北海道十勝地方、中札内村にある十勝バスの中札内です。幸福駅、愛国駅で有名だった国鉄広尾線の廃止代替路線である十勝バス広尾線が乗り入れます。
中札内の停留所です。国道236号線上にあります。
この場所からは地元のタクシー事業者が運行する上札内行きの乗合タクシーも発着します。中札内~上札内間は、かつて路線バスが運行されていた区間ですが、バスの廃止に伴い乗合タクシーに変更されました。(※その後、タクシー事業者が廃業したことで2014年4月より大新東による乗合バスに再度変更となっています)
停留所の前にある待合所です。入ってみましょう。
中にはトイレと有人の窓口がありました。
私が訪れた時は無人でしたが、十勝バスの中札内案内所として乗車券類の購入をする事が出来ます。
ベンチ。
十勝バスといえば、目的提案型の営業力強化で40年ぶりの増収を果たした事業者です。その中の取り組みの一つ「日帰り路線バスパック」は温泉やグルメ、施設見学など、路線バスでお得に利用出来るパンフレットで、空港やバスターミナルに置かれ、観光客に好評です。中札内の案内所にも置いてありました。
2013年6月現在の時刻表です。どうやら、あと30分程するとバスが来るようです。時間を潰しましょう。
停留所から歩いてすぐの場所にある鉄道記念公園に来ました。ここは廃止になった国鉄広尾線(帯広駅~広尾駅間)の中札内駅跡地です。広尾線は国鉄再建法による第2次廃止対象路線に選定され、1987年2月に十勝バスへ転換されました。
6月の十勝はタンポポが咲く季節でした。四半世紀以上前、キハ22型気動車がトコトコ走行していたであろう駅構内で、のんびりとバスが到着するのを待ちました。
停留所に戻るとバスが到着したところでした。帯広駅発、広尾営業所前行きの十勝バス広尾線(国鉄広尾線廃止代替バス)です。
「南十勝夢街道」塗装の日野レインボー。「南十勝夢街道」とは十勝平野南部の国道226号線、国道336号線および周辺の県道や町道をエリアにしたブランドで、それぞれの地域が連携を深め、エリアの魅力を活用して地域経済の確立を目指しています。この塗装のバスは、十勝バス広尾線を中心に運用されているようです。
発車を待つ広尾営業所行き。中札内案内所の建物は、国鉄広尾線バス転換時の転換交付金で建てられたものではないかと思われます。かつて多くの国鉄赤字ローカル線が法律によって転換(廃止)されました。転換時には交付金が出され、バスの購入やターミナルの整備等に充てられています。
中札内は鉄道が無くなってしまった街ですが、バスは鉄道時代よりも多い便数で、住民や観光客の足となっています。
<撮影2013年6月>