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横浜市交通局 定期観光バス「横濱ベイサイドライン」

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横浜市交通局 定期観光「横濱ベイサイドライン」
午後コース 開港ものがたり 横浜駅東口14時05分発

80年の歴史を持つ、横浜の定期観光バスが2016年9月をもって運行終了します。最終日まで、残り数日となったある日、午後コースに参加してきました。



横浜駅東口バスターミナルの14番停留所に、赤色の観光バスが到着しました。これから乗車する、横浜市営の定期観光バス「横濱ベイサイドライン」です。



運行終了直前という事もあってか、満席近くまで座席が埋まりました。利用者層を見ると、シニアの方々が多いようです。まもなくして、ガイドさんは赤色のシールを配り始めました。これを胸やカバンに貼りつける事で、コース参加の証となるのです。



横浜駅東口を発車。ガイドさんの自己紹介が行われ、バスは首都高速へ。

まずは車窓観光、横浜ベイブリッジを渡ります。



ベイブリッジを渡り終えると、そのまま大黒PAに進入。しかし、駐車場には停車せず、再び首都高速へと戻ります。



2回目の横浜ベイブリッジ。

そうなんです。大黒PAには折り返すためだけに寄ったのでした。おかげで、ベイブリッジを挟んで、横浜港の内側と外側を楽しむ事が出来ました。



さて、最初の下車観光である三渓園に到着。駐車場には、10月1日から運行を開始する「ぶらり三渓園バス」のバスポールが準備されていました。これまで横浜市営は、観光需要に対応した、定期観光バスと、観光系路線バスの2種類のタイプの乗合バスを運行してきましたが、「横濱ベイサイトライン」の運行終了によって、後者に一本化される事になります。



私にとって、人生2度目の三渓園を散策。7~8年ぶりでしょうか。神奈川県に住んでいても、訪れた事がない人も多いそうです。



花より団子(^^) お抹茶と落雁で一休み。 



集合時刻となり、バスは発車。次の下車観光はマリンタワーです。三渓園から大通りを走行すれば、すぐに行けるのですが、そこは定期観光バス。丘を登り、山手の西洋館や外国人墓地などの観光スポットを車窓観光してから向かいます。運転手さんもガイドさんの説明に合わせて、気持ち徐行してくれたりと、息ピッタリ。このような街中の車窓観光は、アイポイントが高いスーパーハイデッカーの本領が発揮されるところです。

港の見える丘公園付近では、ガイドさんが昭和の流行歌「港が見える丘」を熱唱。「わかる方は一緒に歌って下さい」の呼びかけに、シニアの方々の中には口ずさむ方もいました。この曲に反応を示す方も多く、時代を代表する歌というのは、時間が経過しても人の気持ちを惹きつける力があるようです。

私がシニアになった頃、ガイドさんは、私の世代の代表曲を歌ってくれるのでしょうか。

「わかる方は一緒に歌って下さい。LOVEマシーン。」

(^^;)



そんな冗談を考えていたら、マリンタワー・山下公園に到着しました。

視界を遮るピラーがなく、クリアな固定窓は、窓ガラスが大きく感じます。



ガイドさんに案内されて、マリンタワーの受付へ。三渓園も同様ですが、バス代に入場料金も含まれているので、お金を払う事はありません。



エレベータで94mの高さへ一直線。

山下公園、大さん橋、みなとみらいを始めとする、360度の景色を楽しめます。ちなみにマリンタワーに上ったのは2年ぶり。通算回数は5回位でしょうか。



再びバスで移動し、最後の下車観光、赤レンガ倉庫に到着しました。

この場所は、バスのイベントで数日前に来ました(笑)通算回数は数え切れません。



ここで懐かしい画像を紹介します。

1989年に、みなとみらい地区で横浜博覧会(YES’89)が開催され、日本丸駅~山下公園駅間の臨港線を、旅客列車が運行されました。

この画像は、当時、私の父が撮影した臨港線の画像を借りてきたもの。奥には赤レンガ倉庫を見る事ができます。線路が撤去されていますが、赤レンガ倉庫まで引き込み線が引かれていたようで、その線路跡もわかります。今はすっかり観光地になった新港(赤レンガ地区の地名)ですが、当時は港湾の独特な雰囲気が漂う場所だったのをおぼえています。

そして現在。

臨港線の跡地は、気車道や山下臨港線プロムナードなど、整備された周遊ルートの一つとなり、毎日多くの観光客で賑わっています。こんな場所になるなんて、当時は考えもしませんでした。



そういえば、バスの紹介がまだでした。日野セレガのスーパーハイデッカー。リフト付きで、バリアフリーに対応しています。

この日は、車いすをご利用の方がいらっしゃいましたが、運転手さんはまごつくこともなく、スムーズにリフトを操作していました。こういった設備が充実してるのは、横浜市営バスが公営事業という面も、大きいのではないかと思います。



時計は17時20分。

10月が近づき、日没の時刻はすっかり早くなりました。これから撮影するのに苦労する季節へと向かいますが、灯りが輝く、みなとみらいの街並みを見ていると、今日ばかりは、もっと暗くなって欲しいと願いました。あと一か月か二か月待てぱ、「横濱ベイサイドライン」の午後コースでも夜景が楽しめるでしょうが、残念ながら、もう時間がありません。

・・・終点の、横浜駅東口が近づいてきました。改札口前でも、バスターミナルでも、どちらでも降車する事が可能です。

ガイドさんは、80年の歴史を持つ定期観光バスが、まもなく運行終了することを告知。そして、現場という立場からの本音の部分も語ってくれました。私なりに解釈すると、『まだ定期観光バスには役割が残っているのではないか』…という趣旨でしたが、80年で歴史が途絶え、この先、90年、100年と、続けられないのが、悔しいという気持ちが伝わってきました。



バスターミナルに到着。ガイドさんと運転手さんにお礼を述べ、降車しました。定期観光はここで終了ですが、中華街や宿泊ホテルに向かう方のために、バスは引き続き運行します。

・・・最後に、私は以前にも「横濱ベイサイドライン」に乗りたいと考え、検討した事がありました。しかし、コースを調べると、過去に行った事のある観光地ばかりで、諦めてしまいました。訪問済の場所に再び定期観光バスで行く魅力は感じられませんでした。

横浜は観光地として成熟しました。鉄道の開通や、観光系路線バスの運行開始など、交通の利便性も向上しました。年間の観光客数は、今も増えています。リピーターが増え、それぞれが、行きたいと思う場所や、お気に入りの場所へ、ピンポイントに向かう観光客の割合が、増えていると思われ、そういった意味では、団体で周遊する定期観光バスから、個人移動の観光系路線バスへと、軸足を移す横浜市営バスの方向性も理解できるような気がします。

とはいえ、個人的な願望を書くと、もはや横浜は日本を代表する観光地の一つなのだから、観光の選択肢は多くあって欲しい。初めて訪れる方や、高齢や障がいを抱え、移動に制約を持つ方でも、安心して定番コースを周遊してくれる移動手段があって欲しい。もしも、数字の面が問題ならば、返せる言葉がないけれど、観光先進国を目指す今、より幅広い層のお客さまに、横浜の魅力を楽しんでもらえたら嬉しいです。

公営に限らず、民間でもいいので、いつか再び定期観光バスが走る日が訪れる事を願い、今回の乗車記を終わります。

<撮影2016年9月>

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