まもなく2012年から2013年へと時を刻もうとしています。
2012年のバス業界で一番記憶に残っているのは、間違いなく4月29日に発生した関越自動車道での高速ツアーバスの事故です。多くの犠牲者と負傷者が出てしまったこの事故は、新聞、TV等でも大きく報じられ、高速バスへの信頼を失墜させてしまいました。この高速ツアーバスを主催したのは大阪豊中市の旅行会社、運行したのはいくつも事業者を介したあげくの千葉県の貸切バス事業者、更に運転手は名義貸しの日雇いと、責任の所在が曖昧で、どのような事業者が運行しているか利用者にわからない高速ツアーバスの悪い面が表面化した形になりました。この事故以前から高速乗合バスと高速ツアーバスの問題は存在していましたが、利用者にとってはその2つを判別するのは容易ではなく、更にはその両方を扱っているインターネット販売サイトなどもあり、利用者は運賃を払うのか、料金を払うのかと、2つの高速バスを混同して使っていたと思われます。その後、インターネットにおける広告の表示、紙媒体における広告の表示、車両における表示等、利用者が明確に判別できるよう「高速バス表示ガイドライン」が策定され、利用者にとってわかりやすくなりました。
8月20日から、震災で大きな被害を受けたJR気仙沼線の柳津〜気仙沼間で、BRT(バス高速輸送システム)による暫定運行が始まりました。特に陸前階上駅〜最知駅間では鉄道の軌道をバス専用道にし、定時性の確保が図られています。その後、12月22日からは暫定運行から本運行へと移行し、バス専用道区間の増大、環境に優しいハイブリッドバスの運用など、設備の充実も行われました。この後は山田線、大船渡線の運転見合わせ区間へのBRT導入も計画されています。最終的な目標は鉄道での復旧ですが、まずはBRTとして東北太平洋側沿岸の公共交通機関の復興が進められています。
日付は戻りますが、7月31日には「新高速乗合バス」の制度がスタートしました。高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化して高速ツアーバス事業者には高速乗合バスへの移行を促します。高速ツアーバスの長所であった柔軟な増便は一定の基準を設けた上で認められます。その肝となるのが「貸切バス事業者への管理の受委託制度」です。乗合バス事業者が貸切バス事業者に委託できる仕組みが追加されました。これによって運行を貸切事業者に委託する事で、これまでよりも効率の良い運行や増便を行う事が出来るようになりました。もちろん受託者は、受託した運行を更に下請に再委託する事は出来ません。
この他にも運行計画や運賃、料金の事前届けの期間が短縮され、更には運賃面に幅運賃が導入されて、これまで固定額だった運賃タイプ毎の運賃は上限と下限の中で自由に設定できるようになり、需要動向に応じた柔軟な設定が出来るようになりました。例えば大人片道運賃が10000円、7日前購入運賃が9000円と固定されていても、幅運賃により7日前購入運賃を9000〜7200円の幅の中で決める事が出来ます。需要の多い日と需要の少ない日で差を付けるなど、営業力も高まる事でしょう。
「新高速乗合バス」への移行は2013年7月までにとされています。来年は高速バスにとっては大激変の年になりそうです。
…そんなこんなで年内最後の更新となりました。2012年もバスターミナルなブログをご覧頂きありがとうございました。2013年もよろしくお願いします。
バスターミナルなブログ管理人 2012年12月31日
2012年のバス業界で一番記憶に残っているのは、間違いなく4月29日に発生した関越自動車道での高速ツアーバスの事故です。多くの犠牲者と負傷者が出てしまったこの事故は、新聞、TV等でも大きく報じられ、高速バスへの信頼を失墜させてしまいました。この高速ツアーバスを主催したのは大阪豊中市の旅行会社、運行したのはいくつも事業者を介したあげくの千葉県の貸切バス事業者、更に運転手は名義貸しの日雇いと、責任の所在が曖昧で、どのような事業者が運行しているか利用者にわからない高速ツアーバスの悪い面が表面化した形になりました。この事故以前から高速乗合バスと高速ツアーバスの問題は存在していましたが、利用者にとってはその2つを判別するのは容易ではなく、更にはその両方を扱っているインターネット販売サイトなどもあり、利用者は運賃を払うのか、料金を払うのかと、2つの高速バスを混同して使っていたと思われます。その後、インターネットにおける広告の表示、紙媒体における広告の表示、車両における表示等、利用者が明確に判別できるよう「高速バス表示ガイドライン」が策定され、利用者にとってわかりやすくなりました。
8月20日から、震災で大きな被害を受けたJR気仙沼線の柳津〜気仙沼間で、BRT(バス高速輸送システム)による暫定運行が始まりました。特に陸前階上駅〜最知駅間では鉄道の軌道をバス専用道にし、定時性の確保が図られています。その後、12月22日からは暫定運行から本運行へと移行し、バス専用道区間の増大、環境に優しいハイブリッドバスの運用など、設備の充実も行われました。この後は山田線、大船渡線の運転見合わせ区間へのBRT導入も計画されています。最終的な目標は鉄道での復旧ですが、まずはBRTとして東北太平洋側沿岸の公共交通機関の復興が進められています。
日付は戻りますが、7月31日には「新高速乗合バス」の制度がスタートしました。高速乗合バスと高速ツアーバスを一本化して高速ツアーバス事業者には高速乗合バスへの移行を促します。高速ツアーバスの長所であった柔軟な増便は一定の基準を設けた上で認められます。その肝となるのが「貸切バス事業者への管理の受委託制度」です。乗合バス事業者が貸切バス事業者に委託できる仕組みが追加されました。これによって運行を貸切事業者に委託する事で、これまでよりも効率の良い運行や増便を行う事が出来るようになりました。もちろん受託者は、受託した運行を更に下請に再委託する事は出来ません。
この他にも運行計画や運賃、料金の事前届けの期間が短縮され、更には運賃面に幅運賃が導入されて、これまで固定額だった運賃タイプ毎の運賃は上限と下限の中で自由に設定できるようになり、需要動向に応じた柔軟な設定が出来るようになりました。例えば大人片道運賃が10000円、7日前購入運賃が9000円と固定されていても、幅運賃により7日前購入運賃を9000〜7200円の幅の中で決める事が出来ます。需要の多い日と需要の少ない日で差を付けるなど、営業力も高まる事でしょう。
「新高速乗合バス」への移行は2013年7月までにとされています。来年は高速バスにとっては大激変の年になりそうです。
…そんなこんなで年内最後の更新となりました。2012年もバスターミナルなブログをご覧頂きありがとうございました。2013年もよろしくお願いします。
バスターミナルなブログ管理人 2012年12月31日