泉観光バス 「NETWORK」
東京駅八重洲南 鍛冶橋駐車場22時45分発
「22時45分発、新しいバスのご案内を致します。名古屋方面、泉観光、ネットワークが到着致しました。4番のりば、4番のりばまでお進み下さい。」
「新しいバスのご案内を致します」で始まる、鍛冶橋駐車場の独特なアナウンス。
待合室には液晶の発車案内表示器が設置されたものの、屋外でバスを待つ人にとってはアナウンスが唯一の情報源。ハッキリと、わかりやすく、必要な情報を的確に伝えています。
今回のバス旅は、泉観光バスが運行する「ネットワーク」。
東京ディズニーランドから、東京駅鍛冶橋駐車場、新宿南を経由して名古屋南笹島ライブまで向かう路線です。バスに向かうと、地上スタッフの方でしょうか、「預ける荷物はありませんか?」と笑顔でお声かけ。第一印象は良好でした。
車内は12列スタンダード仕様。(終点到着後に撮影)
座席は「3E」と聞いて、一瞬、位置関係がわからなくなりましたが、すぐに窓側だと理解しました。いわゆる観光バスタイプのために、C席が補助席で(もちろん販売はしていません)、運転手さん側がA・B席、ドア側がD・E席となるのです。
設備は、コンセント、ブランケット、使い捨てスリッパを備え、頭上のクーラー吹き出し口付近には「降車ボタン」がありました。トイレはなく、いわゆる観光バスがそのまま乗合になったような印象ですが、「降車ボタン」からわかるように、ワンマンバスの基準に対応しています。
22時45分、鍛冶橋駐車場を発車。車内を見回すと、複数のカップル、女性の二人組や単独の方もいて、総じて女性率が高いようです。東京ディズニーランド帰りの乗客が多いように感じました。その後、新宿南では男性が1人乗車して、この便の旅客は確定。合計すると20人位でしょうか。単独乗車の場合は、隣席を同性同士としているようです。
発車すると、運転手さんからアナウンス。消灯は約10分後の0時00分だとか。消灯を予告してくれるのは、就寝前の身支度が出来るので有り難いと感じました。シートベルト装着の放送が流れると、車内からカチャ!という音が聞こえてきます。休憩は海老名と牧之原を予定しているとの事です。
深夜の東名高速を走り、0時30分。最初の休憩場所である海老名SAに到着しました。この時間の海老名SAは高速バスの休憩ラッシュ。トイレから戻ると自分の乗車しているバスを見失ってしまいそうですが、真っ赤なボディと「・888」の希望ナンバーは目印となり、すぐにわかりました。
約20分間の休憩が終わると、再び暗闇の世界へ。
さて、今回は座席定員の多い、比較的安価な高速バスに乗車したくて、楽天トラベルで検索したのが乗車の始まりです。2月の月曜日、いわゆる閑散期です。パソコンの画面に並ぶ、わずか数行の紹介文を読むと、「コンセント付き」とか、「○年○月導入」、「イオン発生器」、「無線LAN」・・・なんて各ブランドが懸命のアピールをしています。
検索したのが乗車の前日(それも閑散期)だったので、全体的に価格は底の部類。個人的に「コンセント」と「ブランケット」があればいい。・・・こうして選んだのが、今乗車している2100円(東京~名古屋)の「ネットワーク」です。
価格が安いバスだと、ついつい経営や安全性を心配してしまいますが、毎日が2100円という訳ではなく、需要に応じた価格になるので、繁忙期は価格が上がります。私が確認した限りでは5600円の日もありました。その差は倍以上です。トイレはなく、座席数は49席もあるので、繁忙期に売り切れば結構な収入となると思われます。
車両は初年度登録が26年1月(車内掲示の表示ガイドラインより)と新しく、衝突被害軽減ブレーキも設置されているし、車内やボディは清潔。少なくとも目で見える範囲で粗探しをする余地はありませんでした。事業者によってかかるコストは異なりますが、必要な投資が出来て、事業が継続していけるのならば、低価格の日があっても問題はないと考えます。
深夜2時40分。トラックに囲まれた静岡県内の牧之原SAで最後の休憩です。
発車後はウトウト・・・zzz
そして、終点の名古屋南笹島ライブに到着。約7時間のバス旅でした。
最後に、今回のような低価格帯の高速バス全般が目指すところについて考えてみました。
需要によって、価格が上昇や下降をするのならば、需要の底上げが出来れば、価格は今よりも安定するはず。どこかに新しい需要はないものか。となると、頼りになるのは、やはり訪日旅行客ではないかと思います。もちろん、訪日旅行客だけに特化するのはリスクなので、国内向け需要も忘れてはなりませんが、需要が落ち込みやすい平日に乗車してくれる点は、訪日旅行客の大きなメリット。業界全体で、「閑散期」を「通常期」に 変えていけたならば、今よりも安定成長が出来ると思います。
冗談ですが、将来の格安バスの定義は 「外国からのお客さまに対応できないブランド」 になったりするかもしれません?!
そんな事を考えた夜行バスの旅でした。
<撮影2016年2月>
東京駅八重洲南 鍛冶橋駐車場22時45分発
「22時45分発、新しいバスのご案内を致します。名古屋方面、泉観光、ネットワークが到着致しました。4番のりば、4番のりばまでお進み下さい。」
「新しいバスのご案内を致します」で始まる、鍛冶橋駐車場の独特なアナウンス。
待合室には液晶の発車案内表示器が設置されたものの、屋外でバスを待つ人にとってはアナウンスが唯一の情報源。ハッキリと、わかりやすく、必要な情報を的確に伝えています。
今回のバス旅は、泉観光バスが運行する「ネットワーク」。
東京ディズニーランドから、東京駅鍛冶橋駐車場、新宿南を経由して名古屋南笹島ライブまで向かう路線です。バスに向かうと、地上スタッフの方でしょうか、「預ける荷物はありませんか?」と笑顔でお声かけ。第一印象は良好でした。
車内は12列スタンダード仕様。(終点到着後に撮影)
座席は「3E」と聞いて、一瞬、位置関係がわからなくなりましたが、すぐに窓側だと理解しました。いわゆる観光バスタイプのために、C席が補助席で(もちろん販売はしていません)、運転手さん側がA・B席、ドア側がD・E席となるのです。
設備は、コンセント、ブランケット、使い捨てスリッパを備え、頭上のクーラー吹き出し口付近には「降車ボタン」がありました。トイレはなく、いわゆる観光バスがそのまま乗合になったような印象ですが、「降車ボタン」からわかるように、ワンマンバスの基準に対応しています。
22時45分、鍛冶橋駐車場を発車。車内を見回すと、複数のカップル、女性の二人組や単独の方もいて、総じて女性率が高いようです。東京ディズニーランド帰りの乗客が多いように感じました。その後、新宿南では男性が1人乗車して、この便の旅客は確定。合計すると20人位でしょうか。単独乗車の場合は、隣席を同性同士としているようです。
発車すると、運転手さんからアナウンス。消灯は約10分後の0時00分だとか。消灯を予告してくれるのは、就寝前の身支度が出来るので有り難いと感じました。シートベルト装着の放送が流れると、車内からカチャ!という音が聞こえてきます。休憩は海老名と牧之原を予定しているとの事です。
深夜の東名高速を走り、0時30分。最初の休憩場所である海老名SAに到着しました。この時間の海老名SAは高速バスの休憩ラッシュ。トイレから戻ると自分の乗車しているバスを見失ってしまいそうですが、真っ赤なボディと「・888」の希望ナンバーは目印となり、すぐにわかりました。
約20分間の休憩が終わると、再び暗闇の世界へ。
さて、今回は座席定員の多い、比較的安価な高速バスに乗車したくて、楽天トラベルで検索したのが乗車の始まりです。2月の月曜日、いわゆる閑散期です。パソコンの画面に並ぶ、わずか数行の紹介文を読むと、「コンセント付き」とか、「○年○月導入」、「イオン発生器」、「無線LAN」・・・なんて各ブランドが懸命のアピールをしています。
検索したのが乗車の前日(それも閑散期)だったので、全体的に価格は底の部類。個人的に「コンセント」と「ブランケット」があればいい。・・・こうして選んだのが、今乗車している2100円(東京~名古屋)の「ネットワーク」です。
価格が安いバスだと、ついつい経営や安全性を心配してしまいますが、毎日が2100円という訳ではなく、需要に応じた価格になるので、繁忙期は価格が上がります。私が確認した限りでは5600円の日もありました。その差は倍以上です。トイレはなく、座席数は49席もあるので、繁忙期に売り切れば結構な収入となると思われます。
車両は初年度登録が26年1月(車内掲示の表示ガイドラインより)と新しく、衝突被害軽減ブレーキも設置されているし、車内やボディは清潔。少なくとも目で見える範囲で粗探しをする余地はありませんでした。事業者によってかかるコストは異なりますが、必要な投資が出来て、事業が継続していけるのならば、低価格の日があっても問題はないと考えます。
深夜2時40分。トラックに囲まれた静岡県内の牧之原SAで最後の休憩です。
発車後はウトウト・・・zzz
そして、終点の名古屋南笹島ライブに到着。約7時間のバス旅でした。
最後に、今回のような低価格帯の高速バス全般が目指すところについて考えてみました。
需要によって、価格が上昇や下降をするのならば、需要の底上げが出来れば、価格は今よりも安定するはず。どこかに新しい需要はないものか。となると、頼りになるのは、やはり訪日旅行客ではないかと思います。もちろん、訪日旅行客だけに特化するのはリスクなので、国内向け需要も忘れてはなりませんが、需要が落ち込みやすい平日に乗車してくれる点は、訪日旅行客の大きなメリット。業界全体で、「閑散期」を「通常期」に 変えていけたならば、今よりも安定成長が出来ると思います。
冗談ですが、将来の格安バスの定義は 「外国からのお客さまに対応できないブランド」 になったりするかもしれません?!
そんな事を考えた夜行バスの旅でした。
<撮影2016年2月>