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WILLER EXPRESS北信越 東京~長野線

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WILLER EXPRESS北信越 「WILLER EXPRESS」東京~長野線
東京駅バスターミナル 8時30分発



この場所でピンク色のバスを見ると、未だに新鮮な気持ちになります。

2015年7月31日から、WILLER EXPRESS北信越が東京駅JR高速バスターミナルに発着するようになりました。今日は、その東京駅バスターミナルから「WILLER EXPRESS」に乗車して長野まで向かおうと思います。

運行初日に乗車されたヨッシーさんから、数は少ないながらも東京駅の窓口で当日売りがある(※事前満席のケースでも当日売りがあるのかはわかりません)と聞いていたので、窓口で長野までの乗車券を購入。バスの到着を待ちました。



長野駅東口行きの「WILLER EXPRESS」が3番のりばに到着し、運転手さんの改札が始まりました。乗車の列は長く、若い方や女性、そしてグループが目立ちます。

改札の列もはけてきたので、そろそろ私も車内に向かいましょう。購入したばかりの乗車券を運転手さんに渡し、長野まで4時間20分の旅が始まります。



8時30分、東京駅を定刻通りに発車しました。先行する鹿島セントラルホテル行きと共に、宝町から首都高速に入ります。その後、都心環状線を経由して5号池袋線へ。信号のある美女木JCTで渋滞につかまりましたが、慌てず安定した走りで外環自動車道を関越方面に進みました。



関越自動車道に入り、最初の休憩地である三芳PAに到着。ここで15分間の休憩です。運転手さんはハンドルをロックして、タイヤに手歯止めをかけ、ハンマーをもってタイヤ点検に向かいました。コンコン♪とナットを叩く音が聞こえてきます。私はトイレをすませ、PA内にある珈琲チェーン店で暖かいコーヒーを購入してバスに戻りました。運転手さんによる人数確認が済むと、発車です。



2015年8月現在、東京駅バスターミナルに乗り入れる便は、全て衝突被害軽減ブレーキ装備車で、新保安基準に対応したリラックス<NEW>仕様です。座席は横4列ながらも縦は10列で、いわゆる”ゆったり4列”に分類されます。この新タイプから座席にカップホルダーが設置されたので、PAで購入したコーヒーを置く事が出来て助かりました。



各座席にはコンセントと毛布が装備されています。

さて、コーヒーを飲みながら、今回の「WILLER EXPRESS」東京駅JR高速バスターミナル発着について考えてみました。

ウィラー側とJRバス側、双方の目的はわかりません。しかし、長い歴史を持つブランドが、歴史の若いブランドを受け入れた事実。それも、ツアーバス出身のブランドです。私の仮説に過ぎませんが、JRバス側は、ウィラーのこれまでの実績や、取り組みを評価したのではないでしょうか。ウィラーはツアーバス時代から利用者を増やしてきた実績があり、更に安全への様々な取り組みを行っています。利用者はイメージで評価する事が多いと思いますが、経営者は数字や取り組みで評価するのではないか。そんな風に考えてみました。

ただ、私が感じるに、今もツアーバス出身のブランドは、全ての利用者層と信頼関係を結べているとは言えないようです。今日の乗客を見てもわかるように、若者が大半を占めました。これはツアーバスがこれまで得意としてきた層そのものです。

せっかく安全への取り組みを行っても、信頼関係が幅広く結べていないので、ツアーバス出身のブランドを不安視している層には、それが響かない。例えば、クラスや職場で信頼関係を結んでいる人が、どんなにつまらない冗談を言っても受け入れられるだろうし、信頼関係を結んでいない人が、どんなに面白い冗談を言おうとも、心の底から笑えないと思う。それと同じではないでしょうか。

もちろん、どんなに安全に取り組んだって、事故はゼロに出来ません。だからこそ、事故を限りなくゼロに近づける努力や、被害を小さくする投資や教育。同時に有事の際にきちんと対応出来る体制作りが大事なのではないかと考えます。



11時18分、横川SAで最後の休憩です。峠の釜めしを買って車内で食べようかと思いましたが、なんとなくウィラーのスタイリッシュな座席では格好がつかないような気がしたので(偏見でしょうか(^^ゞ)撮影だけしてバスに戻りました。



バスは峠越えに挑みます。

その頃、私はある計算をしていました。この便の乗客数は32人。座席定員は40人なので8割が埋まっています。この日の価格2500円を32人でかけると80000円。この額を京王&アルピコ(新宿~長野線)の価格3200円で割ると、25人という数字が出ました。京王&アルピコは座席定員が27人なので、空席2になるまで埋めたのと同じ収入です。

もちろん、たった1便だけで判断できないし、回数券やキャンペーンも考慮する必要があるので参考程度の計算ですが、価格に弾力性を持たせ、多く集客して収益を得るという理屈はわかるような気がします。



長野インターが近づいてきました。良いお天気です。



インターを降りて、信州松代ロイヤルホテルに到着。ここで3人が降車しました。



続いて信州小島田で2人降車。パーク&ライド施設があるだけに、地元の方々が使われているようです。ここで降りられた方は年齢層がやや高いようでした。



そして車内に残った27人の乗客を乗せて、最終目的地の長野駅東口に到着。若者グループはこれから観光に向かうようです。いってらっしゃい。
(*^_^*)



最後に「WILLER EXPRESS」が東京駅JR高速バスターミナルに発着する事によって、どのような効果が期待出来るのかを考えてみました。

直接的には、ネットワークの拡充や、ターミナルの価値向上といったところが浮かびます。では、副次的にはどのようなものがあるのか。

まず、ウィラーについては、これまで信頼関係が希薄だった層と、繋がりが出来る土壌が出来ました。そのような層にとって、JRバスのターミナルに発着するという事は、幅広い層と信頼関係が結ばれている”JRバスが認めた”と認識されると思います。人間関係だって、信頼している人が認めた人ならば、その人に対する意識も変わるもの。信頼関係の層が広がれば、よりブランドが強固なものとなり、これまでの取り組みが活きてくると思います。

そして、JRバスについては、利用者の世代交代に、より対応出来る土壌が出来ました。時間の経過と共に、歴史の若いブランドに抵抗感の少ない世代が社会に増え始めます。そして、その世代が親になります。この事は”ツアーバス出身は不安だから選択しない層”の割合が減る事を意味します。だから、5年先、10年先、15年先・・・と考えた時に、若い世代に強いブランドと繋がりが出来る事には意義があるのではないでしょうか。


歴史の若いブランドは、幅広い信頼関係をどのように築いていくか。歴史あるブランドは、世代交代にどのように対応していくか。これが、今の高速バスの将来に向けた課題なのかもしれません。

そんな事を考えた「WILLER EXPRESS」の旅でした。

<撮影2015年8月>

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