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・東京BRTの「プラットホーム正着制御」

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東京BRTでは、晴海BRTターミナル内において「プラットホーム正着制御」による停留所への据え付けを一部車両で行っています。



車両とプラットホーム間の段差や隙間が少なくなり、利用者の乗降がしやすくなる技術「正着制御」。

今回は、プラットホーム正着制御による正着シーンを紹介したいと思います。



まず、東京BRTの正着制御に欠かせないのが「正着誘導線」です。

正着制御には道路に磁気マーカーを設置する方式もありますが、東京BRTでは誘導線方式を採用しています。誘導線は二重ドット線で描かれ、白色や黄色といった法定上の線と差をつけるために薄い緑色で塗られているのが特徴です。車両に備え付けられた正着用カメラが誘導線を認識し、誘導線に沿ったハンドル操舵を行います。太さの違う誘導線(上記画像では下から2番目)もありますが、これは補正用だそうです。



誘導線の導入部です。晴海BRTターミナルには、2ルートの誘導線が引かれています。

上記画像では左側が出発ホームへの誘導線、右側が到着ホームへの誘導線です。

運転手さんは、誘導線に合わせてバスを進入させます。



排水路の格子蓋部分には、シートが被されていました。(カメラの誤認識防止でしょうか?)



段差や隙間を少なくするためには、プラットホームにも工夫が必要です。

バスの床面に合わせた高さのホーム、タイヤを寄せられる曲面形状をした縁石、そして正着制御で誤差が生じた際に、タイヤのボルトが接触するケースを考慮した緩衝材(黄色部分)が取り付けられました。



さて、誘導線に従い、プラットホーム正着制御が始まりました。

トヨタSORA、1001号車が出発ホームに正着します。









この辺りまでくると、車両のオーバーハング部はプラットホーム上をかすめます。







徐々にハンドルが戻ります。



そして、ジャストへ。



プラットホーム正着制御により、バスが据え付けられました。



前輪も後輪も、アスファルトと正着縁石(白色)のギリギリのところに停止しているのがわかります。



プラットホームと中ドア。



正着制御を行わない車両とのアプローチ比較です。

誘導線の外側を曲がっていますが、これが通常の進入コースです。曲線からの進入なので、気をつかう場面ではないでしょうか。



実際のところは正着制御がなくても、運転手さんのハンドル操作でプラットホームに近い位置に停車して下さるケースが多いのですが、熟練した運転手さんでも高いクオリティを継続し続けるのは難しいと聞きます。このような正着をサポートする機器の実用化は、運転手さんの負担軽減にも繋がります。

正着制御には、駐車車両等の影響を受けるケースがあったり、街路樹の成長で車体と接触する可能性があったり、暗闇での誘導線の認識低下があったり、そもそもの誘導線の整備・維持・・・等といった課題もありますが、バスの発展に欠かせない技術なので、しっかりと精度と安定度を向上させ、広く水平展開できる時代が来ることを願います。

参考:研究論文「自動運転社会に向けたインフラ整備~現状の課題と検討の方向性~」

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