その1からの続き
階段を上ると、いよいよトロリーバスとご対面。
黒部ダム駅行きの乗車ホームです。
乗車ホームは10番線まであります。
1番線はカーブを曲がった先にありました。
赤色に灯る出発信号機の姿も見えます。トロリーバスは乗合バスではなく、無軌条電車と位置づけられ、鉄道(軌道)の法律で運行しています。
黒部ダム行き、まもなく発車です。
扇沢駅を発車したトロリーバス。
発車後は、いきなり90パーミル級のこう配を登っていきます。
黒部ダム駅までは6.1km。約16分の道のりです。
こちらは山を下ってきたトロリーバスが到着する降車ホーム。
乗車ホームと同様に、長い有効長を持ちます。
平成6年に発行された「日本のトロリーバス」(吉川文夫:電気車研究会)によると、昔は最大12両の車両郡で運行が可能だったそうです。但し、行き違いを行わないので運転間隔が開いてしまう問題があり、平成元年から8両と7両の車両郡で、トンネル内で行き違いをする方式にしました。
降車ホームの横には、車庫があります。
車庫には架線が引かれていませんが、トロリーポール(パンタグラフに相当)を下しても、ある程度はバッテリーで走行出来るので問題はないそうです。
屋根付きの車庫には、営業についていないトロリーバスが休んでいました。(屋根付き車庫の中には充電用の架線が引かれているようです)
降車を終えたバスはぐるりと転回して・・・
乗車ホームへと戻ります。
「関電トンネルトロリーバス」が廃止になると、明るい場所でトロリーバスの設備が見られなくなるので、車両の細部も撮影してきました。
トロリーポールはプラスとマイナスの2本が設置されています。電車だとマイナス側はレールを通じて変電所に帰りますが、トロリーバスではレールがなく、ゴムタイヤを履いているので、このように架線設備が2本の形態になります。先端が回転するU字型のスライダーで、架線に追従しながら集電を行います。
トロリーポールの先端から紐で繋がっている円盤のようなものは「トロリーレトリバー」といい、上昇方向に力の働くトロリーポールを引っ張る役目をします。万が一にもトロリーポールが架線から外れて急上昇すると、それを感知したレトリバーがトロリーポールを降下させ、短絡事故を防ぐ仕組みです。
ドアの下に付いている鉄球は、ドアが開くと地面に接地してアースの役目を担います。
車庫内にはトロリーバスに代わり、2019年から運行を開始する電気バス(EVバス)が駐車していました。
電気バスとして使用するために、日野ブルーリボンからエンジンを外し、モーターとバッテリーを付ける改造を行いました。技術の進歩によって、電池の性能向上や充電器の高速化が行われ、実用的にバッテリーだけで本線を走行できるようになりました。
1往復ごとに扇沢駅でパンタグラフを上昇させ、約10分間の超急速充電を行い、営業運行する予定です。
電気バスのボディは白色になりましたが、4本の黒帯が入るデザインはトロリーバスから引き継がれました。
どうして黒帯が4本なのかは、、、、わかりますか。
く・ろ・よ・ん
既に、地上側設備の工事が行われていました。
乗車ホームに設けられたパンタグラフ式充電装置。パンタグラフを白色の充電器に接触させて停車中に充電します。
充電器のアップ。
位置合わせに苦労しそうな気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか。海外においては、既にマレーシアで実証事業が行われているそうです。
役目を終えたトロリーバスと、それを引き継ぐ電気バスの並び。
2018年11月30日を最後に「関電トンネルトロリーバス」は廃止となりました。
1964年(昭和34年)からトンネルを走り続けて54年間。これまでお疲れ様でした。今回の廃止により、日本のトロリーバスは「立山黒部アルペンルート」の「立山トンネルトロリーバス」のみとなります。
電気バスが運行を開始するのは、アルペンルートが開通する2019年4月15日です。扇沢駅を始め、設備がどのようになったのか興味が尽きません。
<撮影2018年11月>
階段を上ると、いよいよトロリーバスとご対面。
黒部ダム駅行きの乗車ホームです。
乗車ホームは10番線まであります。
1番線はカーブを曲がった先にありました。
赤色に灯る出発信号機の姿も見えます。トロリーバスは乗合バスではなく、無軌条電車と位置づけられ、鉄道(軌道)の法律で運行しています。
黒部ダム行き、まもなく発車です。
扇沢駅を発車したトロリーバス。
発車後は、いきなり90パーミル級のこう配を登っていきます。
黒部ダム駅までは6.1km。約16分の道のりです。
こちらは山を下ってきたトロリーバスが到着する降車ホーム。
乗車ホームと同様に、長い有効長を持ちます。
平成6年に発行された「日本のトロリーバス」(吉川文夫:電気車研究会)によると、昔は最大12両の車両郡で運行が可能だったそうです。但し、行き違いを行わないので運転間隔が開いてしまう問題があり、平成元年から8両と7両の車両郡で、トンネル内で行き違いをする方式にしました。
降車ホームの横には、車庫があります。
車庫には架線が引かれていませんが、トロリーポール(パンタグラフに相当)を下しても、ある程度はバッテリーで走行出来るので問題はないそうです。
屋根付きの車庫には、営業についていないトロリーバスが休んでいました。(屋根付き車庫の中には充電用の架線が引かれているようです)
降車を終えたバスはぐるりと転回して・・・
乗車ホームへと戻ります。
「関電トンネルトロリーバス」が廃止になると、明るい場所でトロリーバスの設備が見られなくなるので、車両の細部も撮影してきました。
トロリーポールはプラスとマイナスの2本が設置されています。電車だとマイナス側はレールを通じて変電所に帰りますが、トロリーバスではレールがなく、ゴムタイヤを履いているので、このように架線設備が2本の形態になります。先端が回転するU字型のスライダーで、架線に追従しながら集電を行います。
トロリーポールの先端から紐で繋がっている円盤のようなものは「トロリーレトリバー」といい、上昇方向に力の働くトロリーポールを引っ張る役目をします。万が一にもトロリーポールが架線から外れて急上昇すると、それを感知したレトリバーがトロリーポールを降下させ、短絡事故を防ぐ仕組みです。
ドアの下に付いている鉄球は、ドアが開くと地面に接地してアースの役目を担います。
車庫内にはトロリーバスに代わり、2019年から運行を開始する電気バス(EVバス)が駐車していました。
電気バスとして使用するために、日野ブルーリボンからエンジンを外し、モーターとバッテリーを付ける改造を行いました。技術の進歩によって、電池の性能向上や充電器の高速化が行われ、実用的にバッテリーだけで本線を走行できるようになりました。
1往復ごとに扇沢駅でパンタグラフを上昇させ、約10分間の超急速充電を行い、営業運行する予定です。
電気バスのボディは白色になりましたが、4本の黒帯が入るデザインはトロリーバスから引き継がれました。
どうして黒帯が4本なのかは、、、、わかりますか。
く・ろ・よ・ん
既に、地上側設備の工事が行われていました。
乗車ホームに設けられたパンタグラフ式充電装置。パンタグラフを白色の充電器に接触させて停車中に充電します。
充電器のアップ。
位置合わせに苦労しそうな気もしますが、実際のところはどうなのでしょうか。海外においては、既にマレーシアで実証事業が行われているそうです。
役目を終えたトロリーバスと、それを引き継ぐ電気バスの並び。
2018年11月30日を最後に「関電トンネルトロリーバス」は廃止となりました。
1964年(昭和34年)からトンネルを走り続けて54年間。これまでお疲れ様でした。今回の廃止により、日本のトロリーバスは「立山黒部アルペンルート」の「立山トンネルトロリーバス」のみとなります。
電気バスが運行を開始するのは、アルペンルートが開通する2019年4月15日です。扇沢駅を始め、設備がどのようになったのか興味が尽きません。
<撮影2018年11月>