おはようございます!早朝の東京駅です。今回の旅の目的地は弘前。普段なら時間を有効活用、もしくは費用を安くするために夜行便の「ノクターン」や「パンダ号」などを選択するところですが、仕事の都合で夜行便を選択出来ず、昼行で行く事になりました。どうせ昼行ならばと、東北新幹線が東京〜盛岡間の運行だった頃の「東京〜弘前ゴールデンルート」、東北新幹線+ヨーデル号で行きたいと思います。
乗車するのは6時28分発の「はやて11号」新青森駅行きの初電です。停車駅も少ない速達タイプなので盛岡駅までの所要時間はわずか2時間30分弱!
そんな訳でやってきました盛岡駅。ここでは24分の接続で「ヨーデル号」の初便に乗り換える事が出来ます。しかし、盛岡駅のバス時刻表(2012年9月撮影)を見て、改めて「ヨーデル号」の本数の激減ぶりに気が付きました。中央黄色で表示されている大館への「みちのく号」と比べて右側の「ヨーデル号」の本数の少ないこと…。私が乗車した2012年9月現在は初便が9時20分、最終が18時40分の8本体制で運行していますが、帰宅後に調べた1990年の時刻表では、当時は初便が7時40分で最終が20時40分の15本体制と、何と倍近くもありました。逆に考えれば、東北新幹線が新青森まで延伸されて東京〜弘前間の移動の主流が新青森経由に移った後でも8本残っている事の方が驚くべき事なのかもしれません。
今回は往復で「ヨーデル号」に乗車する予定なので往復券を購入。片道2930円が2600円になるので660円オトク。
私の乗車する「ヨーデル号」がバスのりばに到着しました。岩手県北自動車、岩手県交通、弘南バス、JRバス東北の4事業者で共同運行される「ヨーデル号」ですが、この便の担当はJRバス東北でした。
車内の様子。4列×11列仕様のエアロバスです。
9時20分、私を含め9人の乗客を乗せて定刻通りに発車しました。私以外の乗客の出発地がどこなのか、気になるところです。私と同じように東京や仙台から新幹線を乗り継いできたのか?もしくは出発地が盛岡なのか?
参考までに東京〜弘前間で片道価格を調べると、通常期の「はやて号」を利用して”東北新幹線+「ヨーデル号」ルートで16770円”、”東北新幹線+新青森経由の普通列車ルートで16690円”と、後者の新青森経由の方が若干安いものの、ほぼ互角になります。たとえ新青森〜弘前間を特急利用しても乗り継ぎ割引が適用されるので16940円。それほど大差はつきません。
そこで、盛岡〜弘前間のみで片道価格を調べると、”「ヨーデル号」2930円”、”東北新幹線+新青森経由の普通列車ルートで6090円”と、大きな価格差が付きました。しかも、乗り換える手間も必要ありません。単純に最短の所要時間では新青森経由に軍配が上がりますが、列車のない時間帯によってはバスの方が早い事もあります。この区間なら優位に立てる面も多そうです。
東北自動車道に入りました。進行方向左手には岩手山が見えます。残念ながら雲がかかっていてスッキリとした岩手山ではないけれど、高速で駆け抜けてしまうにはもったいない秋の景色です。
574キロポスト付近でJR東北バスのセレガRとすれ違い。あちらも「ヨーデル号」のようです。
安代ジャンクションで八戸自動車道と分岐すると、東北自動車道は左に大きく旋回します。高架の高い視点から見るこの景色は私のお気に入りの場所になりました。
秋田県に入り、花輪サービスエリアで5分の休憩です。
撮影後は缶コーヒーを買って席に戻ります。ずっと景色を見てマッタリしていたので5分間の休憩は良い気分転換になりました。
今回の乗車では、道路の補修工事を行っている箇所をよく見かけました。これから雪が降る冬に備え、補修工事をやりやすい時期にやっておこうという判断なのかもしれません。路面の補修を行った場所と、行っていない場所では、明らかに乗り心地に差があり、やはりバスの乗り心地を決めるのは第一に路面の状態なんだなぁ…と改めて感じました。
東北自動道で一番長い坂梨トンネルは秋田県と青森県の県境です。
トンネルを抜けて碇ヶ関を過ぎたあたりからリンゴ農園が増え、青森県に来たと実感しました。
その後、大鰐弘前インターを下り、一般道を走行して弘前駅へ向かいます。以前の乗車記にも書きましたが、弘前には最近流行りのインター付近パーク&ライド型の停留所がありません。地方都市発着夜行バスのパイオニア「ノクターン号」の運行や、ツアーバスに対抗する格安バス「パンダ号」の運行など、常に時代の先を読む弘南バスの戦略を考えると、とても意外な印象を持ちます。
岩手山は雲がかかっていましたが、岩木山は雲ひとつない状態で迎えてくれました。
バスは弘前駅で5人の乗客を降ろすと、数分後に終点の弘前バスターミナルに到着。盛岡駅から2時間15分間、東京駅から通算すると5時間17分の旅が終わりました。
先ほども書きましたが、東北新幹線の延伸により、東京〜弘前間の移動の主流は新青森経由に移りました。所要時間では新幹線にかないません。ならば「ヨーデル号」が価格面で優位に立てる盛岡〜弘前間の需要をもっと掘り起こせないだろうかと感じました。「ヨーデル号」を運行しているのは盛岡、弘前、共に地域の交通を担う弘南バス、岩手県交通、岩手県北自動車です。バスの車体広告や放送広告など、双方の観光地の魅力やグルメをアピールする事はできないでしょうか。また、駅やバスターミナルが終点ではなく、街の中心部や観光地に停留所を設ければ利用者の利便性も上がるのではないかと思いました。
※追伸:運賃、時刻等は私が乗車した2012年9月現在のデータです。「ヨーデル号」は2013年12月に運賃改定を行いました。現在の運賃とは異なります。また、2014年3月のダイヤ改正でJRバス東北が「ヨーデル号」の運行を休止、7往復体制になる事が決まっています。本数は減りますが、盛岡発の最終便の時刻が繰り下がるなど、利便性を考えたダイヤになるようです。
<撮影2012年9月>