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新常磐交通 いわき号

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新常磐交通 「いわき号」
東京駅八重洲南口20時30分発

2015年2月、「いわき号」の乗車記です。



2月のある日曜日の夜。私は高速バスに乗車するために東京駅へと向かいました。目的地はいわき。バスの予約はしていません。ネットで検索すると、日曜日だけに当然のように満席表示が並びました。指定席はもう無理。そこで、2014年10月から始まった、「いわき号」下り便の自由席に期待を寄せます。

もしも、自由席に長い列が出来ていたら、上野駅からJR常磐線の「スーパーひたち号」にする予定。不安感からか、早歩きで高速バスのりばに到着すると、長い行列が見えました。これはダメか?!・・・いや、この行列は「みと号」(全席自由席)のもの。「いわき号」はどうだろう???

良かった。まだ数人しか並んでいません。念のために係員さんに自由席の席数を伺うと、20席あるとの事。安心して窓口へ向かい、時刻の入っていない自由席券を購入して行列の最後尾に並びました。



バスがのりばに据え付けられ、ドアが開きます。まず乗車するのは指定席の乗客から。続いて、自由席の順番が訪れました。



ここでアップするのは東京駅で頂いた「いわき号」下りの乗車方法のチラシ。

私が乗車した2015年2月現在、「いわき号」は下り便のみ、指定席と自由席の2タイプの座席があります。これは、全席指定制だった時代に”当日の行動予定が変わっても乗車出来るように”と、一部で複数便の予約を行う利用者が見受けられた事に対する対応からでした。

そこで2014年10月から、予約後の購入期限を短くすると共に、予定変更の融通が利きやすい自由席の制度を導入しました。(※深夜便の「ミッドナイトいわき号」は全席指定制のまま)

全員の乗車が完了。ここで車内の乗客数を数えてみました。指定席は予告通り満席で20人。自由席は13人。合計で33人という結果です。自由席は空席が目立ち、2人連れ以外は隣に人がいない状態。私の隣も空席でした。

結果だけで書けば、この日のこの便は、自由席の方がゆったりと座る事が出来ました。しかし、これは運次第であって、自由席でも混雑する場合もあるし、それどころか満席で乗車出来ない可能性も十分にありえます。「乗車出来るか」「出来ないか」のドキドキは、正直、味わいたいものではありません。それに高速バスネットでのネット決済を利用すると、指定席の方が割引制度で安くなります。



↑終点到着後に撮影した車内の様子

座席予約の話が出てきたので、関連して書きますが、「いわき号」は下り便と上り便で予約制度が違う珍しい路線です。下り便は「高速バスネット」による指定席・自由席混合制度。上り便は「新常磐交通の窓口&電話予約」による指定席制度を採用しています。なんと、ネット購入が可能なのは下り便だけ(※後述で補足)なのです。どのような歴史背景があるのかわかりませんが、なんとも不思議な予約制度の違いです。

※補足:2015年12月から上り便でもネット購入が可能になりました。但し、「発車オーライネット」での扱いなので、下り便は「高速バスネット」、上り便は「発車オーライネット」という珍しい形態は続いています。また、2016年4月からは、再び全便座席指定制の導入と、往復同時購入が可能となる予定です。



さて、東京駅八重洲南口を発車してから約1時間15分が経過し、友部サービスエリアで唯一の休憩です。日曜夜のサービスエリアは閑散としていました。



再び高速に戻ったバスは順調に走行。いわきが近くなると降車停留所が増え始めます。私が乗車した便では、いわき勿来インターや、いわき湯本インターといったバスストップで10人や8人といった大量降車が見られました。これらはパーク&ライドに対応しているバスストップであり、やはり地方都市では駐車場の設置が高速バス利用促進の鍵なのだと、改めて感じます。



23時33分、終点のいわき駅に到着。東京駅八重洲南口から3時間3分の旅でした。ちなみに鉄道の「スーパーひたち号」は上野~いわき駅間を2時間21分(※下り最終列車)で走行するので、その差は42分。韋駄天の「スーパーひたち号」が相手なので、もっと大差がつくかと思いましたが、意外にも高速バス「いわき号」も健闘しています。価格は「スーパーひたち号」より3000円弱も安いので、コストパフォーマンスも良いのではないでしょうか。

最後に余談ですが、今晩の宿は いわき駅近くのビジネスホテルを押さえました。ネットで検索すると、日曜日の当日予約でシングルは6000円代が主流。しかし、同じ日に同じ条件で水戸や日立を検索すると、画面には3000円代のホテルがどんどん表示されます。価格から判断して、いわきの宿泊需要は高いと言えると思います。震災復興の前線都市という立地は、価格からも伺い知る事が出来ました。

<撮影2015年2月>


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