京都府南丹市園部町に位置する、園部大橋です。
京阪京都交通、中京交通、西日本JRバスが発着します。
園部大橋は、国道9号線上の停留所です。(※国道477号線との重複区間)
国道脇に小さなロータリーがあり、そこに待合所を設置しています。歴史が感じられる待合所で、ここには、かつて京都市内~京都府の北西部を結んでいた(旧)京都交通が発着していました。
(旧)京都交通は、モータリゼーションの普及等によって経営が行き詰まり、2004年に会社更生法の適用を受けます。
その後、バスの営業エリアは二分化され、現在は、南側が京阪バスの支援を受けた京阪京都交通に、北側が日本交通の支援を受けた京都交通になりました。これにより、この園部大橋は京阪京都交通に引き継がれています。かつては、京都市内行きの国道本線が1時間あたり4便発着していた時代もあった園部大橋ですが、現在は京都市内への路線はありません。
京阪京都交通時刻表 ※2023年11月現在
京阪京都交通は、(旧)京都交通の路線を引き継ぎました。かつての国道本線の運行はありませんが、西側をぐるりと回って亀岡~園部を結ぶ八田線、西日本JRバスから引き継いだ園篠線等が発着しています。
中京交通「ぐるりんバス」時刻表 ※2023年11月現在
(旧)京都交通の路線のうち、園部町(※現在は南丹市)の地域内路線に関しては、コミュニティバス化され、中京交通が「ぐるりんバス」として引き継ぎました。
令和元年に運行開始した中京交通「ぐるりんバス」新光悦村線時刻表。
今では、(旧)京都交通の廃止代替路線だけではなく、新規コミュニティ路線も運行するようになりました。
西日本JRバス「園福線」時刻表 ※2023年11月現在
園部~福知山を結ぶ国鉄時代からの路線です。全線を通して運行する便は少なく、途中の桧山で系統分離している便が多いです。
2022年に京都府へ対し、運行を維持することは困難であることを申し出ており、現在は代替交通手段の準備が進んでいます。園福線を引き継ぐのは、南丹市側が中京交通、福知山市側が京都交通になる予定で、2024年3月をもって西日本JRバスの路線としては廃止となる見込みです。
待合所には(旧)京都交通時代の名残が残っています。
文字がかすれていますが「快適さを安心に乗せて」「京都交通株式会社」と書いてあるようです。
「天の橋立方面行のりば」の表記も確認出来ました。
かつて、一般道を使い、京都市内~天橋立間を結ぶ系統があった痕跡です。
待合所のベンチ。
待合所の構造にビックリ。
驚く事に、水路の上に待合所が建築されていました。
さて、停留所に中京交通の口司行きがやってきました。
南丹市のコミュニティバス「ぐるりんバス」です。
京阪京都バスに引き継がれなかった、(旧)京都交通の園部市内(※現在の南丹市)地域内路線を担当しています。
こちらは西日本JRバスの「園福線」
2024年3月をもって、西日本JRバスは園福線からの撤退を表明しています。園部側を引き継ぐのは「ぐるりんバス」を運行している、中京交通になる予定です。
かつて、この停留所の主だったのは、(旧)京都交通と国鉄バス(西日本JRバス)でした。その後、(旧)京都交通が姿を消し、まもなくJRバスも姿を消します。歴史を知るものは、この待合所だけになりそうです。
<撮影2023年11月>