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南海バス 鎌倉・藤沢・小田原~京都・大阪線

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こんばんは。

ここは、JR東海道線・横須賀線・横浜市営地下鉄ブルーラインが集まる、戸塚駅(神奈川県)です。

私はこれから、横浜横須賀道路を使って三浦半島へ向かいます。えっ、こんな時間から三浦半島へ(?)いやいや、決して夜釣りにいくのではありません。大阪へ行くのです。



南海バス 鎌倉・藤沢・小田原~京都・大阪線
戸塚駅東口21時00分発

今夜、お世話になるのは、戸塚発、大阪行きの南海バスです。

都内に在住していると、まず乗らない路線ですが、今回はあえて選択してみました。それは、2022年10月からルートが変更になり、横須賀地区での発着が始まったからです。しかも、運行しているのは、南海バスと和歌山バス。横須賀とは縁もゆかりもありません。そんな関西事業者の斬新なルートに惹かれて、このバスを選びました。

戸塚駅では、東口の江ノ電バス停留所を発着します。南海バスの共同運行事業者が江ノ電バスだった時代の名残です。ここでは私を含めて4人が乗車し、定刻通り21時00分に出発しました。



バスは日野インターから、横浜横須賀道路へ。

沿道に灯りは少なく、暗闇の中を進みました。しかし、釜利谷、朝比奈、逗子といった名称の看板を見るたびに、不思議な気持ちになります。今、私は大阪へ向かっているのに、どうして横浜横須賀道路を三浦半島に向かって南下しているのでしょう。なんとも解せません。脳がバグるとはこのことでしょうか。

しばらく走行し、横須賀インターで高速道路を降りました。次の乗車停留所はJR横須賀駅前です。しかし、道路の構造的に直接JR横須賀駅には行けません。一旦、フェリーターミナルのある新港ふ頭方面に進み、ぐるりと転回して戻ってきました。



21時37分、JR横須賀駅前に到着。

横須賀を代表する駅というと、JRの横須賀駅と、京急の横須賀中央駅が思い浮かびますが、このバスはどちらにも停車します。JRの横須賀駅は海に近く、米軍や自衛隊といった基地があるエリアです。夜のJR横須賀駅前は、人通りがあまり多くありませんが、それでも1名の乗客がバスを待っていました。



バスは続いて、京急横須賀中央駅前へ。

京浜急行バスの停留所に停車します。横須賀の繁華街といえば中央駅で、道路沿いには電飾看板が煌びやかに並び、人々の往来もみられます。こちらでも1人の乗客が乗車してきました。なんだかんだで、横須賀地区でも利用者を集められたあたりに新ルートの効果が感じられます。



バスは横須賀地区を出発し、再び横浜横須賀道路へ。

車窓からは、横須賀港が見えました。

次の乗車停留所は、鎌倉駅東口です。逗子インターで横浜横須賀道を降りて、逗葉新道へと進路をとりました。続いて逗葉トンネルを抜けると、そこは葉山。そのまま海岸方向へ向かいます。三浦半島を横断した形で、海は東京湾から相模湾へと移りました。ただし、進行方向右側の座席に座っているので相模湾は見えません。左側の席を予約すべきだったでしょうか。



横須賀から25分ほど走り、22時21分に鎌倉駅東口へ到着。

バスは小町通りの鳥居のそばに停車しました。観光客で賑わう鎌倉駅も、さすがにこの時間は閑散としています。ここでは、3人の乗車がありました。



鎌倉駅を出発したバスは、次の停留所である藤沢駅へと向かいます。

再び海岸沿いの道路に戻るのかと予想しましたが、結果はハズレ。江ノ電の踏切を渡って内陸側の県道を進みました。大仏で有名な長谷寺の入口である長谷観音前の交差点を右折し、深沢付近で湘南モノレールの高架をくぐります。最後は境川を渡ると、藤沢駅が近づいてきました。



藤沢駅南口に到着。出発時刻は22時51分ですが、早めに着きました。

ここでは、8人の乗車がありました。バスを利用する時間帯からみても、停留所の利便性から見ても、この藤沢駅が一番のボリュームゾーンのようです。

それにしても、ようやく東海道線の駅に戻ってきました。戸塚駅から藤沢駅までは、電車ならば2駅で、所要時間は10分の区間なのに、このバスは1時間50分かけて三浦半島を横断してきました。こんな体験は、なかなか出来ません(^^)



藤沢駅を出発後は、国道を南下して相模湾の海岸沿いへ向かいます。

江ノ島駅付近では、一瞬だけ江ノ電の併用軌道と並走しました。江ノ電の有名撮影スポットですが、ここを通過する夜行バスがあるなんて、初めて知りました。運がよければ、夜行バスの車窓から江ノ電が見られるかもしれません。



ここから小田原へは、国道134号線と西湘バイパスを走ります。

今頃、左側には江の島が見えている事でしょう。車窓からは海が見える区間もあり、特に西湘バイパスに入ってからは眺めが素晴らしいです。もちろん、そのことは事前にわかっていて、進行方向左側の席を予約しようかと考えもしましたが、予約サイトのシートマップを見ると、他人に気兼ねなくフルリクライニング出来るトイレ前の3Cが空いていたので、ついついそちらを押さえてしまいました。「どうせ夜間だし、大して景色も見られないでしょ」と思っていましたが、今となっては「夜の海もよかったかもしれない」と、ちょっぴり後悔もします。ちなみに大阪発の便ならば朝に到着するので、間違いなく海側のC席がオススメです。カーテンの隙間から眺める早朝の海は、さぞかし素敵でしょう。



最後の乗車停留所になる小田原駅東口に到着。ここの発車は23時56分です。

ここでは、4人の乗車がありました。なんだかんだで戸塚駅から数えて21人。全ての停留所で乗車がありました。一つ一つは小さな需要でも、それが集まれば、それなりの需要になるものだと、うなずきます。ちなみに、小田原から西側は、富士急湘南バスの「金太郎号」が、小田原、御殿場、三島、沼津、新富士といったエリアを担当します。その西になると、しずてつジャストラインが清水、静岡、東名吉田などを担当。江ノ電バスは撤退してしまいましたが、関西への夜行需要は、各地域のバス事業者が小まめに集客しているのがわかります。

小田原駅を出発後は、車内設備の案内が行われました。1回だけ開放休憩があり、場所は次の鮎沢PAとのことです。鮎沢PA到着までは最低限の照明に減光されます。



0時33分頃、東名高速道路の鮎沢PAに到着。

ここで、10分間の休憩です。バスを降り、お手洗いを済ませました。今夜の鮎沢は少し冷えます。肌寒さから、思わず自動販売機でホットの缶コーヒーを購入しました。今は湯たんぽの代わりにして、朝になったら飲もうかと思います。

鮎沢PAを出発後は、車内が消灯になりました。それでは、おやすみなさい。

、、、zzz



ここで車内設備の紹介です。(明朝に撮影)

車内は独立した3列シート。トイレは車内中央の床下です。



各座席に、フットレスト、レッグレスト、コンセント(車両によってはUSB)、フリーWi-Fi、個人用カーテンが装備され、使い捨てタイプのスリッパを用意しています。なお、新型感染症の影響からブランケットの貸出は休止中。復活が待ち遠しいです。



、、、zzz

「あと5分ほどで、京都駅八条口に到着です」

車内アナウンスで目が覚めました。腕時計を見ると、時刻は5時45分。定刻通りに到着したようです。

カーテンの隙間から外をチラ見すると、京都は、まだ夜明け前。八条口が近づくと、三条、長岡からやって来た越後交通が見えました。

5時51分、京都駅八条口に到着。ここで、かなりの降車がありました。私の周囲もがらんとし、人気が無くなりました。



バスは、第二京阪道路で大阪を目指します。

土地勘がないので、どの辺りを走っているのかわかりません。昨夜購入した缶コーヒーの蓋を開け、モーニングコーヒーを楽しみました。時折、カーテンの小さな隙間から車窓を眺めます。暗闇は、徐々に薄い葡萄色の空に代わり、知らない街の様子がうかがえるようになりました。

放送によると、次の高速京田辺は降車がないので通過するそうです。それでも律儀に停留所のあるPAに入り、1周して本線に戻りました。



近畿自動車道、阪神高速道路と進路をとると、森之宮のあたりで朝の渋滞にはまり、流れが悪くなりました。停車、発進の繰り返しです。それでも、右側には、朝陽を浴びる大阪城が見られました。



まもなく、大阪駅前(桜橋口JR線高架下)に到着です。

7時04分、高架下に設置している停留所に停車しました。渋滞の影響はありましたが、それでも遅延は5分程度です。これくらいならば誤差の範囲内でしょう。大阪駅前でもかなりの降車がありました。

出発後は、キタからミナミへと移動しますが、この距離でも阪神高速道路に乗りました。



そして、湊町バスターミナル(OCAT)での降車はなく、バスはほぼ定刻通りに、終点の南海なんば高速バスターミナルに到着しました。

時刻表上では、戸塚駅から10時間34分。なかなか乗り応えのあった路線でした。特に三浦半島を横断する経路は、他では味わえない醍醐味だったと思います。横浜駅から京都・大阪方面の夜行バスは、毎日大量に出発していますが、横浜駅からJR東海道線の電車で1駅移動するだけで、こんな面白い路線に巡り合えるとは新発見でした。あと、戸塚駅の出発が21時00分と比較的早いので、横浜地区でやる事がなくて、早めにバスに乗ってしまいたいという方にもお勧めできそうです。

<撮影2023年10月>
 

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