京都府京都市東山、祇園四条に位置する京都交通の祇園です。
ここは過去のバスターミナルで、2004年に経営破綻した(旧)京都交通の祇園営業所が設けられ、ホテルの一角にバスの車庫がありました。
某ホテル(当時は祇園ホテル)の駐車場。ここがかつての祇園車庫です。
私は、バスの車庫だった当時は撮影していません。
「京都交通」「祇園車庫」で画像検索をかけると、先人の趣味人の方々が撮られた当時の姿を見る事が出来るので、興味ある方は参考になさって下さい。
ここから舞鶴や天橋立、亀岡方面へのバスが発車していました。
祇園営業所が廃止になったのが1996年。まもなく25年が経過しますが、今も当時の面影を残しています。
駐車場の奥をのぞくと、駐車スペースもないのに、黒く煤けた壁が見えます。
壁には、開口部が設けられていました。(敷地外から撮影)
恐らくですが、この窓はバスの排気ガスを外へ抜く、換気口の役割として作られたのではないかと推測します。
黒い煤は、当時のバスのものではないでしょうか。
京都の繁華街「祇園四条」に位置するので、立地は良いです。
ただ、中長距離バスのターミナルとしては、沿線利用者以外のアクセスには難があったかもしれません。
(旧)京都交通の経営破綻により、亀岡・京都地区は京阪京都交通に引き継がれましたが、祇園への路線はありません。
手元にある、1977年の時刻表を紐解くと、祇園では、概ね15分間隔で路線バスが発着していた記載があります。特に京都~舞鶴間は、約3時間かけて一般道を走るバスが1時間間隔で運行されていました。当時は(旧)京都交通の国道本線と競合する山陰本線の普通列車は、1時間に1本程度のディーゼル・客車列車しかなかったので、バスに優位性がありました。しかし、山陰本線は路線改良や電化、増発を行い、速達性も利便性も向上。現在(※2021年1月)では快速・普通列車が毎時5本走る地域路線にまで成長しています。
モータリゼーションの普及や、沿線人口の減少、鉄道の近代化、地域輸送への注力もあり、やがて(旧)京都交通は経営破綻への道をたどります。1996年の祇園営業所廃止後も、鴨川を渡った四条河原町を起終点に運行を続けてきましたが、2004年の経営破綻をきっかけに、市バスや京阪バスへの代替輸送が可能な四条河原町は廃止。京都駅前発着へと改められました。
現在、日本交通グループとなった京都交通が運行している、京都駅~舞鶴間の高速バス「~海の京都~舞鶴赤れんがエクスプレス号」は、かつて祇園~舞鶴間を運行していた、国道本線の現在の姿です。
もしも、祇園営業所が今も残っていたら、あの車庫を発着するエアロエースの姿が見られたかもしれません。(HD車は無理かな?(^^))
参考:2019年5月乗車 西日本JRバス ~海の京都~ 舞鶴赤れんがエクスプレス
<撮影2020年12月>