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出合

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埼玉県秩父市、中津川にある「出合」です。奥秩父の山中にある停留所で、西武観光バスの中津川線が発着します。



停留所を紹介する前に、まず、出合がどこにあるのかを説明します。

秩父鉄道の終点、三峰口駅。ここがバスの起点です。



三峰口駅から車を走らせること約30分。ループ橋が見えてきました。



ループ橋を走る中津川線。後ろに見えるのが、2008年に竣工した滝沢ダムです。



滝沢ダムを構成する人造湖「奥秩父もみじ湖」。

ダム工事に伴い、道路は高台に振り替えられ、幅広で走りやすい新道が完成。かつての旧道はダムの湖底に沈みました。



上流へ進むと、現在の道路から、旧道(左下)を眼下に望む事ができます。



ダム工事が始まる前の地形図※を調べると、中津峡に沿って細く長い道が続いているのが確認できました。今も当時の落石防護ネットが旧道の名残を示しています。

※「50000分の1三峰(平成元年発行)」より



中津川線は、道路事情が悪かった事から、かつて車体の上部を狭めた三角バスを運行していた事で有名です。中型バスが走れるようになっても、狭隘区間が長い割合を占めていました。



出合に到着。ここで道路は二手に分かれます。



停留所周辺には人家や施設は見当たりません。この場所に停留所が存在する理由を考えたならば、道路の分岐点という理由が一番しっくりきます。「出合」という名の由来は、道と道が出合うという意味なのでしょうか。



2016年2月現在の時刻表。毎日4往復のバスが発着しています。(土休日のみ1往復が西武秩父駅まで延長)



走りやすかった対面通行の道路はここまで。この先は、すれ違いが困難になります。トラックなどの大型自動車は、時間帯により路線バスの通過を待つよう指示がありました。



しばらくして、中津川を発車した三峰口駅行きが近づいてきました。



道路事情の悪かった中津川線ですが、道路の改良や、新道への振り替えにより、現在の狭隘区間は、出合~中津川間の約2kmのみです。



乗車も降車もなく、バスは徐行しながら通過。



バスに乗客の姿はありませんでした。



ちなみに、出合を右折すると、このような光景になります。入口はコンクリートでガードされていますが、トンネルは素掘り。



トンネルをくぐり、約4km進むと、日窒鉱山にたどり着きます。現在は廃止されてしまいましたが、路線バスを運行していた時代もありました。道路に迫り出した岩肌を見ていると、特殊形状の三角バスが必要だったのがわかるような気がします。



埼玉県の山奥には、こんな秘境の地がありました。



<撮影2016年2月>

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