WILLER EXPRESS 2014 安全運行プラン発表会を取材させて頂く機会がありました。
2013年12月から東京〜仙台間、東京〜新潟間で運行される新シート「RELAX」を搭載した新車、日野セレガです。今回展示されていたのはWILLER EXPRESS北信越の車両。
座席配列は4列×10列。
RELAXは安全性の向上と独自の快適性を追加したシートです。2012年7月に一部改正の上施行された新保安基準をクリアしました。これまでのRELAXシートの特徴のひとつであった頭部を覆うカノピーは、身長の低い人でもプライベート感を実感できるよう、身長の高い人でも快適に過ごせるよう、深く、そして空間が大きくなるよう改良されています。また、座席の座面を固定式からバネ式に変更。更にクッションを背中、腰、お尻でそれぞれ最適な厚みと形にした事で座り心地が向上しました。
参考までに新しいRELAX(左側)と現行のRELAX(右側)との比較。
新しいRELAXシートでは枕のフィット感がアップしました。枕の役割が「頭に敷く」から「首をサポート」するタイプになっています。
こちらは現行のRELAXシートの枕。
これまでリクライニング角度が深いために設置不可能だったカップホルダーは中間アームレストに設置。オリジナル成型なのでサービスエリアなどの紙コップにも対応しています。
フットレストは可動式。現行のRELAXよりも30mm高い位置まで可動する事によって身長の低い人でも快適な足元空間を実現しました。
それから網ポケット等のアクセサリー類はRを大きくする事によって衝突時の安全性が向上しています。
同様に、シート頭部裏側にも緩衝材が入りました。
今回の新車からワンマンバスの構造要件により、降車合図用の押しボタンが設置されています。
押しボタンの設置はされましたが、乗客の降車停留所は運転手さんが把握できますし、実際には運用されないかもしれません。
…話は変わりますが、今回の発表では運行管理センター構想というのがありました。
WILLER9社の上に運行管理センターを設置し、全バスの運行状況の巡視を行います。各車両に設置されたドライブレコーダーが居眠り、急旋回、急ブレーキ、蛇行運転などの「不安全運転」を検知すると、運行管理センターにアラートを発報。当該車両と状況の確認を行った後に運行管理者が運行指示や運行可否を決定するというものです。
正直な感想として「運行管理もここまできたか」と驚きました。最近ではJRバス関東の安全研修センターの設置、訓練専用車の導入。その他の事業者でも教習を行ったり、HPで安全面をアピールするなど、各社安全面での投資やPRが行われています。個人的な考えですが、明確な責任を持った運転手さん、整備士さん、運行管理、整備管理等の方々がいるのが緑ナンバーの乗合バスや貸切バスですから、決められた事を守っている限り(もちろん、人間ですから100%完璧は無理ですし、もらい事故などもありますが…)、どの事業者を選ぼうが安全は言葉にするまでもなく当たり前だと思っていました。
しかし、競合する数多くのバスが運行している現在、利用者はバスを選ぶ選択肢に「安全の水準」を考慮する時代が訪れたのかもしれません。
安全なバスを選ぶか、より安全なバスを選ぶか…