2012年3月16日を最後に引退する事が決まっている小田急電鉄10000形に乗車してきました。
10000形の最大の特徴は、車両の床を高くして眺望を良くしたハイデッカー構造を採用した事です。そのために展望席以外の客室へ向かうにはこのような短い階段が存在します。景色は良いのですが、バリアフリーに対応出来ず小田急電鉄での引退を早めてしまう一因にもなりました。
客室です。リクライニングはしませんが、個人的にはゆったりとした座り心地で、結構好きです。
ロマンスカーのシンボルマークは「ヤマユリ」です。ここにも「10000」の文字がありました。
3号車と9号車に設置された喫茶コーナー。「走る喫茶室」の基地として使われていた場所ですが、「走る喫茶室」の営業が終了した現在でも車内販売の基地として使われています。10000形から「走る喫茶室」への注文は、ウェイトレスが端末入力して喫茶コーナーに伝送される仕組みになりました。
残念ながら展望席の特急券は取れなかったので、ハイデッカー部分の一番前に座りました。ここからでも前面展望が楽しめます。
最後に展望席の様子です。3100形から始まった展望席の伝統も、10000形の後に登場した20000形で一旦途絶えますが、50000形で展望席が復活したのは喜ばしいかぎりです。
私にとって10000形はバブルな頃の形式というイメージが強いです。ハイシーズンの箱根は今よりも観光客で溢れ、ケーブルカーに乗るのもロープウェイに乗るのも行列していました。満席のロマンスカーも多く、乗車改札(当時は乗車時にドア前で特急券を確認していました)でキャンセル待ちして乗車した事が何回もあります。
小田急線内で10000形に乗車出来るのも、残りわずかです。最後まで無事故で小田急線を駆け抜けて下さい。