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・「ハイアットリージェンシー東京」と夜行高速バス

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「ハイアットリージェンシー東京」

新宿西口の新都心街区に位置する、高級ホテルです。

ここは、ホテルが入居する「小田急センチュリービル」と、オフィスが入居する「小田急第一生命ビル」のツインタワーで構成され、その名称からわかるように小田急電鉄と第一生命の2社と関係が深い土地です。

歴史をたどると、淀橋浄水場跡地の再開発により誕生した街区で、小田急電鉄はホテル運営のために「ホテル小田急」を設立。昭和55年に「ホテルセンチュリー・ハイアット」を開業させ、長年、この土地を管理してきました。

ところが、2023年3月。小田急電鉄は、事業戦略の一環から、土地、建物、ホテルの売却を発表。この土地から撤退する事になりました。



ハイアットリージェンシー東京といえば、小田急ハイウェイバス、夜行高速バスの起点でもあります。

コロナ禍以降、夜行高速バスの運行日や運行便数は減少しました。2023年4月下旬現在、毎日運行しているのは岐阜への「パピヨン号」だけです。しかし、小田急ハイウェイバス担当便は運行しておらず、その代わりに岐阜バスが自社の3列車と4列車を駆使して、毎日の運行を維持しています。



2023年のゴールデンウィーク輸送では、久しぶりに小田急ハイウェイバスの担当便が設定されました。

秋田への「フローラ号」です。



ハイアットリージェンシー東京で、発車を待つ「フローラ号」。

バスの停留所としては、新宿駅西口(ハルク前35番)や、バスタ新宿があるので、わざわざ、ハイアットから夜行バスに乗車する旅客はいるのかと、以前から不思議に思っていましたが、この日は一人の乗車がありました。正直なところ、ハイアットホテルの利用者層と、夜行高速バスの利用者層が大きく重なるとは思えないので、ここを利用するのは、どのような層なのか、興味深いです。

そもそも、歴史の古い長距離高速バスは、大都市側でホテルを起終点にするケースがありますが、これもどのような意図があるのか、私の長年の疑問だったりします。今は休廃止になりましたが、「やまと号」の京王プラザホテルとか、西武系高速バスのサンシャインシティプリンスホテルとかがそうですし、京浜急行電鉄の「ノクターン号」も品川バスターミナルが開業するまではパシフィックホテル東京でした。東京急行電鉄の「ミルキーウェイ」は、自社系列のホテルがある地方都市を選んでいましたし、「高速バスとホテルの関係」については何かありそうです。

考えられる推測として、自社系列のホテルとの相乗効果を狙ったのか、夜間帯でも安心してバスを待てる環境に適していたのがホテルだったのか、到着地サービス(朝食割引)として活用出来たからなのか、理由は定かではありません。もしも当時の事情に詳しい人がいたら、その理由を聞いてみたいものです。



小田急電鉄のツインタワーに話を戻します。

最終的に、小田急電鉄の手から離れてしまうのは、2023年6月末。まもなくです。

夜行高速バスにも動きがあり、「パピヨン号」は2023年5月末をもって「ハイアットリージェンシー東京」と「新宿駅西口(ハルク前35番)」を廃止。東京側の発着地を「バスタ新宿」に統一する事になりました。理由は「新宿駅西口付近の再開発に伴い道路通行が困難になること」とアナウンスしています。

残る、「フローラ号」「エトワールセト号」「ブルーメッツ号」「しまんとエクスプレス」に関しては、発表はありませんが、その動向が気になるところです。

小田急電鉄の手から離れた後でも、ハイアットリージェンシー東京から、夜行高速バスの発車は継続するのでしょうか。
  

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