2020年4月1日からの「新宿・池袋~長野線」の統合が発表されました。
これは京王バス東、アルピコ交通、アルピコ交通東京が運行する「新宿~長野線」(15往復)と、アルピコ交通東京、長電バスが運行する「池袋~長野線」(5往復)が統合されるものです。これにより「新宿・池袋~長野線」は新宿系統と池袋系統合わせて、毎日20往復の高速バス路線となります。
注目なのが、運賃体系の変更です。
「WEB予約」と「電話予約等」の2種類となり、WEB運賃と、電話・窓口・車内発売運賃とでは価格が異なります。
WEB予約サイト「ハイウェイバスドットコム」には「発売開始後も乗車日や便(時刻)、予約日により随時発売価格が変動する」と記載されています。どうやら「カレンダー運賃」に加えて「変動方式の幅運賃」制度が始まるようです。
「幅運賃」は、高速ツアーバスからの移行組バス事業者で広く活用されている運賃体系で「需要動向に対応した運賃設定」を実現するために、バス事業者が届出を行った高速バスの運賃タイプ毎に「上限額と下限額」の間で自由に価格を変動させるものです。
例えば、上限が9000円、下限が7200円(スケールが大きい例え話ですみません)ならば、需要に応じて8000円で発売しても、7500円で発売したとしても、上限と下限の間であるので構いません。リアルタイムで変動させる事も可能なので、5分前と現在で価格が違うケースもあり得ます。今回の「新宿・池袋~長野線」が、どこまで細かいタイミングで変動させるのかはわかりませんが、電話予約や窓口発券で成長してきた老舗高速バス路線にとっては画期的な出来事です。
旧来からのバス事業者に限定すると「高頻度で運行する昼行高速バス」で「変動方式の幅運賃」を採用したのは、今回の「新宿・池袋~長野線」が初ケースとなります。まだ詳細はわかりませんが、窓口購入よりも、概ねWEB予約の方が安くなると思われるので、高速バス乗車券のWEB購入が加速するのではないでしょうか。
「変動方式の幅運賃」が、これから他の「高頻度運行の昼行高速バス」にも波及していくのか注目されます。