浜通り交通 JR常磐線代行バス(原ノ町駅~竜田駅)
原ノ町駅 16時55分発
2016年10月。浜通り交通が運行しているJR常磐線、原ノ町駅~竜田駅間の代行バスに乗車しました。その様子をレポートしたいと思います。
夕方の原ノ町駅です。これからバスで常磐線の不通区間を竜田駅まで南下します。
駅前には浜通り交通の新車が停車していました。代行バスはJRバスから移籍した2台に加え、新車導入により3台の陣営で運行しています。
私がこの区間の代行バスに乗車するのは、2015年1月31日の運行開始以来2度目です。バスに乗車すると、運行開始直後には無かった機器が搭載されているのがわかりました。
京都大学原子炉実験所グループが開発した「KURAMA2」というシステムで、車両に搭載された線量率測定器を使って空間線量率を測定し、車両のモニターに表示するものです。(モニターのない車両は最前部の座席に設置されたパソコンに表示しているようです)
画像は原ノ町駅を発車直後のモニターの様子。0.1μSv/h以下を表す青色の場所にバスがいるのがわかります。このように沿道の空間線量率が竜田駅まで表示される仕組みになっています。
小高駅に到着。車掌役のガイドさんは、利用者の有無を駅舎まで確認しに向かいました。
当初、原ノ町駅~竜田駅間がノンストップだった代行バスは2016年7月12日から小高駅の発着を開始しました。これは南相馬市の避難指示が解除(帰還困難区域を除く)され、JR常磐線、小高駅~原ノ町駅間が運転再開した事によるものです。
帰還困難区域に入ると、沿道の灯りは少なくなり、車窓は暗闇ばかりになります。ところどころに設置している交通信号機は黄色の点滅を繰り返していました。
福島第一原子力発電所が近づくと、空間線量率が上昇しました。目に見えない放射線が数値という形で表示されます。
(※この場所が最高線量という意味ではないです。もっと高い場所もあったと思います。)
車窓は暗闇の世界なので、空間線量率の表示ぐらいしか見るものがなく、車内では、ただただ漫然と過ごしました。運行開始直後に乗車した時は、緊張して手には汗を握り、心臓をバクバクさせながら座っていたのですが、2度目となると、こんなものなのでしょうか。周囲の乗客が平然と乗車していたので、その空気感に同調したのかもしれません。
ここで車内を紹介します。
トイレ付きの4列×12列仕様で、頭上には降車ボタンが設置されています。区分上は貸切バスですが、乗合の設備を持っていました。
終点の竜田駅に到着。時刻表上では1時間25分の乗車時間でしたが、気持ち早着したようです。
今回は、夜間の走行という事で、沿道の様子を伺う事は出来ませんでしたが、新車の導入や、空間線量率の可視化、小高駅への発着開始など、変化を感じられた2度目の乗車でした。
↑2016年10月現在の時刻表
ちなみに、代行バスは、2017年2月1日から浪江駅、2月16日からは富岡駅にも発着するようになりました。
更に、2017年3月10日に発表されたJR東日本水戸支社のプレリリースによると、富岡町と浪江町の避難指示が解除(帰還困難区域を除く)される事から、4月1日にJR常磐線、浪江駅~小高駅間が運行を再開し、代行バスもダイヤ改正が行われます。これまで2往復体制だった代行バスは、竜田駅~富岡駅間の区間便を含めて11往復化され、うち2往復が常磐線の不通区間(竜田駅~浪江駅間)を連絡する事になりました。特に避難指示が解除される富岡町においては交通の利便性が大幅に改善されます。
JR常磐線の復旧が進むにつれて、代行バスの役割は、これまでの鉄道連絡に加え、街の復興も担う事になりました。
<撮影2016年10月>
‐代行バス沿革‐
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)・福島第一原子力発電所事故
2014年9月15日 国道6号線通行規制解除
2015年1月31日 竜田駅~原ノ町駅間 代行バス2往復運行開始(ノンストップ)
2016年7月12日 小高駅発着開始 2往復体制 (JR常磐線、小高駅~原ノ町駅間運転再開)
2017年2月1日 浪江駅発着開始 2往復体制
2017年2月16日 富岡駅発着開始 2往復体制
2017年4月1日 代行バス11往復化 (JR常磐線、浪江駅~小高駅間運転再開)
竜田駅~富岡駅間9往復
竜田駅~浪江駅間1.5往復
竜田駅~原ノ町駅間0.5往復
原ノ町駅 16時55分発
2016年10月。浜通り交通が運行しているJR常磐線、原ノ町駅~竜田駅間の代行バスに乗車しました。その様子をレポートしたいと思います。
夕方の原ノ町駅です。これからバスで常磐線の不通区間を竜田駅まで南下します。
駅前には浜通り交通の新車が停車していました。代行バスはJRバスから移籍した2台に加え、新車導入により3台の陣営で運行しています。
私がこの区間の代行バスに乗車するのは、2015年1月31日の運行開始以来2度目です。バスに乗車すると、運行開始直後には無かった機器が搭載されているのがわかりました。
京都大学原子炉実験所グループが開発した「KURAMA2」というシステムで、車両に搭載された線量率測定器を使って空間線量率を測定し、車両のモニターに表示するものです。(モニターのない車両は最前部の座席に設置されたパソコンに表示しているようです)
画像は原ノ町駅を発車直後のモニターの様子。0.1μSv/h以下を表す青色の場所にバスがいるのがわかります。このように沿道の空間線量率が竜田駅まで表示される仕組みになっています。
小高駅に到着。車掌役のガイドさんは、利用者の有無を駅舎まで確認しに向かいました。
当初、原ノ町駅~竜田駅間がノンストップだった代行バスは2016年7月12日から小高駅の発着を開始しました。これは南相馬市の避難指示が解除(帰還困難区域を除く)され、JR常磐線、小高駅~原ノ町駅間が運転再開した事によるものです。
帰還困難区域に入ると、沿道の灯りは少なくなり、車窓は暗闇ばかりになります。ところどころに設置している交通信号機は黄色の点滅を繰り返していました。
福島第一原子力発電所が近づくと、空間線量率が上昇しました。目に見えない放射線が数値という形で表示されます。
(※この場所が最高線量という意味ではないです。もっと高い場所もあったと思います。)
車窓は暗闇の世界なので、空間線量率の表示ぐらいしか見るものがなく、車内では、ただただ漫然と過ごしました。運行開始直後に乗車した時は、緊張して手には汗を握り、心臓をバクバクさせながら座っていたのですが、2度目となると、こんなものなのでしょうか。周囲の乗客が平然と乗車していたので、その空気感に同調したのかもしれません。
ここで車内を紹介します。
トイレ付きの4列×12列仕様で、頭上には降車ボタンが設置されています。区分上は貸切バスですが、乗合の設備を持っていました。
終点の竜田駅に到着。時刻表上では1時間25分の乗車時間でしたが、気持ち早着したようです。
今回は、夜間の走行という事で、沿道の様子を伺う事は出来ませんでしたが、新車の導入や、空間線量率の可視化、小高駅への発着開始など、変化を感じられた2度目の乗車でした。
↑2016年10月現在の時刻表
ちなみに、代行バスは、2017年2月1日から浪江駅、2月16日からは富岡駅にも発着するようになりました。
更に、2017年3月10日に発表されたJR東日本水戸支社のプレリリースによると、富岡町と浪江町の避難指示が解除(帰還困難区域を除く)される事から、4月1日にJR常磐線、浪江駅~小高駅間が運行を再開し、代行バスもダイヤ改正が行われます。これまで2往復体制だった代行バスは、竜田駅~富岡駅間の区間便を含めて11往復化され、うち2往復が常磐線の不通区間(竜田駅~浪江駅間)を連絡する事になりました。特に避難指示が解除される富岡町においては交通の利便性が大幅に改善されます。
JR常磐線の復旧が進むにつれて、代行バスの役割は、これまでの鉄道連絡に加え、街の復興も担う事になりました。
<撮影2016年10月>
‐代行バス沿革‐
2011年3月11日 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)・福島第一原子力発電所事故
2014年9月15日 国道6号線通行規制解除
2015年1月31日 竜田駅~原ノ町駅間 代行バス2往復運行開始(ノンストップ)
2016年7月12日 小高駅発着開始 2往復体制 (JR常磐線、小高駅~原ノ町駅間運転再開)
2017年2月1日 浪江駅発着開始 2往復体制
2017年2月16日 富岡駅発着開始 2往復体制
2017年4月1日 代行バス11往復化 (JR常磐線、浪江駅~小高駅間運転再開)
竜田駅~富岡駅間9往復
竜田駅~浪江駅間1.5往復
竜田駅~原ノ町駅間0.5往復