WILLER CORPORATION株式会社が、株式会社umari capitalと協働して開発した「レストランバス」に試乗させて頂く機会がありました。その様子をレポートしたいと思います。
こちらが「レストランバス」。
これまで、都市間高速バスで運用していた2階建てバス、三菱ふそうエアロキングの1台を改造しました。1階はキッチン、2階が客室で、7卓のテーブルに25席の座席が設けられています。
1階のキッチンは窓をクリアにしており、外から調理風景を楽しむ演出も可能です。(バスの車内に鍋やヘラが吊られる光景は新鮮でした)
キッチン室には、オーブントースター、オーブンレンジ、電子レンジ、炊飯ジャー、魔法瓶、コーヒーマシン、冷凍冷蔵庫、給湯器、IHヒーターなどの機器を搭載。また、トランクルームだった場所には、カミンズ・オナン製の車載用発電機を搭載して、調理機器への安定した電力供給を行っています。
2階に上がり客室です。
対面式の座席配置で、テーブルには、飲料を入れたコップやボトル類を固定するための穴があります。(細く湾曲した穴は、ワイングラスに対応)
また、各テーブルにはコンセント、スピーカー、空調の吹き出し口があります。
座席は、背あて固定型で、2点式シートベルトを装着。4G対応型で高速道路も可能だそうです。
今回、試食させて頂いた料理は・・・
【食前酒】新潟市 今代司酒造「もと」 ※ノンアルコール
【前菜】 焼き野菜のマリネ ~新潟にある畑の風景~
焼き野菜のマリネは、新潟県・大越農園の無農薬露地栽培の焼き野菜を、魚のすり身と合わせ、芽キャベツで包み込みました。また、黒米のリゾットは、ドライ越後味噌がマッチして、豊かな味わいが楽しめます。美味しい♪
いよいよ、出発!!
【お茶】 村上市 富士美園「雪国緑茶」
「レストランバス」は、新潟県からスタート。
コンセプトは、「オープントップバスならではの絶景を楽しみながら、その土地の生産者や料理人と交流をして旬な食材を楽しむ」であり、そこには、「レストランバス」を通じて、食を楽しむ旅行者と、食を提供する地方の方々の、双方を元気にする、『地方創生』を目指す考えが存在します。
農園で収穫体験をして、その収穫した食材を車内で食べる・・・そんなコースが企画されているそうです。
さて、「レストランバス」の特徴は、この天井です。開閉式のポリカーボネート素材の屋根が設置され、景色や開放感を楽しんでもらえるよう設計されています。また、日差しの強い場合などは、ロールスクリーンで遮る事も出来ます。この、オープンルーフの安全性には気を使ったようで、フックと補助チェーンで二重の固定をしています。
(安全性の話が出たので関連して書きますが、車両に大きく改造をしたので、最大安定傾斜角度や車両総重量などの試験を再度行い、全てクリアしたそうです。)
サイドの眺望はこんな感じ。
頭上に東京タワーが見えてきました。「頭上に」というのがポイントで、本当に頭上なんです。
東京タワーが今回の折り返し地点。ここで開閉式の屋根が開かれ、オープントップの状態になりました。
東京タワーの展望台から見たら、オープントップのバスで食事している光景は、どのように映るのでしょう。
【スープ】 山菜と干し野菜のスープ ~春の芽吹き、潟の散策~
帰りはスープを頂きました。
実際にツアーが始まったら、スマホやデジカメで料理や景色を撮影して、SNSに投稿する人がたくさんいると思います。非日常の「レストランバス」の体験を、どのように画像で表現するか。
私だったら・・・
こんな構図はどうでしょう(^^)
仲間同士で、空に向かって乾杯しても面白いかもしれません。
・・・素直に楽しいと感じた「レストランバス」の試乗会でした。
最後に、今後のターゲットとして、近年増加しているインバウンドの旅行者があげられています。訪日旅行の動機として、上位にあがるのが「日本食を食べる」こと。自ら収穫して、その食材を、動くバスの車内で食べる。きっと、素敵な思い出になると思います。
SNSで共有された画像を見て、「私も日本に行きたい!」「同じような体験をしたい!!」と、感じてもらえたならば、「レストランバス」は、観光立国を目指す日本の魅力を、より引き出してくれるコンテンツの一つ。新しい「おもてなし」のカタチでした。