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西東京バス 新宿〜松本線 

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西東京バス(受託) 京王電鉄バス(委託) 新宿〜松本線 2号車
松本バスターミナル 16時20分発



松本駅前の温度計は4℃。陽が傾いて寒さが増してくる松本バスターミナルの入口で16時20分発の新宿行き2号車を待っていました。1号車、京王電鉄バスのエアロエースに続き、現れた2号車は西東京バスのセレガ。「おっ!キタキタ!」この車に乗りたくて松本までやって来たのです。篠ノ井線の車内からアルピコ交通の車庫にいる西東京バスのセレガを確認していたので、待っていれば必ず来るという自信はありました。



2012年7月の新高速バス制度開始に伴い、高速乗合バス事業者から貸切バス事業者へ「高速バスの管理の委託」が可能となりました。京王電鉄バスでは体制の整った2012年年末から新宿〜松本線や新宿〜長野線の定期便の一部をアルピコ交通へ委託しています。また、西東京バスにも増便の一部を委託し、このように京王電鉄バス担当便の2号車に西東京バスの車両が入るようになりました。今回乗車するのはDK21279号車。このブログに寄せられたコメントによりますと、2012年秋の新車で導入されたこの車は恩方車庫の貸切車で、平日は学校のシャトルバスとして運行、土休日等には高速バスの受託便として効率良く運行されているそうです。



中央自動車道の笹子トンネルが対面通行になっている影響があるのか、事前に携帯電話から調べた限り2号車は空席の多い「○」表示でした。ガラガラではないかと勝手に考えていましたが、発車間際になると6〜7割ぐらい座席が埋まっていました。



さて、車内に入った時に真っ先に目に着いたのがコレです。貸切バス受託型管理の受委託を示す表示で、この便では運転手さんと客室の仕切りに貼られていました。



松本バスターミナルを定刻通り発車。新宿への旅が始まりました。前を走る1号車に続き、次の乗車停留所である松本インター前に停車します。ここで1人が乗車すると、バスは長野自動車道へと入っていきます。



この車両にはETC装置が設置されていますが、今回は路線バスとして運行していますので通行券を取るために一般レーンへと進みます。貸切車のためにETCを使うと料金の車種区分が大型車ではなく、特大車になってしまうのです。



長野道広丘・野村では3人の乗客が2号車の前に立っていました。乗車する乗客は携帯電話やスマートフォンの画面(ケータイ乗車券)を運転手に見せて改札を受けています。ちなみに、この車には運賃箱がありません。もしも、予め乗車券を持っていない乗客が乗ってきたらどうするのでしょうか。…そんな事を考えていたら、タイミング良く「予約していないんですけど…」とフリーの乗客が現れました。運転手さんは手書きの乗車券を発券して乗客に渡し、空席へと案内して対応していました。手慣れたものです。



岡谷JCTで中央自動車道の東京方面へ進みます。車窓左側には氷の張った諏訪湖が見えました。道路の情報板によると笹子トンネル手前で渋滞があるようです。



暗くなった双葉サービスエリアで15分の休憩です。1号車の京王電鉄バスエアロエースと並びました。



さて、笹子トンネル手前の渋滞に差し掛かります。渋滞の長さは5キロ程ですが、笹子トンネルが下り線を使った対面通行のために2車線から1車線への規制で流れが悪くなっていました。対面通行に移った後も上り勾配といった悪条件が続き、渋滞に拍車をかけています。山を貫くトンネルというのは標高の高い場所にある事が多く、速度低下により渋滞の起きやすい場所です。



天井板が撤去された笹子トンネル下り線。アルピコ交通の高速車(あちらも貸切車を使った2号車)とすれ違いました。



難所であった笹子トンネルを抜けると交通量も少なく、すこぶる快調にバスは進みます。渋滞の名所、小仏トンネルすら渋滞は全くありませんでした。笹子トンネルの規制で小仏トンネルへの流入量が少ないのか、中央自動車道自体が敬遠されているのかはわかりません。

八王子料金所では当然ETCレーンではなく一般レーンへ。「路線バスです」「ハイ、2番(大型車)ですね」とやり取りを行っていました。今後は貸切バス受託型管理の受委託も増えるでしょうし、将来はこのようなケースでもETCが使えるようになるといいなと思いました。



車内は4列×11列、補助席トイレ付き仕様です。新車だけあって清潔感に溢れています。



終点の新宿駅西口バスターミナルに到着しました。笹子トンネル手前の渋滞で1時間超えの遅延となってしまいましたが、快適な車内でした。

今回、初めて貸切バス受託型管理の受委託制度による受託便を利用しました。もしも私がバスに興味がなければ、この2号車が京王電鉄バスからの受託便という事に気が付かなかったと思います。バスに興味があって受託便を狙って、わざわざ相違点を捜したのでこのような記事になりましたが、実際に乗車した私以外の乗客は誰も受託便という事に気が付いていなかったのではないでしょうか。

いつものように乗車券を購入して、いつものバスターミナル(停留所)から発車して、いつもと同じ塗装(ロゴは違いますが)のトイレ付き車両で、いつもと変わらぬ接客を受け、いつもの場所に到着したのですから。

この貸切バス委託型管理の受委託制度は、委託者がどの事業者に委託するか、そして受託者にどのような内容を求めるかで、味付けは大きく変わってくるのではないかと思いました。同じ京王グループで、かつ高速バスの経験もある西東京バスですから、ほぼ同じ味を出せたのかもしれません。

最後に笹子トンネルの通行止による迂回、その後の対面通行と、大変な時期に産声を上げた今回の受委託。年末年始の増便も例年よりも少ないように感じられましたが、まもなく笹子トンネル区間の対面通行が解消されます(2月8日予定)。元の2車線に戻れば定時性もこれまでより上がり、本来の力を取り戻せると思います。乗客も戻ってくれば、増便も増えます。そうなれば、いよいよ新高速バスの本領が発揮される時です。

<撮影2013年1月>

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