セレガRの話題が続いていますが、もう少しお付き合いください。
今回は、京王バス、セレガRの思い出を綴ります。
まずは、京王バス最後のセレガRとなった、60501号車です。
この車両は、世田谷営業所→府中営業所→世田谷営業所→府中営業所→永福町営業所と渡りました。撮影したのは2013年。2度目の世田谷営業所在籍時のものです。この当時は、数多く存在するセレガRのうちの、ありふれた1台でした。後々、この車両がラスト1台になって脚光を浴びるなんて、考えもしませんでした。
京王バスのセレガRは、顔の表情が4種類存在したのをおぼえていますか。
まずは、ライトの周囲も、行先LEDの周囲も、共にグレーのデザイン。
60501号車も、この表情でした。
続いて、ライトの周囲がグレー、行先LEDの周囲が白色のデザイン。
さらに、ライトの周囲も、行先LEDの周囲も、共に白色のデザイン。
初代セレガが、このデザインだったので、その流れを伝承したようにも思えます。
そして最後が、ライトの周囲が白色、行先LEDの周囲がグレーのデザイン。
このデザインは60202号車だけだったと記憶しています。
どうしてデザインが4種類もあったのか、その理由は不明ですが、バリエーションが豊富で撮る楽しさがありました。
ナンバープレート横に、レーダーの付いたセレガRもいました。
レーダーがアクセントになって特徴的な表情です。60502号車と60503号車の2台だけだったかと思います。
個人的なところでは、60501号車に次いで、印象深く憶えているセレガRが、60402号車です。
ナンバープレートマニアなのか、「練馬」→「品川」→「練馬」→「多摩」→「杉並」→「世田谷」と、計6枚、5種類のナンバーを装着しました。これで「八王子」を付ければフルコンプでしたが、さすがにそれはなかったようです。
奇遇にも、同じような境遇の車は、現行セレガでも存在しています。それが61402号車。
「多摩」→「(ラグビー)多摩」→「世田谷」→「八王子」→「世田谷」→「八王子」と、把握しているだけで、こちらも6枚。
京王の高速バスは、比較的転属が多く行われますが、現行セレガでは一番の渡り鳥だと思います。
末尾が「402」の日野車は、やたら転属する運命でもあるのでしょうか。
ここからは、京王セレガR、思い出の景色を振り返ります。
浜松駅で遠州鉄道と並ぶシーン。
中央高速バスのイメージが強かった京王ハイウェイバスですが、沼津線、浜松線、静岡線の開業により、東名系統でもその勢力を拡大しました。
続いて、鎌取駅前で千葉中央バスとスライドするセレガR。
路線拡大の勢いは千葉にも波及しました。新宿駅西口~スカイツリー~土気駅という、意欲的な路線を開業させましたが、こちらは残念ながら振るいませんでした。
「特急 静岡駅」表示のセレガR。
中村町、中田三丁目を通過する「渋谷新宿ライナー静岡号」には「特急」の表示が付きました。
おおらかな時代で、バスを撮影していると「特急なんて出来たんだね~」なんて、西口スタッフの方に声をかけて頂いたり。
羽田空港で撮影した方向幕のセレガR、60053号車。
2000年式は方向幕でした。60052号車までが初代セレガなので、車号順に登場していれば、この60053号車が京王バスのセレガR、第1号になるはずです。
東急線の二子玉川駅前を通過するセレガR。
渋谷・二子玉川駅~河口湖線の開業により、二子玉川地区でも京王バスの姿が見られるようになりました。
「さわやか信州号」渋谷線の開業。
夜行路線に入る京王セレガR。車内前方のカーテンが夜行バスの証です。
ありし日の新宿西口高速バスターミナル。
一時期の伊那飯田線は、かなりの高確率でセレガRが充当されました。
これは京王電鉄バスから京王バス東への移管の過程で、委託という方式が採られ、委託車が決まっていた事からと思われます。
今では存在しない「直通 山中湖・平野」の行先表示。
直通は、河口湖駅・富士山駅を経由しない夏ダイヤの系統でした。富士急ハイランドから山中湖方面へ直行します。(15分くらい時間短縮になる)2017年頃から設定がなくなり、全て河口湖駅・富士山駅を経由するダイヤになりました。
最後に、京王バス最後のセレガR、60501号車にスポットライトを当てます。
2019年3月。京王バス中央の府中営業所に駐車していた60501号車です。
既にセレガR最後の1台となっていましたが、最古参という宿命なのか、教習車としての活躍も多かった時代です。
そんなある日のこと、府中営業所に向かうと、出庫点検を行っている60501号車を発見。
武蔵小金井駅発の羽田空港行、リムジンバスの運用に就きました。
そのまま乗車して羽田空港へ。セレガRの走りを楽しみました。
年式から考えて、いつ除籍になってもおかしくありません。
府中営業所が最後の活躍の場で、教習車や深夜急行、リムジンバスをこなし、ひっそりと引退を迎えると予想していました。
ところが、2019年の12月に、京王バス中央が担当する富士五湖線のダイヤが誕生します。
深夜の時間帯ですが、バスタ新宿に京王セレガRが復活。奇跡です。これには本当に驚きました。
奇跡には続きがありました。2020年1月頃には、永福町営業所に転属。これが最後の転属になりました。
永福町営業所では、渋谷駅を発着するアクアライン系統の運用に入りました。
コロナ渦でダイヤが削減されようとも、稼働率は高かったです。
渋谷マークシティの入口に咲く、桜との1枚。
ことごとく生き延びる60501号車の姿に「来年の桜も撮れるかな?」なんて、淡い期待も抱きました。
しかし、2021年1月に引退の発表。
残念ながら、2021年の桜は、叶いませんでした。
渋谷~木更津線、最後の日の撮影です。
そして、世田谷営業所時代の60501号車のレギュラーワークの一つ、富士五湖線で花道を飾りました。