2007年11月に撮影した、都営バスのBRCハイブリッド、R112号車です。
都営バスに初めて導入された日野BRCハイブリッドで、中でも渋谷自動車営業所に配置となったR111号車とR112号車の2台には「第二世代バイオディーゼル・ハイブリッドバス」のラッピングが施されました。これらは環境問題に力を入れていた石原都政時の施策です。第二世代バイオディーゼル燃料「BHD」を使用したハイブリッドバスの営業運行は世界で初めての出来事で、当時のリリースを見返すと、10月10日に開催された運行開始式典には、石原東京都知事、新日本石油会長、日野自動車会長、トヨタ自動車会長らが出席し、挨拶やテープカットが行われました。この車両にかける期待が伝わってくるようです。
この車両には「オリンピックを東京に、2016年」のキャッチフレーズや、「TOKYO2016」の招致ロゴマークが掲げられていました。
当時、国内では「2016年 夏季オリンピック」招致活動が熱を帯びており、環境問題への取り組みは招致活動への重要な要素の一つでした。その活動にR111号車とR112号車の2台が抜擢されたのです。残念ながら、2016年の夏季オリンピックは「リオデジャネイロ(ブラジル)」に決まりますが、4年後の「2020年 夏季オリンピック」では開催地が「東京」に決定。リベンジを果たす事が出来たのは周知の事実です。
↑2021年9月撮影 田92系統に充当されるR111号車
現在、R111号車とR112号車の2台は渋谷の地を離れ、品川自動車営業所港南支所に所属しています。
車両前面には「ミライトワ」と「ソメイティ」のPRステッカーが貼られ、登場時と同じように「オリンピック(パラリンピック)」広報活動の一端を担いました。また、港南支所に転属した事で、晴海を発着する都03系統に充当される機会にも恵まれました。
晴海は「東京2020大会」の選手村として再開発が行われました。2台のバス達は、移り行く晴海の景色を見て、どのような思いを抱いたのでしょうか。バスと会話する事が出来るのならば、聞いてみたいものです。