Quantcast
Channel: バスターミナルなブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2317

ちばレインボーバス 高花線 高花〜新鎌ヶ谷駅

$
0
0
ちばレインボーバス 高花線 高花〜新鎌ヶ谷駅
高花 10時04分発



ここは千葉県の印西市。北総鉄道線の千葉ニュータウン中央駅からバスで約12分の住宅地にある高花停留所です。

これから乗車する「ちばレインボーバス」の高花線は、千葉ニュータウン中央駅と住宅地の高花地区を結ぶ典型的な生活路線ですが、その生活路線が今、脚光を浴びています。その理由は2014年5月17日から土曜・休日のみ、一部の便が千葉ニュータウン中央駅から北総鉄道線に平行して新鎌ヶ谷駅まで延伸したからです。(何故延伸したかは後程)



新鎌ヶ谷駅行きの「ちばレインボーバス」が高花停留所に到着しました。



前面には「千葉NT中央駅経由 新鎌ヶ谷駅」と表示され、千葉ニュータウン中央駅が終点でない事がわかります。



側面の行き先表示もこのように。



発車しました。高花と千葉ニュータウン中央駅間のバス路線の距離は約4、1km(経由により異なる)。歩くには辛い距離です。



団地の中を走行中、高花行きのバスとすれ違いました。土曜日の10時過ぎという時間帯だけあってか、こちらは停留所の度にバスの乗客が増えていきます。

この高花線は乗車方法が2つあり、千葉ニュータウン中央駅から高花方向に乗車する時は「中乗り前降り」方式を採用していますが、駅方向へ乗車する時は、先に駅までの運賃を支払う「前乗り前降り」方式を採用しています。こうする事で終点の千葉ニュータウン中央駅ではスムーズな降車が出来るのです。運賃支払いの列に並んでるうちに列車の発車時刻が迫る…こんな心配をしないで済みます。

でも、この便の行き先は千葉ニュータウン中央駅ではなく新鎌ヶ谷駅です。取り扱いはどうなるのでしょう。



その答えは車内に掲示されていました。今まで通り、前払いで千葉ニュータウン中央駅までの運賃を支払い、引き続き新鎌ヶ谷駅まで乗車する場合は千葉ニュータウン中央駅〜新鎌ヶ谷駅間の運賃を降車時に支払う方式です。

なるほど、2回に分けて支払うのですね。

さて、千葉ニュータウン中央駅までに17人(数え間違いがなければ)の乗客が集まりました。どれくらいの乗客が新鎌ヶ谷駅まで乗車し続けるのでしょうか。実際に千葉ニュータウン中央駅でバスに残った乗客を数えると私を含めて6人でした。結果として、この便では約三分の一の乗客が鉄道に乗り換えない選択をした事になります。(※ちなみに千葉ニュータウン中央駅から新規の乗客はありませんでした)



北総鉄道線は新鎌ヶ谷駅まで4駅ありますが、バスは次の停留所が新鎌ヶ谷駅です。運賃表示器には千葉ニュータウン中央駅からの300円のみが表示されていました。



バスは北総鉄道線に平行した国道464号線を走行します。

さて、このような生活路線の延伸が何故に脚光を浴びたのでしょうか。それは、鎌ヶ谷観光バスが新鎌ヶ谷駅〜千葉ニュータウン中央駅間を結ぶ乗合バス「生活バスちばにう」の認可を申請(2014年5月24日現在)しているからです。

現在、同区間は北総鉄道線が約11分(普通列車)で結んでいます。しかし、運賃が560円と、距離の割に他社と比べて割高である現状があります。そこで任意の住民組織協力のもと、鎌ヶ谷市内で貸切バス事業を営む鎌ヶ谷観光バスが300円で同区間を運行する乗合バスの計画を進めているのです。(※厳密には鎌ヶ谷市のコミュニティバスを受託運行しているので鎌ヶ谷観光バスは乗合バス事業者でもあります)

鎌ヶ谷観光バスと住民組織は2013年に社会実験を行っており、その時の運行区間が新鎌ヶ谷駅〜高花地区でした。結果的に鎌ヶ谷観光バスが認可申請をしたのは新鎌ケ谷駅〜千葉ニュータウン中央駅間でしたが、地域の乗合バス事業者である「ちばレインボーバス」にとって、新規のバス路線誕生は将来の脅威になるのではないでしょうか。

そのような経緯があってか「ちばレインボーバス」は、土曜・休日のみ、一部の便を新鎌ヶ谷駅まで延伸したものと思われます。延伸区間の運賃は「生活バスちばにう」が予定している運賃と同額の300円。しかもICカードを使えば299円と「生活バスちばにう」よりも1円安くなります。

ちなみに「生活バスちばにう」は平日のみ(月ー金曜の祭日も)の運行を予定しているので、上手く土曜・休日運行の「ちばレインボーバス」とすみ分けが出来ました。



バスは小室駅を脇を通過し…白井駅の脇を通過し…



西白井駅の脇も通過…



しばらくすると、羽田空港行きのアクセス特急が追い越して行きました。



千葉ニュータウン中央駅を発車してから約26分(ダイヤ上は30分)、終点の新鎌ヶ谷駅に到着しました。新鎌ヶ谷駅は北総鉄道線の他、東武野田線(東武アーバンパークライン)や新京成電鉄と乗り継ぎが出来るターミナル駅です。

バスのおかげで新鎌ヶ谷駅〜千葉ニュータウン中央駅間を北総鉄道線の560円に比べて300円という低価格で移動する事が出来ました。特に高花地区からは運賃が安くなった事に加えて乗り換えの手間が無くなった点もポイントです。もしかしたら、土曜・休日だけではなく、平日も運行して欲しいという声だって上がるかもしれません。

とはいえ、バスは利点ばかりではありません。まず、所要時間が鉄道にはかないません。今回のケースでも千葉ニュータウン中央駅で北総鉄道線に乗り換えていれば、バスよりも10分程度早く新鎌ヶ谷駅に到着出来ていました。それから、渋滞による遅延も考えられます。特に週末の夕方は道路沿いの商業施設を目的とする車で混雑する道路です。時間の正確さも鉄道が有利です。



新鎌ヶ谷駅到着後は高花行きとして折り返して行きます。

今回の延伸を文字にすると『認可申請中の「生活バスちばにう」への対抗策』で片づけてしまいそうですが、今まで片道12分だった生活路線が、一部の便だけとはいえ片道43分と大幅に伸びました。延伸区間だけでも往復すれば1時間以上です。人件費や燃料代等、経費も結構かかっていると思われます。しかも平行路線が存在して300円という低価格です。延伸区間の距離は約11km。距離から計算するとバス運賃は500円以上でもおかしくありません。

競争相手がいなければ、こんな路線設定や価格は普通はまず行わないと思います。鎌ヶ谷観光バスもそうですが、ちばレインボーバスも相当に頑張っている印象を持ちました。競争って凄いですね。

<撮影2014年5月>

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2317

Trending Articles