2021年5月10日午前0時、首都高速道路の呉服橋出入口と江戸橋出入口が廃止されます。
これは、首都高速道路「日本橋区間地下化事業」に伴うもので、特に東京駅への到着ルートとなる呉服橋出口の廃止は、多くの高速バスにとって走行経路やダイヤの変更など、影響が出る事態となりました。
今回は、廃止を目前に控えた各出入口の様子と、地下化の背景について紹介します。
まず、地図から位置関係をまとめます。赤色の文字は私が書き入れました。
青色が日本橋川で、その上空を走る高架道路が首都高速道路の都心環状線(C1)です。今回廃止となる出入口は、呉服橋入口、呉服橋出口、江戸橋出口、江戸橋入口の4箇所。このうちの呉服橋出口が東京駅に近く、高速バスの到着ルートに多用されている出口です。
呉服橋入口の様子。
既に廃止の掲示が行われています。
呉服橋入口のスロープと日本橋川。
4箇所の出入口が早期に廃止となる理由は、地下化の障害となる橋脚と基礎を取り除き、これにより日本橋川の水位を下げて工事をしやすくするためです。
呉服橋出口から出てきたJRバス。
首都高速を降りると、すぐに東京駅。高速バスにとって利便性が高い出口でした。
日本橋川から見た、呉服橋出口を降りる高速バス。
そして、呉服橋と江戸橋の間にあるのが、日本の国道の起点である日本橋。
高架橋の影になりますが、とても立派な橋です。
この高架橋が撤去されたならば、空が広くなりそうです。
地下化事業の背景にあるものは、完成から半世紀以上が経過した首都高速道路の老朽化対策が課題になっていた事と、日本橋川の景観回復への取り組みでした。ざっくり書くと「首都高速の大規模更新をするならば、地下化して日本橋川の景観回復も同時に行ってしまおう」という形です。
最終的な完成予定は2040年。その頃、私は何歳になっているのだろう・・と考えてしまいました。長い道のりです。
日本橋には道路元標地点のモニュメントが設置されています。
日本橋は、国道1号線(大阪へ)、国道4号線(青森へ)、国道6号線(浜通りを経由して仙台へ)、国道14号線(千葉へ)、国道15号線(イチコクで横浜へ)、国道17号線(新潟へ)、国道20号線(塩尻へ)の7国道が集まる交通の拠点です。
地下化事業が完成したら、モニュメントがもっと見やすい位置になるといいなと思います。
場所は変わり、江戸橋出口。
江戸橋入口。
こちらも廃止の掲示がされています。
地下ルートへの移行は2035年を予定しています。
地下ルートへ移行すると、都心環状線(C1)はそのまま箱崎方向の向島線(6号)に繋がるので、今のように江戸橋JCTを経由しての環状1周が出来なくなります。代替ルートは八重洲線(Y線)〜東京高速道路(KK線)となり、都心環状線(C1)が環状線ではなくなってしまう(もしくは環状線の形が変わる)一大プロジェクトです。地下化事業がいよいよ始まります。