Quantcast
Channel: バスターミナルなブログ
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2317

・長野市内〜東京都内を走る高速バス

$
0
0
突然ですがクイズです。2014年9月現在、長野県の長野市内と東京都内を結ぶ高速バスは、昼行と夜行を含めて毎日どれくらいの便数が運行されていると思いますか?

15往復くらい? 20往復?? それ以上???



・・・では、答えを書きます。

昼行便と夜行便を合わせ、長野市内〜東京都内を走行している高速バスの便数は、毎日30往復です。

実は最近、関越・上信越自動車道を車で走行していて、やたら長野行きの高速バスが走行している事に気が付き、帰宅後に時刻表やネットで便数を数えてみました。その結果、毎日30往復もの高速バスが運行されている事実がわかり、とても驚きました。この区間は新幹線も走っているのに、こんなにも高速バスの需要もあるのですね。

そこで今回は、近年高速バスの激戦区となった長野市内〜東京都内間の高速バスにスポットを当ててみたいと思います。

※データはすべて2014年9月現在。
※パーク&ライドの駐車場は事前予約が必要な場所もあります。
※2号車以降や運用の都合で、記載した以外のタイプの車両で運行する事もあります。



まずは、15往復を運行するアルピコ交通と京王電鉄バスです。

善光寺地区から長野駅を経由して新宿西口バスターミナルを結ぶ路線で、新宿発のみ夜行便の運行もあります。車両は1列-2列配置の3列プライムシート車(パウダールーム付きトイレ)をメインに、独立3列シート、ゆったり4列シートと、便によって多様な仕様で運行しています。中でもプライムシート車の「コンセント付独立席プラン」は、通常席と同じ価格で通路側にもカーテンがあり、周囲を気にせずくつろぐ事ができます。また、一部の車両を除いて「Wi2 300」の無線LANに対応しているのも特徴です。

長野バスターミナルや長野インター前には有料駐車場、上信越道屋代、千曲川さかきには無料駐車場があり、パーク&バスライドが出来ます。



続いて、6往復を運行する長電バスと西武バスです。

柳原から長野駅前を経由して池袋駅東口を結ぶ路線で、他の昼行路線が東京側のターミナルを新宿としているのに対し、この路線は池袋なのが特徴です。車両はゆったり4列タイプ(後方トイレ)で、中でも西武バスの関越仕様と呼ばれる4列×9列仕様の車両はシートピッチが広く快適です。(長電バスに乗車した事がないので長電バスにも関越仕様がいるのかわかりません)

権堂、長野駅前には有料駐車場、柳原、おぎのや長野店、上信越道屋代には無料駐車場があり、パーク&バスライドに対応しています。



次は、7往復を運行するWILLER EXPRESS北信越の「WILLER EXPRESS」です。

昼行便は長野駅東口とWILLERバスターミナル新宿西口(到着は主に新宿駅西口)を結び、夜行便は新宿地区の他にも川崎駅、東京ディズニーシーに発着する路線です。トイレの設置はありませんが、車両はゆったり4列タイプのリラックスモニター付や、リラックスNEWで運行しています。中でもリラックスモニター付の車両は、座席前のプライベートモニターで映画やゲーム、テレビ、音楽などを楽しみながら移動出来るのが特徴です。HPによると「Softbank WiFi」が使える車両もあるようです。

長野小島田には有料駐車場があり、パーク&バスライドに対応しています。



次は、1往復を運行するトラビスジャパンです。

トラビス須坂インターと新宿駅に近い新宿南を結ぶ路線で、朝に長野を発車し、夜に新宿を発車する長野側の利用者に重点を置いたダイヤです。車両はスタンダードなトイレ無し4列シートですが、その分、比較的運賃が安い傾向にあるようです。

長野駅には発着がありませんが、トラビス須坂インター、小島田昌栄バスバス停、トラビス長野インター、トラビス更埴インターに有料駐車場があり、パーク&バスライドに対応しています。



最後に、1往復を運行するアルピコ交通と成田空港交通です。

長野駅と東京ディズニーリゾート・成田空港を結ぶ夜行路線で、東京都内は京成上野駅と浅草雷門に発着します。車両は3列独立シート(トイレ付)で、アルピコ交通の車両は「Wi2 300」の無線LANに対応しています。

長野バスターミナル、長野インター前などに有料駐車場があり、パーク&バスライドが出来ます。



・・・と、言う訳で長野市内〜東京都内間を運行するバスをブランド別に全て紹介しました。これだけの便数が運行されていて、週末や繁忙期には2号車を運行する事もあるのですから、この区間のバス需要の大きさには驚くばかりです。

ところで、ここまで紹介した5ブランド全てに共通している事があります。それは、どの路線も有料や無料の駐車場を用意し、パーク&バスライドに対応している事です。この点は、同じようにバス同士の競争が激しい大都市〜大都市間を運行する高速バスとは違う点で、大都市〜地方都市間を競争する上で、パーク&バスライドの施設が戦略上、重要な役割を持っているのがわかります。

それから、もう一つ共通している事があります。それは、全ての路線で幅運賃制度による曜日別や、便別運賃を採用している事です。参考までに2014年9月のとある平日で、新宿・池袋〜長野間を昼行便で前日購入した場合の運賃を調べてみました。アルピコ交通&京王電鉄バスは3200円、長電バス&西武バスは2600円、WILLER EXPRESSは2500円、トラビスジャパンは2090円という数字が出ました。もちろん、この数字は調査した日の価格であって、毎日この価格で乗車出来るという意味ではありません。3200円だったアルピコ交通&京王電鉄バスは、もっと安い価格の設定もありますし、WILLER EXPRESSはキャンペーン価格が比較的出やすく最安値となる日もあります。トラビスジャパンだって10日前購入の早割があります。どのブランドも週末や繁忙期は高く、閑散期は安くなる傾向にあるようです。

さて、バスを選択する理由として、所要時間という選び方もあります。昼行便で一番所要時間が短いのはアルピコ交通&京王電鉄バス。これは途中休憩が1回のみだからと思われます。新宿〜長野駅間だけでもブランドによって40分以上差が付くケースもあるので、少しでも早く着きたい人は所要時間も要チェックです。(逆に外で息抜きや一服をしたい人は休憩が複数あった方がいいかもしれませんが)

あとは路線の運行本数も大事な要素です。予定が早く終わったので、予約している便より1便早く帰りたい。もしくは1便遅い便で帰りたい。こんな時、運行本数が多い路線だと行程を組む上で自由度が上がります。

バスを選ぶ理由は・・・価格? トイレの有無? 所要時間? 座席? 便数? その他? 選択肢は沢山ありますね。

今後の動きですが、長野県で貸切バス事業を営む昌栄高速運輸という事業者(OTBライナーや、さくら高速バスの受託もしています)が長野〜新宿間の高速バスに参入する意思を見せています。単独で運行するのか、どこかの事業者と組むのかわかりませんが(トラビスジャパンに小島田昌栄バスバス停という停留所があります)実現すれば、この区間の競争が更に激化する事になります。それから2015年3月14日に予定されている北陸新幹線金沢開業は、新幹線の輸送力増強と速達便の増加に繋がります。利便性の向上は高速バスに影響があるかもしれません。引き続き、長野市内での高速バス利用者の掘り起こし、更には東京側でも利用者の掘り起こしが必要になるものと思われます。

今や高速バスの激戦区は東京〜仙台間や、東京〜名古屋間、東京〜大阪間だけではありません。最近では名古屋〜大阪間も「名神高速バス」、「名古屋特急ニュースター号」、「JAMJAMライナー」、「WILLER EXPRESS」と、数年前では考えられない状況になりました。もしかしたら、まだ全国にもこのような需要が眠っているのかもしれません。


参考までに過去に乗車した長野市内〜都内間の乗車記です。
2012年7月 京王電鉄バス 新宿〜長野線プライムシングル(まだプライムシートがプラス1000円だった頃の記事です)
2011年11月 西武バス 池袋〜長野線(西武バスの関越仕様の座席が快適でした)

Viewing all articles
Browse latest Browse all 2317

Trending Articles