2019年4月の乗車記です。
京阪バス 東京ミッドナイトエクスプレス京都号
京阪枚方市駅(北口)22時00分発
こんばんわ。大阪府枚方市に位置する、京阪電車の枚方市駅です。
今回のバス旅は、夜行高速バス「東京ミッドナイトエクスプレス京都号」に乗車して、バスタ新宿まで向かいます。
「東京ミットナイトエクスプレス京都号」は、京阪バス枚方車庫を大阪側の起点に、途中、枚方市駅、樟葉駅、京都駅、三条駅、山科駅を経由する、京阪電車の沿線と東京とを結ぶ高速バスです。京阪バスと関東バスの共同運行ですが、今夜の担当は京阪バスでした。
枚方市から夜行高速バスに乗る。
既に私の気分は上々。大阪駅とか、京都駅とか、都道府県を代表する駅ならいざ知らず、旅行先の私鉄沿線都市から夜行高速バスに乗車するなんて、なかなかしない選択です。例えば、大阪から横浜観光に来た旅行者が「上大岡駅から夜行バスで帰ろう」とか、名古屋から東京に遊びに来て「帰りは聖蹟桜ヶ丘駅から夜行バスに乗ろう」だなんて、その都市に何か縁でもなければ、考えもつきません。
でも、そういう旅の楽しみ方もあると思うのです。
例えば、大阪で当たり前の日常を送る方々と同じように、家路への通勤電車に乗って郊外の駅で降りてみたい。しかし、そんな事は簡単に出来る。でも、普通はやらない。
住んだことのない街で、暮らしてみたいと考えた事はありませんか。
私は、生まれも育ちも東京です。時に違う都市で生活してみたいという願望にかられる時もあります。知人と酒を交わしながら「関西に引っ越すとしたら、どこに住んでみたい?」なんて会話した事もあります。そんな私にとって、枚方市から夜行高速バスに乗車する行為は、叶わぬ願望をほんの少しでも実現出来たような気がしました。
ちなみに知人の答えは「武庫川」。理由は忘れてしまいましたが、阪神電車沿線もいいですよね。
では、今晩お世話になる「東京ミッドナイトエクスプレス京都号」へと向かいましょう。
車内仕様は、トイレ付き、3列独立シート。
レッグレスト、フットレスト、ブランケット、使い捨てスリッパ、紙おしぼりの設備があります。
公式サイトでは記載されていませんが、座席には充電用のコンセントが設置されていました。
サービスコーナーでは「冷水」と「お湯」が提供されています。
せっかくの設備なので使わせて頂きましょう。紙コップに冷水を注ぎ、喉を潤しました。
バスは、枚方市駅(北口)を定刻通りに発車。
途中の京阪樟葉駅、京都駅八条口、京阪三条、山科駅で乗客を集め、空席を少し残して全ての乗車扱いが終わりました。その後、車内は明朝の渋谷マークシティまで消灯となります。それでは身体を休めましょう。おやすみなさい。
・・・今回、私が乗車したのは金曜日でした。この便を予約をしたのは当日の朝です。ツアーからの移行ブランドは週末や繁忙期に価格が大きく上がる傾向にあるので、狙いを定めたのは老舗バス事業者の独立3列シート。朝の時点で座席が残っていたのは、京阪バスの「東京ミッドナイトエクスプレス京都号」と、阪急観光バスの「大阪~渋谷新宿池袋線」の2路線で、価格はどちらも8000円台です。金曜日に座席が残っていてくれて有り難かったものの、ツアーからの移行ブランドが4列シートを10000円台で販売している便がある状況下で、独立3列シートの便が何故に売れ残ったのか。
理由を考察してみると、その2路線には共通点がありました。どちらも予約サイトで検索すると、車内設備の記載に「コンセント」が付いていません。実際のところ、私の座席にはコンセントが設置されていましたが、もしかしたら予備の車両にはコンセントが設置されていない為の措置なのかもしれません。
この発売状況が”たまたま”だったという可能性も否定は出来ませんが、もしも「コンセント」の有無が座席の売れ行きに影響を与えているのならば、夜行バスにとって携帯電話・スマートフォン充電用の電源は必須の設備なのだと認識させられます。
ちなみに2021年現在でも、京阪バスの公式サイトでは車内設備に「コンセント」の記載はありません。とはいえ、ターミナルや沿道で京阪バスの車両ラインナップを見ていて、ほぼ間違いなくコンセント付きが来ると思われます。(そんな予感がしたから、この便を予約したところもあります)今はコロナ禍の影響により運休しているので、予約サイトの記載がどうなったかは確認していませんが・・・。
おはようございます。
朝が訪れ、渋谷マークシティに到着しました。
続いて、終点のバスタ新宿に到着。お疲れ様でした。
当時はバスタ新宿が終点でしたが、この後、東京駅地区への延伸が行われ、現在は、東京駅丸の内(三菱ビル)、東京大手町(グランキューブ)にも乗り入れています。東京側の発着地が増えました。
枚方市から夜行高速バスで戻ってきた。
それは、大阪駅や京都駅からの乗車では味わえないような、観光地ではない関西を身近に体験出来たような気がしました。例えるならば、訪日旅行者が定番のゴールデンルートを周遊するだけでは飽き足らず、自らの足で自らの行きたい場所へと旅行する。そんな感覚に近いのかもしれません。
もちろん、価値観は人それぞれなので、そんな旅のどこが楽しいのかと疑問に思う方もいるでしょう。でも、旅の楽しみ方の一つとして、理解や共感してもらえる人を増やす事が出来るのならば、それは夜行バスにとって、新たな需要の創生に繋がるのではないでしょうか。
<撮影2019年4月>