新高速バス制度の開始によって、目にする機会が増えたのが高速バスの受委託制度です。乗合バス型委託と貸切バス型委託の2つの形態があり、毎日多くの路線で運行されています。
今回は、京王の新宿西口高速バスターミナルで見られる京王電鉄バスの高速バス受委託運行をまとめてみました。
その1 京王電鉄バスの自社運行
受委託運行を紹介する前に、まずは受委託をしていない通常の京王電鉄バスから紹介したいと思います。
京王電鉄バス 新宿~長野線
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」。車両が所属する高速バスセンターは東京都杉並区にあるので「練馬ナンバー」を付けています。正真正銘の純粋な京王電鉄バスです。
その2 京王電鉄バスの貸切バス型受委託運行
まずは、見分けが付きやすい貸切バス型の受委託運行から紹介します。
京王電鉄バス 新宿~松本線(受託者 アルピコ交通)
貸切バス型の受委託は、受託者の車両を使うので容易に判別する事が出来ます。また、車両には高速バス表示ガイドラインに基づいて乗降口付近に高速乗合バスである旨、委託者、受託者を表示する事になっています。(表示は車内に向けられているケースと車外に向けられているケースがあります。画像は後者)
京王電鉄バスは、新宿~松本線と新宿~長野線の2路線でアルピコ交通の貸切部門に委託を行っており、特に新宿から往復すると松本や長野で日付をまたぐ、いわゆる泊まり行路を中心に委託しているのが特徴です。
京王電鉄バス 新宿~松本線(受託者 西東京バス)
こちらもアルピコ交通と同様に、京王電鉄バスが西東京バスの貸切部門に委託を行っています。こちらは毎日受委託運行している前者と違い、土休日や繁忙期などの増車(2号車)として委託しているのが特徴です。普段は貸切車(主に学校の契約輸送)として使用されており、必要な時だけ京王電鉄バスから受託を受ける効率的な車両運用を行っています。
その3 京王電鉄バスの乗合バス型受委託運行
ここからは、乗合バス型の受委託運行の紹介です。
京王電鉄バス 新宿~伊那飯田線(受託者 京王バス東)
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」。一見すると、京王電鉄バスの自社運行ですが、ナンバーが「品川」になっている事に気が付きます。実は京王電鉄バスは、品川ナンバーの地域に営業所がありません。それなのに、品川ナンバーを付けている理由は、京王バス東の世田谷営業所に委託をしているからです。乗合バス型の受委託は、委託者の車両を使うので、ナンバーが判別のカギとなりました。
京王電鉄バス 新宿~伊那飯田線(受託者 京王バス東)
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」、そしてナンバーは「練馬」。これは間違いなく京王電鉄バスの自社運行・・・・ではありません。この車両も京王バス東に委託をしています。それなのに練馬ナンバーなのは、委託先が京王バス東の世田谷営業所ではなく、東京都杉並区にある永福町営業所だからです。このケースは判別するのが難しく、運転手さんの名札が「京王バス東」と書かれていた事からわかりました。
・・・最後に
乗合バス型の受委託は、その名のとおり、乗合バス事業者にしか委託をする事が出来ません。バス業界の受委託制度としては、この乗合バス型の方がポピュラーで、JRバス関東が東名ハイウェイバスを運行するJRバステックに「つくば号」を委託したり、都営バスが定期観光バスを運行する はとバスに一部路線を委託したり、JRバス関東と西日本JRバスが三ヶ日を境にお互いが委託しあってワンマン運行を実現しています。
新高速バス制度によって始まった貸切バス型の受委託は、貸切バス事業者にしか委託をする事が出来ません。京王電鉄バスの貸切バス型は、たまたま乗合バス事業者の貸切部門でしたが、○○観光バスのような貸切専門の事業者に委託する事も可能です。但し、貸切バス型は乗合バス型のように地域の一般路線は委託する事が出来ず、「高速バス」のみという条件が付きます。
曜日や季節によって需要の高低幅が大きいのが「高速バス」です。これから日本の高速バスが発展を続けて、利用者がもっと増えたならば、その高低幅ももっと大きくなるかもしれません。需要はあるのにもかかわらず、バスや乗務員さんが足りなくて、せっかく自社バスを選んでくれた乗客を断らなければならないケースでも、貸切バス型の受委託なら更にバスを増やす事が可能です(ターミナルの容量という問題はありますが・・・)。
ただ、利用者側の立場からすると、上記で紹介した全てのケースは「京王電鉄バス」として発売されており、”京王のバスを予約したのにアルピコのバスがやって来た”・・・という事態も起こりえます。
受委託という制度を生かしつつ、自然な形でブランド(塗装だけではなく、運行管理面なども)を維持していくというのは、この制度の課題の一つでしょうか。そういった事もあるのか、京王電鉄バスは、グループ会社や共同運行事業者に委託をしていました。
今回は、京王の新宿西口高速バスターミナルで見られる京王電鉄バスの高速バス受委託運行をまとめてみました。
その1 京王電鉄バスの自社運行
受委託運行を紹介する前に、まずは受委託をしていない通常の京王電鉄バスから紹介したいと思います。
京王電鉄バス 新宿~長野線
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」。車両が所属する高速バスセンターは東京都杉並区にあるので「練馬ナンバー」を付けています。正真正銘の純粋な京王電鉄バスです。
その2 京王電鉄バスの貸切バス型受委託運行
まずは、見分けが付きやすい貸切バス型の受委託運行から紹介します。
京王電鉄バス 新宿~松本線(受託者 アルピコ交通)
貸切バス型の受委託は、受託者の車両を使うので容易に判別する事が出来ます。また、車両には高速バス表示ガイドラインに基づいて乗降口付近に高速乗合バスである旨、委託者、受託者を表示する事になっています。(表示は車内に向けられているケースと車外に向けられているケースがあります。画像は後者)
京王電鉄バスは、新宿~松本線と新宿~長野線の2路線でアルピコ交通の貸切部門に委託を行っており、特に新宿から往復すると松本や長野で日付をまたぐ、いわゆる泊まり行路を中心に委託しているのが特徴です。
京王電鉄バス 新宿~松本線(受託者 西東京バス)
こちらもアルピコ交通と同様に、京王電鉄バスが西東京バスの貸切部門に委託を行っています。こちらは毎日受委託運行している前者と違い、土休日や繁忙期などの増車(2号車)として委託しているのが特徴です。普段は貸切車(主に学校の契約輸送)として使用されており、必要な時だけ京王電鉄バスから受託を受ける効率的な車両運用を行っています。
その3 京王電鉄バスの乗合バス型受委託運行
ここからは、乗合バス型の受委託運行の紹介です。
京王電鉄バス 新宿~伊那飯田線(受託者 京王バス東)
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」。一見すると、京王電鉄バスの自社運行ですが、ナンバーが「品川」になっている事に気が付きます。実は京王電鉄バスは、品川ナンバーの地域に営業所がありません。それなのに、品川ナンバーを付けている理由は、京王バス東の世田谷営業所に委託をしているからです。乗合バス型の受委託は、委託者の車両を使うので、ナンバーが判別のカギとなりました。
京王電鉄バス 新宿~伊那飯田線(受託者 京王バス東)
バスに書かれた事業者名は「京王電鉄バス」、そしてナンバーは「練馬」。これは間違いなく京王電鉄バスの自社運行・・・・ではありません。この車両も京王バス東に委託をしています。それなのに練馬ナンバーなのは、委託先が京王バス東の世田谷営業所ではなく、東京都杉並区にある永福町営業所だからです。このケースは判別するのが難しく、運転手さんの名札が「京王バス東」と書かれていた事からわかりました。
・・・最後に
乗合バス型の受委託は、その名のとおり、乗合バス事業者にしか委託をする事が出来ません。バス業界の受委託制度としては、この乗合バス型の方がポピュラーで、JRバス関東が東名ハイウェイバスを運行するJRバステックに「つくば号」を委託したり、都営バスが定期観光バスを運行する はとバスに一部路線を委託したり、JRバス関東と西日本JRバスが三ヶ日を境にお互いが委託しあってワンマン運行を実現しています。
新高速バス制度によって始まった貸切バス型の受委託は、貸切バス事業者にしか委託をする事が出来ません。京王電鉄バスの貸切バス型は、たまたま乗合バス事業者の貸切部門でしたが、○○観光バスのような貸切専門の事業者に委託する事も可能です。但し、貸切バス型は乗合バス型のように地域の一般路線は委託する事が出来ず、「高速バス」のみという条件が付きます。
曜日や季節によって需要の高低幅が大きいのが「高速バス」です。これから日本の高速バスが発展を続けて、利用者がもっと増えたならば、その高低幅ももっと大きくなるかもしれません。需要はあるのにもかかわらず、バスや乗務員さんが足りなくて、せっかく自社バスを選んでくれた乗客を断らなければならないケースでも、貸切バス型の受委託なら更にバスを増やす事が可能です(ターミナルの容量という問題はありますが・・・)。
ただ、利用者側の立場からすると、上記で紹介した全てのケースは「京王電鉄バス」として発売されており、”京王のバスを予約したのにアルピコのバスがやって来た”・・・という事態も起こりえます。
受委託という制度を生かしつつ、自然な形でブランド(塗装だけではなく、運行管理面なども)を維持していくというのは、この制度の課題の一つでしょうか。そういった事もあるのか、京王電鉄バスは、グループ会社や共同運行事業者に委託をしていました。