アルピコ交通と京王電鉄バスが運行している「新宿〜松本線」にはSクラスシートを設置している便があります。運賃にプラス1000円するだけで、1列-2列のワイド座席、スリッパ、コンセント、ブランケットのサービスが受けられます。このSクラスシートが始まったのは2010年7月16日。運行開始当日こそは京王電鉄バス2往復のみでしたが、夏までに本数は順次拡大、最終的には松本電鉄2往復、京王電鉄バス10往復の計12往復でスタートしました。今回は「新宿〜松本線」の松本側の事業者、アルピコ交通のSクラスシート車を全て紹介したいと思います。
まず最初は2010年導入、松本電鉄のSクラスシート、キックオフとなった2台です。
11095号車 松本200か・758 松本電鉄→アルピコ交通(松本)
日野セレガ Sクラスシート7席仕様(パウダールーム付きトイレ)
11096号車 松本200か・759 松本電鉄→アルピコ交通(松本)
日野セレガ Sクラスシート7席仕様(パウダールーム付きトイレ)
…松本電鉄時代に導入された2台です。京王電鉄バスはSクラスシート4席仕様を導入したのに対し、松本電鉄はSクラスシートが1列(3席)多い7席仕様で登場しました。青色の座席がこの世代の特徴です。その後、2011年4月1日の松本電鉄、諏訪バス、川中島バス合併に伴い、社名表記「松本電鉄」に「アルピコ交通」の社名が併記されました。
続いて2011年導入の2台です。
10195号車 松本200か・806 アルピコ交通(松本)
日野セレガ Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
10196号車 松本200か・807 アルピコ交通(松本)
日野セレガ Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
…2011年12月29日から「新宿〜松本線」の2往復がSクラスシート便に変更となりました。この2台からSクラスシート数が京王電鉄バスと同じ4席仕様に変更となっています。また、アルピコ交通への合併後に導入された事から、車体の社名表記は「アルピコ交通」と単独で書かれています。
続いて、2012年導入の4台です。
12012号車 松本200か・839 アルピコ交通(松本)
三菱ふそうエアロエース Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
12013号車 松本200か・840 アルピコ交通(松本)
三菱ふそうエアロエース Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
…2012年7月6日から「新宿〜松本線」の2往復がSクラスシート便に変更、その際に増備された2台です。車両が三菱ふそうエアロエースとなりました。
12003号車 長野200か1124 → 松本200か・846 アルピコ交通(長野)→アルピコ交通(松本)
いすゞガーラ Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
12004号車 長野200か1125 → 松本200か・847 アルピコ交通(長野)→アルピコ交通(松本)
いすゞガーラ Sクラスシート4席仕様(パウダールーム付きトイレ)
…このガーラ2台は他のSクラスシート車とは血統が違います。以前長野ナンバーを名乗っていた事からわかるように、もともとは「新宿〜長野線」で運用されていました。その後「新宿〜長野線」の上位クラスは、Sクラスシートからプライムシングルシートへ戦略変更がとられ、2012年7月31日を最後に「新宿〜長野線」でのSクラスシートは終了、松本ナンバーに変更のうえ、8月6日から「新宿〜松本線」で再デビューを果たしました。この2台の転用によりアルピコ交通担当の「新宿〜松本線」は、Sクラスシート便が8往復になっています。
以上のように、2012年11月1日現在のアルピコ交通Sクラスシート車は「日野セレガ・Sクラス7席仕様×2台」、「日野セレガ・Sクラス4席仕様×2台」、「三菱ふそうエアロエース・Sクラス4席仕様×2台」、「いすゞガーラ・Sクラス4席仕様×2台」の陣営となり、多彩な車種構成となりました。共同運行する京王電鉄バスが「三菱ふそうエアロエース・Sクラス4席仕様×9台」と統一されているのに対し、アルピコ交通のSクラスシート車は車種や仕様が4タイプもあり、どの車両が来るのかと待つ楽しみもあります。
保安基準の新制度により、新車でSクラスシートのような途中で配列が変わる座席配置はやりにくくなったと聞きます。これを一つの区切りにと、これまでのアルピコ交通Sクラスシート車をまとめてみました。