長野県大町市にある、扇沢駅です。
長野県と富山県とを結ぶ「立山黒部アルペンルート」の県境部分を担当する、「関電トンネルトロリーバス」(扇沢駅~黒部ダム駅間)の長野県側のターミナルです。2018年11月をもってトロリーバスは廃止となり、2019年から電気バスへと交代をする事になりました。
今回は、トロリーバス最後の扇沢駅を紹介します。
アルペンルートの長野県側最後の入口に位置する扇沢駅。
これより黒部方向へは、一般のマイカーやバスでは入れません。山に入るには扇沢駅でトロリーバスに乗り換える必要があります。
駅舎は3階建てです。乗合バスの発着が1階、トロリーバスの発着が3階です。
信濃大町駅(JR大糸線)からの乗客を乗せたバス(アルピコ交通)が、降車停留所に到着しました。
バスを降りると、目の前にあるのがトロリーバスのきっぷうりばです。
早朝に訪れたので、まだ窓口が開いていませんが、ここで乗車券を購入します。黒部ダム駅までは大人片道1540円、往復だと2570円です。ちなみにアルペンルートを越えて立山駅までは8290円、電鉄富山駅までだと9490円かかります。
乗車券を購入した乗客は、トロリーバスに乗車するため、改札のある2階へと移動します。
2階の紹介は後述する事にして、しばらくは1階の紹介を続けます。
駅前に広がる駐車場。
周囲に集落などはなく、トロリーバスに乗り換える事を目的とした駅とわかります。繁忙期にはここがマイカーで満杯になるのでしょう。
早朝の扇沢駅に、北アルプス観光バスの貸切車が到着しました。どうやら、アルペンルートで働く方の職員輸送バスだったようです。
表示器には関西電力の社章が描かれていました。
昭和26年から変わらぬ社章は、ボルト(V)とアンペア(A)を表現しているそうです。
職員輸送バスはもう1台いて、こちらは通行禁止のゲート方向へ進んでいきました。
その後、架線柱が立つトロリーバスの線路を登り、関電トンネルへと向かいました。
車内にはヘルメットを被った方々が乗車されていた事から、関電トンネル、黒部ダム、黒部トンネル(一般通行不可)を経由して、黒部川第四発電所方面に向かったものと思われます。
扇沢駅を発車するバスの乗車停留所は、こちら側です。
トロリーバスから降りた乗客が階段を降りると、乗合バスの乗車場所になるよう動線が出来ていました。
バスきっぷうりば。
ここから発車するバスは、信濃大町駅行きと、長野駅行き「雷鳥ライナー」です。繁忙期には新宿や白馬、高山へも運行があります。
発車を待つ、長野駅行き「雷鳥ライナー」(アルピコ交通)と、信濃大町駅行き(北アルプス観光)。
東京方面へは、松本へ南下するよりも、長野へ出て北陸新幹線を経由した方が早く到着するケースが多いようです。
ここからは2階の様子を紹介します。
2階はトロリーバスの改札口のあるところです。
乗車改札は、トロリーバス発車の約7分前から始まります。
土産物店。
この日は閉まっていましたが、土産物店は複数ありました。
待合所。
レストラン「扇沢レストハウス」。
ここの黒部ダムカレーは、ダムカレーの元祖とも言える逸品です。
昭和40年代初頭に「アーチカレー」として販売され、味や形状を今に継承しています。
シンプルな歴史あるダムカレーを食べたければ、ここがオススメです。
改札を通過して3階への階段を上がると、トロリーバスのホームです。
それではホームへと参りましょう。
その2へ続く