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天北線 その1

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天北線 宗谷バス
稚内駅前ターミナル 19時30分発

かつて北海道の音威子府駅〜南稚内駅間にはJR天北線という長大ローカル線がありました。国鉄再建法による第2次特定地方交通線に選定され、JR北海道に移行された後の1989年4月30日を最後に廃止されています。これから、その代替バスである宗谷バス天北線に乗車して稚内から音威子府への旅をしたいと思います。



稚内市内の回転寿しで夕食をすませ、稚内駅前ターミナルに向かいました。これから乗車するのは19時30分発の天北線、鬼志別ターミナル行き最終便です。車両は真新しい日野自動車のレインボー2ワンステップでした。



稚内、南稚内の街の中で2〜3人の乗り降りがありましたが、街を抜けると車内に残ったのは私を入れて4人になりました。こんな時間なので車窓は望めません。出来れば日中の天北線に乗車したかったのですが、行程の関係で鬼志別で宿泊するしか手がなく、この時間の乗車となりました。

声問橋で1人、続いて声問で1人と降車が続きます。稚内空港入口からフリー乗降区間が始まり、20時09分に大規模草地入口で1人降車すると車内は私だけになりました。ここから終点の鬼志別ターミナルまでの約40分間は暗闇に響くエンジン音と時折流れる車内放送、前方を照らすハイビームだけの世界…。今、走っているのは山の中だろうか。対向車もほとんど通りません。東京で暮らしていると、夜の20時過ぎなんて、まだまだ人の活動する時刻ですが、こちらでは夜遊びのような悪い事をしているような気持ちになりました。

曲渕で稚内市と別れを告げ、小石から猿払村に入ります。実はこの時(2011年3月)は何も思うものはなく通過してしまったのですが、同年10月から天北線の曲渕〜鬼志別間が廃止され(小石〜鬼志別ターミナル間は村営バスが引き継ぐ)、天北宗谷岬線と名前を変えて海沿いのルートに経路変更しています。それまでは廃止になったJR天北線の代替という使命の元、22年間鉄道と同じルートで運行してきましたが、少しでも集客の見込めるルートに経路変更したのです。後日経路変更を知って「昼間乗車しておけば良かった…」と後悔したのでした。



稚内駅前ターミナルを発車してから約1時間半、20時58分に終点の鬼志別ターミナルに到着しました。

今晩の宿はターミナルから徒歩すぐの旅館。普段はビジネスホテルばかり利用している私ですが、たまには旅館もいいですよね♪鬼志別ターミナルはJR天北線の鬼志別駅跡に設けられました。昔は駅前旅館だったんだろうな。


鬼志別ターミナル 6時25分発



…おはようございます。朝6時前、旅館を出て鬼志別ターミナルに到着しました。朝の通学輸送に備え、鬼志別ターミナルに停泊していた車両達が暖気運転を行っています。音威子府行の行き先を出している車は昨夜のレインボー2。あらら、違う車に乗りたいと思っていたのに残念〜。後方には浜頓別高校行、稚内駅前ターミナル行の行き先を出して三菱ふそうのエアロスターが停車しています。



まだ太陽は上がっていませんが、撮影をしていて徐々に明るくなっていくのがファインダー内のシャッター速度(露出優先で撮影していたので)を見ていてわかりました。準備を終えて、鬼志別ターミナルの入口に停車した音威子府行き。このバスで天北線の残りの区間を走破します。



6時25分、例によって私1人の乗客を乗せてバスは発車しました。ぐんぐんと登っていく太陽。今日も良い天候でありますように。



浜鬼志別を出ると、オホーツク海沿いを走ります。



戦時中には滑走路があったという飛行場前を通過すると、直後に浜頓別高校発の稚内駅前ターミナル行きとすれ違いました。



つい最近まで観光型車両で運行されていた天北線ですが、2010年より一般路線型車両に順次更新されています。省令やバリアフリーを求める動きである事は理解していますが、天北線は稚内〜音威子府間で約4時間の路線なので、私のような旅行者から見ると観光型車両の方が落ち着けます。でも、2ステップを頑張って昇降するご高齢の方を昨日他路線で見かけて、何とかしてあげたいなと思ったのも事実。自分自身でハッキリとした答えの出ない現状ですが、車両の技術的発展に期待したいです。

浜頓別の街が近づいてきました。猿払村から浜頓別町に入ります。

その2へ続く

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