宮城県気仙沼市南町にあるミヤコーバスの気仙沼案内所です。気仙沼の古くからの繁華街、南町にあるバスターミナルですが、近年はバスターミナルの窓口営業が廃止になるなど中心市街地の賑わいも昔ほどではなくなりました。2011年3月11日に発生した東日本大震災による津波で、気仙沼案内所は被害を受けつつも建物は残りましたが、2012年4月に建物は解体、現在は建物の基礎しか残っていません。かつては画像の右側にテナントと待合所、左側にバスの発着所がありました。
震災後、この場所に路線バスの停留所はありませんが、回送のバスが時間調整を行うために停車する事があります。恐らく南気仙沼駅付近にあったミヤコーバスの気仙沼営業所が被災し、離れた場所に移転してしまったための措置だと思われます。
2012年4月の気仙沼は、津波に耐えた建物の解体作業が進んでいる最中でした。地元の方のお話によると、単純に津波に耐えたからまだ使えるという事ではないそうで(もちろんそのまま使える建物もあると思います)、残った建物が消えていくのは復興に向けて前進している証拠であると同時に、とても寂しいとおっしゃっていました。
気仙沼案内所を後ろから見ました。バスはこちらから入り、前の道路に出ていく一方通行です。
この画像は気仙沼案内所付近の道路です。道路が土砂でかさ上げされているのがわかりますでしょうか。気仙沼だけではありませんが、震災で地盤沈下が起こり冠水の可能性があるための措置なのだそうです。そのために現在も建物の建築に制限がある地域があり、それが復興への足かせとなっています。新しい建築物を造る許可が下りないのです。
バスの右奥に見えるのは復興屋台村「気仙沼横町」。夜は灯りの少ない南町ですが、数少ない灯りは人々が集まり、気仙沼を支えている証拠です。
<撮影2012年4月>