WILLER TRAINS株式会社の商品発表会を取材させて頂く機会がありました。内容についてはWILLER ALLIANCEのHPや、北近畿タンゴ鉄道のHPから見る事が出来ますので、そちらを参照して頂いて、ここでは私なりの視点で書かせて頂きたいと思います。
まず、ご存じの方も多いと思いますが、2015年4月1日(予定)以降、北近畿タンゴ鉄道の運行会社がWILLER TRAINS株式会社に変更、”京都丹後鉄道”(通称:丹鉄)として生まれ変わります。
これまで「宮津線」だった豊岡~西舞鶴間は、宮津を境に「宮豊線」と「宮舞線」に路線通称名が変更となります。「宮福線」も含め、路線通称名を見るだけで鉄道が「どこからどこへ」走っているのかわかりやすくしたのだとか。また、7駅を地元の方や観光客に分かりやすい駅名に変更して、利便性の向上を図るそうです。
さて、配布された資料を読んでいて、企画乗車券の種類の多さに驚きました。
例えば、「週末ファミリーパス」なら、土・日・祝日に大人2人と子ども2人の最大4人までが1日全線乗り放題となります。
どうしても家族連れは交通費がネックとなり、自家用車での移動を選択してしまいがちですが、そのような方々にも鉄道を利用してもらいたい・・・という思いが伝わってきました。
私が一番グッときたのが、このようなイベントきっぷ。イベントごとに設定日限定の企画乗車券を作るようです。
これまで、「○○というイベントには一日券が便利です」…なんて案内は各方面の鉄道で見た事がありますが、イベントごとに特色を出した企画乗車券をこれほどの規模で発行する事業者は初めてでないでしょうか。それぞれ乗車券の名称に「イベント名」を入れているので訴求力もあると思います。同時に、このようなチケットを作るだけではなく、今後、利用者にどう伝えていくかも重要だと考えているようです。
もちろん、地域の方々をターゲットにした企画乗車券だけではなく、観光で訪れる方々に利便性の高い企画乗車券も用意されています。
「交通革新とまちづくりが連携することで、地域の価値を向上する」をWILLER GROUP10年構想として、「高次元交通ネットワークの実現」や、「地域を創生する若い人の働く場の創造」、「交通・まちづくりを目指す学生の教育の場を創造」による沿線地域における社会環境の革新という発表もありました。(むしろこちらが発表のメインでした(^^ゞ詳細を知りたい方はHP参照)
・・・これまで、私がWILLERに持つイメージは、都市間輸送を得意としている事業者というものでした。なので、「きっと、大勢の観光客を丹後に運ぶような発表があるのだろう」・・・と、勝手に予想していました。しかし、今回の発表から伝わってきたのは、「まず地域」という事。交通革新とまちづくりを組み合わせ、地域の価値向上を目指すとしています。
「環境を変えないと投資をしても効果が少ない。」
実際に社長はマンションを借りて、毎週のように沿線に住んでいたそうです。
丹鉄が走り出すまで、あと2か月。WILLERの新しい事業のスタートです。