2011年3月11日に発生した東日本大震災から今日で2年が経過しました。大津波による被害、原子力発電所の事故による被害、2年が経過した今もまだまだ復興への道のりは長く続いています。さて、被害の大きかった東北太平洋側沿岸と東京を直接結ぶ公共交通機関というと真っ先に高速バスが浮かびます。鉄道同様、震災直後は運行出来なかった高速バスも関係者の皆様の努力により順次運行を再開。避難をする方、被災地での復興支援を行う方、たくさんの方々が高速バスを利用しました。
今年も3月11日を迎えるにあたり、前夜の東京から東北太平洋側沿岸へ向けて発車した夜行高速バスを撮影してみました。
品川バスターミナル21時40分発、浜松町バスターミナル22時00分発、宮古駅前・道の駅やまだ行き「ビーム1」です。東京と岩手県の沿岸、宮古や山田を結ぶ高速バスで、この日は1号車が羽田京急バス、2号車が岩手県北自動車の2台体制でした。岩手県北自動車は3月22日からフジエクスプレスとコンビを組んで東京と岩手県の久慈を結ぶ高速バスの開設を予定しています。その名は「岩手きずな号」。東京と岩手県北部を結ぶ新しい高速バスの誕生です。
場所は変わり池袋駅です。ここから発車するのは池袋駅西口23時00分発、気仙沼・大船渡・釜石行き「けせんライナー」です。東京と宮城県沿岸の気仙沼、岩手県沿岸の大船渡、釜石を結ぶ高速バスで、この日は1号車が岩手県交通、2号車が国際興業観光の2台体制でした。この路線は気仙沼や陸前高田、大船渡、釜石等といった太平洋側沿岸のルートをとるが故に震災後は沿線の被害が大きく、運行が再開しても津波により流出してしまった気仙大橋を避けるために気仙沼便と大船渡・釜石便の2ルートに分断されていた時期もありました。ちなみに池袋駅からは、釜石を経由して道の駅やまだを結ぶ夜行高速バス「遠野・釜石号」も運行されています。
更に場所は変わり新宿駅です。ここから発車するのは新宿高速バスターミナル23時30分発、仙台・石巻行き「広瀬ライナー」です。東京と宮城県の仙台、石巻を結ぶ高速バスで、この日は1号車が宮城交通、2号車が京王電鉄バスの2台体制でした。元々は夜行便のみだった「広瀬ライナー」ですが、震災直後に緊急支援の昼行便が一時的に運行。その後2012年10月のダイヤ改正から正式に昼行便が登場し、昼行便と夜行便の2本体制で活躍しています。
各路線共に2台運行だったのは日曜日だからでしょうか。もしかしたら3月11日という特別な日を被災した地で迎えるという需要があるのかもしれません。
私がキーボードを打っている深夜2時の今、これらの高速バスは東北自動車道を北上し、それぞれの目的地へと向かっています。2013年3月11日の東北太平洋側沿岸の日の出は5時55分頃。復興へと歩み続ける被災地の3年目の朝がまもなく訪れます。