おはようございます。ここは新宿西口の京王高速バスターミナル。
長年、親しまれた、ヨドバシカメラ横の高速バスターミナルは、2016年4月4日からバスタ新宿へと、移転する事が決まっています。しばらくの期間は、到着便や一部の出発便は、この場所から発着を続けるものの、発券窓口は無く、ターミナルの姿や空気は、これまでとは大きく変わる事でしょう。
私は、西口の発券窓口が無くなる前に、どうしても体験したい事がありました。
それは・・・
「キャンセル待ち乗車」です。
キャンセル待ちは、満席で予約出来なかった便に乗車できる、最後のチャンス。狭いターミナルに次々とバスが到着し、発車時刻が迫る中で、一人でも多くの利用者の期待に応え、かつ、無駄なく座席を埋めて収益を上げる時間との戦い。それは、新宿西口高速バスターミナルが持つ、魅力の一つだと思います。
ターミナルに到着し、まず最初に確認したのはLEDの発車案内。これまでの経験から、朝の富士五湖線は満席になる事が多く、2号車以降が出やすいと認識していました。案の定、案内表示には「キャンセル待ち」の文字が表示されていて、思わずニヤリ。ただ、4台や6台が出る事もある、8時10分発ですが、この日は控えめに2台。もしかしたら、3月に「東京駅(鉄鋼ビルディング)~富士五湖線」が開業した影響があるのかもしれません。
「富士五湖線 13時10分発まで満席」の掲示もされ、まさにキャンセル待ち日和といった感じです。
とは言え、どうしても、8時10分発の便を必要としている人がいるかもしれないので、少し様子を見て、発車の15分位前にキャンセル待ちを申し込みました。
降車停留所を申告し、103番と記載された「キャンセル待ち整理券」を受け取ります。聞いたところ、人数は6人目。私が予想していたより、キャンセル待ち人数が多いです。これは無理かも(汗
裏面には説明書きがありました。
さてさて、発車の10分前に、富士五湖線のバスが到着しました。すると、カウンター前で番号の呼び出しが始まります。
「101番の方・・・・・・・102番の方・・・・・」
103番は、呼ばれるだろうか。もしもダメなら、次の8時40分発で再チャレンジ。
不安で、胸をドキドキさせながら、待つと・・・
「103番の方、どうぞ」
いや、良かった(^^♪
「上野原までですね。1050円になります。2号車になりますので、1番のりばへどうぞ。」
単に、キャンセル待ちを体験したいだけの人間が、こんなにも緊張するのですから、切実にキャンセル待ちを期待をしていた人は、さぞかし不安や喜び、落胆を味わってきたと思います。キャンセル待ちは、感情を動かす、ヒューマンなドラマですね。
発車まで時間があったので、これから乗車するバスを撮影。フジエクスプレスのユニバースです。
今回、キャンセル待ちが成功したのは、2台運行だったおかげでしょうか。発車の10分前に座席が確保できたので、あらかじめSRS(座席予約システム)で販売されていなかった予備座席か、予約取り消しになった座席と思われます。
指定された座席は1C。運転手さんの直後です。車内に入ると、外国人の方が何人かいらっしゃいます。そういえば、私の前でキャンセル待ちをしていたのも外国人のグループでした。おそらく満席で、窓口の係員さんに、案内されたのでしょうが、外国人の方々が、キャンセル待ちを活用する位に、インバウンド(訪日旅行客)の個人旅行化は進んでいるようです。
発車時刻です。バスは1号車の後を追いかけて、ターミナルを離れました。
移転を間近に控え、私が、西口から高速バスに乗車するのは、今回が最後になるかもしれません。今、乗車している、T0206号車は、思い出の車両になりそうです。
ヨドバシカメラの交差点を左折。見事なハンドル捌きにホレボレ。
今回は、キャンセル待ちで乗車する事が主目的だったので、後はのんびり。最後まで空いている座席もあったので、結果的には、まだ余裕はあったようです。
中央道上野原に到着。
新宿西口から約1時間の″キャンセル待ち体験″ミニ旅行でした。
最後に、バスタ新宿への移転後、キャンセル待ちの取り扱いがどのようになるかは、リリースされていません。これまでのように、京王バス単独でなく、他社と共用する複合ターミナルなだけに、一分一秒を争うような迅速な対応が、どこまで出来るのかはわかりませんが、松本や長野といった、ライバルを有する路線もありますし、中央高速バスの強みとして、キャンセル待ちが続いてくれたらいいなと願いました。
<撮影2016年3月>