夕陽 庄内交通
庄交酒田バスターミナル 21時45分発
今回の旅の最終ランナー。酒田からは庄内交通の夜行バス「夕陽」で東京へと戻ります。…んっ?!何でホテルのフロントみたいな画像がUPされているのか???渋谷マークシティ〜酒田庄交バスターミナルを結ぶ「夕陽」は庄内交通と国際興業の共同運行ですが、元々は庄内交通と東急バスの共同運行でした。東急バスが撤退して東京側のパートナーが国際興業に変わり、現在に至ります。
その東急ですが、酒田には東急グループ系のホテル「東急イン」がありました。ありましたと過去形で書いた訳は…
実はこの時、酒田東急インが閉館した直後だったのです。これから東急と縁のあった庄内交通の「夕陽」で帰る前に、このようなシーンを見て何か運命のようなものを感じ、あえて掲載してみました。
さて、酒田庄交バスターミナルに到着しました。バス左奥の白色のビルは先ほど訪問した酒田東急インです。これから乗車するのは庄内交通の「夕陽」、今夜は2号車まで出ていて、私の乗車するのは2号車の一番前です。
1号車はそこそこ乗車していますが、私の乗車している2号車は私を含めて乗客2人。静かな車内です。発車後、運転手さんより「山形・東北道経由で運行し、夜間に3回乗務員交代のために停止します。車内空調は26℃ドライに設定してあります。空調に関してはお気軽に声をかけて下さい。」と放送がありました。運転手さんのアドリブなのか、そのような放送をするようになっているのかはわかりませんが、丁寧に設定温度まで説明してくれて乗客思いだと感心しました。
車両は三菱ふそうのエアロバス。車内の様子です。独立3列シート、毛布とスリッパが各座席に置かれていて、後方に化粧室とサービスコーナーがあります。ハイデッカーなので乗務員の休憩室も後方です。
22時00分、ジャスコ酒田南店(現在はイオン酒田南店)で1人が乗車し、乗客は3人になりました。
22時35分、東京第一ホテル鶴岡で3人の乗車がありました。地方都市では高速バスの発車に見送りの人が来る事が多い。「向こうに着いたら連絡するね」…こんな声が聞こえてきました。ところで、夜行バスは鶴岡のターミナル「エスモール」に入らず、すぐ横の「東京第一ホテル鶴岡」から発着します。恐らく早朝深夜はバスターミナルの営業をしていないからでしょう。ただ、東京側からの視点で見ると「エスモール」や「東京第一ホテル鶴岡」の名称だけでは、鶴岡の駅に近いのがちょっとわかりにくいような気がしました。
発車後、車内後方にあるサービスコーナーに向かいました。お湯と冷水の蛇口があり、緑茶のティーパックが備え付けられています。
温かいお茶を入れて座席に戻り、ほっとタイム♪
22時50分、庄内観光物産館です。雨が強い…乗車している2号車の停止位置では屋根のない場所での乗車になってしまいます。そこで2人乗務の運転手さんのうち、ベテラン運転手さんの発案で1号車と同時に乗車改札をするのではなく、1号車が発車した後に屋根のある乗り場に付ける事になりました。傘を差して乗客へ説明に向かう運転手さん。庄内交通の乗客思いには頭の下がります。おかげで待っていた1人の乗客は雨に濡れずに乗車する事ができました。2号車の乗客は7人で確定、ほとんどが女性です。
「おばんでございます…」
発車後、ベテラン運転手さんの肉声で消灯の案内が始まりました。こういう訛りは味があっていいですね。22時56分、鶴岡インターから山形道に入ると照明が落とされます。それではおやすみなさい…zzz
5時10分、前面のカーテンが開いて起床となりました。あーよく寝た〜。寝起きスッキリ♪自分の夜行バス史上最高の眠りだったと思います。直後におしぼりの配布が始まりました。薄いペーパーおしぼりではなく、ちゃんとウォーマーで暖められた布おしぼりです。しかも一人一人手渡しで配布してくれます。まさに心身共に気持ち良いサービスです。
5時18分、若干遅れて大宮駅東口で2人降車です。その後、さいたま新都心入口から首都高速に入りました。前方を走る1号車のリアを見て気が付きました。「夕陽」のロゴには「You & He」と書かれています。女性の多い路線なのだろうか、「あなたと、彼」…ちょっとロマンティックなロゴです。
板橋本町の出口を降りて、6時05分に池袋駅西口に到着、3人が降りました。
目指すは終点の渋谷マークシティ。山手通りをひたすら走ります。大阪からの阪急バス(渋谷で乗客を降ろして回送中)とすれ違うと…
終点の渋谷マークシティに到着しました。私を含め2人の乗客が降車します。今回「夕陽」に乗車してみて、運転手さんの対応一つでこんなにも快適に乗車出来るのだと驚きました。また酒田や鶴岡に行く機会があれば、「夕陽」を選択したいと思います。
<撮影2010年9月>