ここは、東京都中央区築地に位置する「中央市場前」交差点です。
かつて存在した、築地市場の正門に面していました。
この交差点に設置されている交通標識「進行方向別通行区分」が、ちょっと珍しいので紹介します。
一般車は左折か直進しか出来ないのに、路線バスだけは右折をする事も出来るのです。
決して右折レーンがない訳ではありません。それなのに、何故に路線バスだけが左折・直進レーンから右折をする必要があるのでしょうか。
その答えは、この停留所（国立がん研究センター前）にありました。
この停留所を発車後に、右側にあった築地市場に入場出来るように、路線バスだけが左折・直進レーンから右折出来る仕組みになっていました。
築地市場最終年である２０１８年に撮影した築地市場正門。
しかし、この頃になると、国立がん研究センター前停留所を発車後に築地市場へ入場する系統は消滅していたので、新橋駅から来た路線バスは普通に右折レーンから市場に入場していました。
２０２１年になっても、当時の面影を残す「進行方向別通行区分」の標識。
一度決めた通行区分を変更するのは難しいのか、放置されているだけか、それとも将来再び使う予定があるのかは定かではありませんが、今も残る珍しい標識でした。ちなみに上記標識は平成８年１２月に設置されたものです。
おまけ：付近には、このような標識もありました。
朝５時～正午は、貨物集配中の貨物車に限り駐車禁止が除外されます。築地市場から溢れたトラックは路上で積み下ろしをしていたようで、標識を見るだけで築地市場時代の飽和状態が目に浮かぶようでした。