な音色で「チンコン♪」と音が鳴ります。最新型の欧州車には不釣り合いな響きですが、これはこれで趣きを感じられました。
富士山駅を発車すると、山中湖へ向けて国道を進みます。
乗客は少なくなりましたが、この先は富士五湖線の魅力がたくさん詰まっている区間です。
15分ほど走ったでしょうか。いよいよ山中湖が見えてきました。
湖畔の道路を走る、この景色を二階建てバスから見たいと、乗車時から楽しみにしていました。
今日のアストロメガが、河口湖駅行きではなく、平野行きの運用に入ってくれて幸運でした。
まもなく、山中湖旭日丘です。
再び古風なチャイムが鳴り響きました。バスタ新宿で私の前に乗車したシニアグループは、旭日丘で降車しました。この後は水陸両用バスの「KABA」に乗車(乗船?)するのでしょうか。山中湖を楽しんできて下さいね♪
そして、終点の山中湖平野に到着。平野まで乗車したのは私一人でした。
最後になりますが、京王に2台、フジエクスプレスに2台と、計4台のアストロメガがデビューした新宿~富士五湖線。昨今の情勢から判断して、乗客数の回復には、まだ時間がかかりそうですが、コロナ渦の落ち着きと、大きな輸送力が求められる日々が戻る事を願い、今回の乗車記の締めとさせて頂きます。
<撮影2020年11月>