2016年6月の伊予鉄道リムジンバス乗車記です。
『待ち人 来たらず』
今、おみくじを引いたならば、神様は間違いなくこの文字を出すでしょう。
そんな思いで道後温泉(愛媛県)のバスターミナルにたたずんでいました。待ち人とは、もちろんバス。私が狙っているのは、日野のブルーリボン観光型(RU60/63系)です。全国各地で見る事が出来たRU60/63系のブルーリボンも、気が付いた時には台数を減らし、貴重なバスになりました。
伊予鉄道なら、まだ乗れるはず。そう期待して夜行バスで愛媛へ向かうも「リムジンに入るのは予備を含めて数台しか残ってないのでは?」という知人の情報に困惑。覚悟を決めて松山に到着しました。最初は松山駅で空港リムジンを狙うも結果は撃沈。そこで路面電車で道後温泉へと向かいました。ところが、道後温泉駅まで残り数停留所のところで、青色のリムジンカラーをした松山空港行きのRU637とすれ違うではありませんか。
「(うーん、ここですれ違うか…)」
意気消沈しながら道後温泉駅に到着。それでも30分ほど張っていると、念願のRU637が姿を現しました。しかも伊予鉄の旧高速/観光カラーです。
「(よしっ!)」
しかし、これはぬか喜びに終わります。松山観光港からの乗客を降ろすと、バスの行先表示は、無情にも「回送」に変更。
そして入庫へ(涙)
「(・・・そういえば、「予備を含めて数台」って言ってなかったっけ(^^;))」
2台のRU637を逃してしまいました。運の悪さを嘆くばかり。こうなりゃヤケです。とことん付き合いましょう。そのうち、さっきの青色リムジンが戻ってくるでしょうから。
という訳で、時間をつぶすために道後温泉本館へ。
入浴してお茶とお菓子を楽しんだり、、、
ポカポカ気分で街を散策したりと、完全に観光モード。
しかし、バスターミナルに戻ると、この現実。
やって来るのは、青色やオレンジ色のセレガ、セレガRばかり。
「(まいったな・・・)」
実は、ブルーリボンの観光型に乗りたい理由には、伏線がありました。
5年前の2011年に、一ノ関駅で岩手急行バスのブルーリボンに乗り損ねているのです。列車で駅に着いたのが、バス発車の数分前だったこともあり、慌ただしさからバスを1台見送ってしまいました。(そもそも、間に合わない可能性を考慮して1つ後の便に乗車するつもりでした)
「(ブルーリボンの高速バスなら、そのうちまた乗れるだろう)」
この考えが甘かった。当時もそれなりに貴重なバスだったのに、逃してしまったのです。
あれから、5年経過していますが、ブルーリボンの観光型には当たっていません。この後悔を、今までずっと引きずっていました。
そして、待つこと約2時間。やっと来てくれました。
先程、回送入庫したRU637が、再び出庫してきたのです。
伊予鉄道 松山観光港リムジンバス
道後温泉駅前 13時26分発
『待ち人 来たる』
旧タイプの日野ウイングマークが輝いていました。
念願の車内へ。
道後温泉駅前での乗客は私一人。ドアが閉まり、発車しました。
1Aの座席に座ると、空調用のサブエンジンが始動を始め、ブルブルと震えるような振動が継続して伝わってきました。新しいバスでは味わえない醍醐味です。
繁華街の大街道から乗客が増え始め、JR松山駅前まで来ると、そこそこ座席が埋まりました。
JR松山駅前を発車すると、松山観光港までノンストップ。郊外の道を淡々と走ります。
目的地の松山観光港に接近。2004年に開通した高浜トンネルへ入りました。
こう配もあるのでしょうか。歴史を刻んだRU637とは不釣り合いな、真新しいトンネルを一生懸命に走る姿が印象に残りました。
道後温泉駅前から約40分で終点の松山観光港に到着。
ブルーリボン観光型に乗車という5年越しの願いが叶いました。
最後に、終点で撮らせて頂いたドア横の「銘板」です。
製造年は昭和63年(1988年)と刻印されていました。なんと昭和生まれの28年選手です。
伊予鉄道もバスの代替が進み、今回のようにRU637に乗車するためには、網を張る必要や、運も必要になりますが、それだけの価値がある車両だと思います。乗りたいバスに乗れる事は、バスファンにとってこの上ない幸せ。諦めずに待って良かったです。
<撮影2016年6月>
『待ち人 来たらず』
今、おみくじを引いたならば、神様は間違いなくこの文字を出すでしょう。
そんな思いで道後温泉(愛媛県)のバスターミナルにたたずんでいました。待ち人とは、もちろんバス。私が狙っているのは、日野のブルーリボン観光型(RU60/63系)です。全国各地で見る事が出来たRU60/63系のブルーリボンも、気が付いた時には台数を減らし、貴重なバスになりました。
伊予鉄道なら、まだ乗れるはず。そう期待して夜行バスで愛媛へ向かうも「リムジンに入るのは予備を含めて数台しか残ってないのでは?」という知人の情報に困惑。覚悟を決めて松山に到着しました。最初は松山駅で空港リムジンを狙うも結果は撃沈。そこで路面電車で道後温泉へと向かいました。ところが、道後温泉駅まで残り数停留所のところで、青色のリムジンカラーをした松山空港行きのRU637とすれ違うではありませんか。
「(うーん、ここですれ違うか…)」
意気消沈しながら道後温泉駅に到着。それでも30分ほど張っていると、念願のRU637が姿を現しました。しかも伊予鉄の旧高速/観光カラーです。
「(よしっ!)」
しかし、これはぬか喜びに終わります。松山観光港からの乗客を降ろすと、バスの行先表示は、無情にも「回送」に変更。
そして入庫へ(涙)
「(・・・そういえば、「予備を含めて数台」って言ってなかったっけ(^^;))」
2台のRU637を逃してしまいました。運の悪さを嘆くばかり。こうなりゃヤケです。とことん付き合いましょう。そのうち、さっきの青色リムジンが戻ってくるでしょうから。
という訳で、時間をつぶすために道後温泉本館へ。
入浴してお茶とお菓子を楽しんだり、、、
ポカポカ気分で街を散策したりと、完全に観光モード。
しかし、バスターミナルに戻ると、この現実。
やって来るのは、青色やオレンジ色のセレガ、セレガRばかり。
「(まいったな・・・)」
実は、ブルーリボンの観光型に乗りたい理由には、伏線がありました。
5年前の2011年に、一ノ関駅で岩手急行バスのブルーリボンに乗り損ねているのです。列車で駅に着いたのが、バス発車の数分前だったこともあり、慌ただしさからバスを1台見送ってしまいました。(そもそも、間に合わない可能性を考慮して1つ後の便に乗車するつもりでした)
「(ブルーリボンの高速バスなら、そのうちまた乗れるだろう)」
この考えが甘かった。当時もそれなりに貴重なバスだったのに、逃してしまったのです。
あれから、5年経過していますが、ブルーリボンの観光型には当たっていません。この後悔を、今までずっと引きずっていました。
そして、待つこと約2時間。やっと来てくれました。
先程、回送入庫したRU637が、再び出庫してきたのです。
伊予鉄道 松山観光港リムジンバス
道後温泉駅前 13時26分発
『待ち人 来たる』
旧タイプの日野ウイングマークが輝いていました。
念願の車内へ。
道後温泉駅前での乗客は私一人。ドアが閉まり、発車しました。
1Aの座席に座ると、空調用のサブエンジンが始動を始め、ブルブルと震えるような振動が継続して伝わってきました。新しいバスでは味わえない醍醐味です。
繁華街の大街道から乗客が増え始め、JR松山駅前まで来ると、そこそこ座席が埋まりました。
JR松山駅前を発車すると、松山観光港までノンストップ。郊外の道を淡々と走ります。
目的地の松山観光港に接近。2004年に開通した高浜トンネルへ入りました。
こう配もあるのでしょうか。歴史を刻んだRU637とは不釣り合いな、真新しいトンネルを一生懸命に走る姿が印象に残りました。
道後温泉駅前から約40分で終点の松山観光港に到着。
ブルーリボン観光型に乗車という5年越しの願いが叶いました。
最後に、終点で撮らせて頂いたドア横の「銘板」です。
製造年は昭和63年(1988年)と刻印されていました。なんと昭和生まれの28年選手です。
伊予鉄道もバスの代替が進み、今回のようにRU637に乗車するためには、網を張る必要や、運も必要になりますが、それだけの価値がある車両だと思います。乗りたいバスに乗れる事は、バスファンにとってこの上ない幸せ。諦めずに待って良かったです。
<撮影2016年6月>