兵庫県神戸市に位置する、新神戸駅です。
六甲山のふもと、JR山陽新幹線の高架下に設置したバスターミナルで、西日本JRバス、本四海峡バス、神姫バス、JR四国バス等が発着します。
新神戸駅には、いくつかのバス停留所がありますが、今回紹介するのはハイウェイバスのりばです。
ここには、2つののりば(1番・2番)と、バスの駐車場を有します。
まずは、1番のりばの紹介です。
スイッチバックして入線する1番のりばには「本四・淡路高速線」が発着します。
徳島へ「阿波エクスプレス神戸号」
淡路島・洲本方面へ「かけはし号」
淡路島・東浦方面へ「大磯号」
…が出発します。
2023年5月現在の時刻表。
どの系統も、便数は多いです。山陽新幹線や北神地域と、徳島や淡路島間とを連絡する役割を担います。
本四海峡バスが1番のりばに据え付けらるところです。
のりばへはバックをして進入します。
淡路島・東浦バスターミナル行きの「大磯号」
この後、三宮バスターミナル、高速舞子で乗客を集め、明石海峡大橋を渡り、淡路島へと渡ります。
本四海峡バスは、明石海峡大橋が開通することで影響を受けた、船舶事業者の離職者再雇用を目的に設立されました。
続いて、2番のりば。
高松へ「高松エクスプレス神戸号」
有馬温泉へ「有馬エクスプレス」
神戸空港へ「阿波エクスプレス神戸号」
…が出発します。
2023年5月現在の時刻表。
こちらも高松、有馬温泉、神戸空港との連絡の役割を担います。
特記すべき点として、本来は神戸~徳島間を結ぶ「阿波エクスプレス神戸号」の、新神戸駅~神戸空港間を区間利用できる点があります。
2番のりばは、生田川の橋の上にあります。
こちらは、スイッチバック進入ではありません。
1番のりばと2番のりばの間の高架下には、バス駐車場があります。
ここで折り返しのバスが待機をしています。
「JR高速バス きっぷ売場」
駅構内にあり、バス乗車券の券売機を設置しています。
生田川
新神戸駅の中央を流れ、六甲山地から神戸港へと高低差を下っていきます。
山に囲まれた新神戸駅は、新幹線の高架下に川が流れ、その脇にハイウェイバスのターミナルが配置されます。
地形的条件から、狭い土地に色々と詰め込まれていて、なかなか興味深い場所です。
新神戸駅にハイウェイバスのバスターミナルが出来たのは、比較的最近のことです。1998年の明石海峡大橋開通によって、関西~淡路島~四国が地続きになり、そこには高速バスの新たな需要が生まれました。西日本JRバス、本四海峡バス、JR四国(※当時はJR四国の直営)は「Blueネットワーク」を構築。共同運行する3社のバスには、共通のステッカーを貼付するなど、高速バスの発展に力を注ぎました。神戸側の発着地には、繁華街の三宮に加え、山陽新新幹線の新神戸駅を発着することで、長距離を走る鉄道と高速バスとが繋がりました。淡路島・四国への玄関口になった新神戸駅は、広域な結節点として機能しています。
さて、そんな新神戸駅ですが、1972年の開業から50年以上が経過し、神戸市では、駅前広場の再整備を行う方針を決めました。再整備では、利便性や魅力の向上を図り、駅前広場を人と公共交通優先の空間とする方針です。
バス関係に目を向けると、公共交通(バス・タクシー)を改札階である2階に集約し、乗換えの利便性を向上します。まだ正式な発表はありませんが、これにより、ハイウェイバスのターミナルは、高架下から2階へと移転することとなり、必然的に、新幹線高架下のバスターミナルは、廃止されるものと思われます。
高速バスが、高架下のターミナルを発着する姿は、いつまで見られるのでしょうか。
<撮影2023年5月>