静岡県沼津市に位置する「沼津駅南口」(富士急バスターミナル)です。
富士急行グループと、その共同運行事業者が発着します。
JR沼津駅の南口には、東海バスオレンジシャトル、伊豆箱根バス、富士急行バスグループの3バス事業者が集まります。東海バスオレンジシャトル、伊豆箱根バスは主に駅前バスのりばを発着しますが、富士急行バスグループだけは、駅前ではなく、独自のバスのりば「富士急バスターミナル」を所有して、そこから発着しています。
「富士急バスターミナル」は、「富士急百貨店 沼津店」(※現在は閉鎖)の1階部分にバス発着場をレイアウトした商業施設併設型バスターミナルです。建物の老朽化により、2019年11月をもってテナントが撤退。現在はバスターミナルのみが利用されています。
バスの発着場は全6バース。
建物の外周に沿って、1~5番線、6番線と配置されます。上の画像で説明すると、左側バスが停車している場所が6番線、奥に向かって5、4、3、2、1番線と続きます。
ちなみに、沼津駅南口止まりのバスは、ターミナルには入らず、公道上の降車バス停に到着します。
1~5番線。
6番線。
プラットホームです。
のりばにスポットを当ててみます。
4番線の全景。
天井から吊り下げられた案内表示。
時刻表と系統図が掲出された案内板。
バスが停車すると、このようになります。
一般路線は中ドアか後ドアから乗車するので、乗車口部分のフェンスには切れ込みが入ります。
高速バスの発車もあります。
「富士急バスターミナル」を発着するバスは大多数が一般路線です。高速バスは原則として北口を発着しますが、「沼津~東京駅線」のうち、唯一1往復だけに南口発着の設定があります。但し、東京発の便は駅前に到着するので「富士急バスターミナル」に入るのは東京駅行きのみです。
5番線、15時45分発の東京駅行きがそれで、原則として「ラブライブ!サンシャイン!!」ラッピングバスが充当される機会が多いです。
さて、老朽化により閉鎖された「富士急百貨店 沼津店」ですが、いよいよ建物の解体作業が始まりました。
私が訪れた2020年2月現在では、建物内部の解体作業が行われていました。そのうち建物全体の解体作業に移行する事でしょう。このバスターミナルを発着するバスの姿が見られる期限は、そう遠くないのかもしれません。解体工事の工期は令和2年12月20日までと記載されていました。
バスの乗車券を販売する「沼津駅南口窓口」は百貨店の1階にありましたが、閉鎖と同時に向かいの建物へ移転をしました。
残るは、バスのりばの移転だけ・・・といったところです。
これからの沼津駅周辺は、鉄道の高架化という大きな事業が予定されています。中心市街地の「まちづくり」も検討が重ねられ「バスターミナルの集約化及びバス案内の改善」といった動きもあります。バスターミナルだけではなく、街のカタチも変わっていくようです。
これらの景色は、いつまで見られるのでしょうか。
<撮影2020年2月>
追記:タイムリーにも、今回の記事を作成中に「沼津市地域公共交通協議会」会議録が沼津市HPにアップされました。まだ事業者からのリリースはありませんが、2020年3月31日をもって「富士急バスターミナル」での発着は終了。4月1日からは駅前のバスのりばを3事業者で共用するようです。
~ おまけ ~
建物が閉鎖される以前の「富士急バスターミナル」の姿も紹介したいと思います。
ここからは2017年6月に撮影した「富士急バスターミナル」です。
当時は飲食店や旅行代理店、100円ショップなどのテナントが入居していました。
中心市街地が賑わっていた往年の時代に比べれば人は少ないのでしょうが、それでもシャッターが開いて、販促の幟が立つだけでターミナルの印象はガラリと変わります。
建物内には、乗車券類を販売する「沼津駅南口窓口」がありました。
ホッと一息、自動販売機コーナー。
最後に、ターミナルに停車するバスとプラットホームです。
昭和の風景を今に残していた「富士急バスターミナル」でした。